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予備校に勤める28歳の本山みのり。たまの休みの楽しみは、気のおけない友達と美味しいお酒を呑むこと。恋は3年していない。そんな時、後輩に誘われ通い始めた生け花教室で、助手を務める8歳下の滝川透と出会う。少しずつ距離を縮めていく二人だったが、進学のため透が地元を離れることになり……。恋に仕事に臆病な大人たちの、切ない恋愛小説。
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Posted by ブクログ
中村航さん。切なさと甘さのバランスを描くのがめちゃくちゃうまい。恋愛小説は、読んでいると何か気恥ずかしいというか、そういう気分になることがあるけどこの本にはそれがなかった。 人にはいろんなストーリーがあって、それが愛おしいなと、こういう小説を読むと思う。 自分の心を守るために、諦めたりすることがあ...続きを読むると思うけど、ちゃんと向き合わなきゃいけないことには、絶対向き合わなきゃ、後悔してしまう。 そんなことを考えた一冊でした。
名古屋の予備校で契約社員として務める主人公の本山みのりは、同じ予備校の営業部の先輩社員と別れてから3年間恋をしていない28歳です。後輩に誘われて通う生け花教室で、先生の助手(先生に対して、センセイ)を務める、もう一人の主人公で、8歳年下の滝川透と出会います。お互い意識をしますが、透は東京の大学への進...続きを読む学のため、離れて暮らすことになります。恋に臆病な二人は、一旦は接近しますが、再び離れていきます。 甘くて優しい恋愛のお話で、ほっこりします。現実はこのお話よりもっとこじらせることが多いように思います。このお話で幸せを感じました。
2019/7/30 やはり中村航さんの作品であるから、最後まで非常に良い気分で読み進められる、続きが気になっていく展開になっている。 あらすじとしては、アラサー女性の本山さんが通い始めた生け花教室の透センセイに段々と惹かれあっていく、割とよくありそうな話しである。でも、それをよくある話的な印象を与え...続きを読むない書き方をしているのがこの人の作品の不思議なところである。 この作品は、2人が惹かれあった後のことまで触れて描いていて、それをどう書くがが難しいらしい。 しかも、30代を迎えようとしている女性と高校を卒業して、大学進学を考え出したハタチの青年という、どちらも割と人生の岐路に立ちそうなところもある。 その中で恋愛に尻込みし始めていく本山さんの様子はとても現実的だなと思う。
後輩に誘われて通い始めた生け花教室。 講師の孫で助手をつとめるセンセイと出会い、次第に距離が縮まっていくが、彼は8歳年下で、大学へ進学するため上京が決まっていた。 3年ぶりの恋に臆病になるアラサーと、将来に悩むセンセイの恋愛物語。 年の差、遠距離、社会人と大学生。 感情のまま突っ走れないのは彼女の...続きを読む性格だけじゃなく、アラサーという年齢がブレーキをかけてしまうのでしょうね。 「好き」だけでは飛び込めない。 ストーリーは彼女と彼と両方の視点から進みますが、完全に彼女に感情移入してました。 私が彼女でも悩むだろうなぁ。
恋に揺れる主人公の心に痛いほど共感しました! 30代の女友達にみんなにオススメしたい。 それでみんなで前向きになりたい。そう思える本でした。 加藤さんという作家さんのあとがきがまたいいです。とくに締めの何行か。かみしめて何度も読みたい言葉でした。
年下のセンセイ。 私は高校の公民のセンセイになろうとしている男の子が好きだ。だから、年の差は勿論気になるし、これからのことだってすごく気になるし不安になる。 でも、「年上だからとか年下だからのか、そんなことばかり考えてた。できない言い訳を探し出して、気にしている。本当は知っている。仕事でも恋でも、で...続きを読むきない理由の方が、できる予感よりも強いし、説得力もある。だから"できない理由"に負けてしまう。」という文章がグサーっと心に刺さった。 欲しいものは欲しい。それは何でも。とっても小さな事だって物だって。我慢なんてしてたら一生手に入らない。だから、私は今、この瞬間から未来の人生は貪欲に生きていこう。と決めた。最優先事項は、「自分がどうしたいのか。どうありたいのか。何がしたくて、何が欲しいのか。」自分に正直に生きるって大人になると中々難しいけれど、、、他人を優先するって、一見心優しそうに見えて、実はただの臆病者なんじゃないか。そんな考えにまで至ってしまった。笑
愚か者の得意なフットワーク!!なんと印象深いフレーズ、そして自分のことを言われてるような気持ちになってしまった。 大人になればなるほど、シュミレーションして自己完結しがちだということがよく分かる作品だった。 そして、生け花は知らない世界だったので、興味深かった。 どこが正面か決まってるのに、それをカ...続きを読むメラで色々な角度から撮っているところをセンセイに見られて焦るシーンは何のことないシーンに見えて実はお互いの心が動き始めるシーンのように思った。
自分の気持ちになかなか素直になれない みのりを見てて歯痒くなった。 学生の時のまっすぐで直球な恋愛と大人になってからの複雑な恋模様が同時にみれてなつかしいような共感できるようないろいろな感情が味わえる作品だった。
手に入れる前から失う事を怖がってどうするんだ、という心のモヤモヤ具合は、通じてきた。基本的に、恋愛なんて当人同士が良ければいいし、悪ければダメなわけよ。どっちもどっちでお似合いでした!
擬音語があったり、登場人物をときおり〇〇さんと呼んでみたりの中村航ワールド。 語り手が急に登場人物になったりもして(でもすぐ戻る)、なんかあんまり好きではないけど、みのりの気持ちは、まぁわかるかな~。透くんも、クールに見えてもまだまだ若く、まぁ見守りましょうか、といったところ。
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