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管理職への昇進を拒む深い葛藤、やりがいと低賃金の狭間に生きる姿、「勝ち組」の敗北感、認められない家庭生活での活躍、そして男をも襲うプレッシャー。「女性活躍」推進の期待が高まる一方、女たちは規範の押し付けに悩み、苦しみ、怒っている。等身大の本音を長年に及ぶ定点観測ルポで掬い上げ、時代ごとの生き方トレンドに翻弄される人びとの生きづらさの本質を解き明かし、それぞれが希望の光を見出せる社会を考える。
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Posted by ブクログ
「女性活躍」に翻弄される人びと。奥田祥子先生の著書。女性活躍は本来であれば女性にも男性にも幸福をもたらすもののはず。女性活躍が女性にも男性にも幸福をもたらさずに翻弄しているだけなのであれば、それは女性活躍のための制度や仕組みが正しくないということなのだと思います。日本は女性活躍後進国、女性活躍発展途...続きを読む上国であるという自覚を持って、女性活躍先進国から謙虚な気持ちで学ぶ姿勢が大切。
長年取材してきた著者だからこそ本に著せた女性たちの人生や気持ちの変容。男性サイドの感じるプレッシャーやモヤモヤ感、退職した女性達が自分の代理や存在証明として夫や子どもに期待をかけたあまり家庭が立ち行かなくなるケースなども興味深い。人生なんか計画的にいかないことばかり。でも、そこから動き出そうとする女...続きを読む性達に勇気をもらった。 自分を守るために法律や世の中の動きにアンテナを張るのは必須だと思った。
女性活躍、という言葉が政府の施策のひとつとして掲げられるようになってから、ずいぶん時間が経った。 世の中はどう変わって来ただろうか? 未だに世界から遅れていると見られているこの国で、活躍を期待される女性たちは、今何を考えているのだろうか? そういう疑問に、たくさんの取材対象の女性(時に男性も)たちが...続きを読むそれぞれ答えてくれる。作者の人が、自分も悩みながら、丁寧に取材しているのが感じられる。 出世していこうとして、さまざまな壁にぶつかり結局その道を選ばなかった人、結婚や出産という幸せをまず考えた人。どの選択にも絶対はないけれど、女性活躍が持て囃されているために、それぞれ悩みを抱え、迷ってしまう。同じ女性として、いろいろ考えるものもあった。 すごいな、と思うのは、男性目線の視点も取り入れて書いた章があること。世間の流れの中で、男性もまた振り回されているのだと、女性もまた、知っておくべきだなと感じた。 構成 第一章 管理職になりたがらない女たち 第二章 非正規でも前向きな女たち 第三章 敗北感に苛まれる女たち 第四章 男たちを襲うプレッシャー 第五章 真に女性が輝く社会とは
男女のどちらが悪いというわけではなく、既存のジェンダーや新しく唱えられる女性活躍のスローガンのもと、生きにくさを抱え、それに抗おうとする人たちを見つめた本。筆者のマクロ的な分析もあるが、個人的には、実例紹介の方が興味深く感じた。
■感想: 女性には、その時代のトレンドとされる生き方がある。けど、そもそも個々人の生き方について社会が「こうあるべき」と縛るな、という話。 皆それぞれの生き方、価値観を受け入れて、もっと生きやすい社会になればいいな。 ■メモ: ・女性はその時代の理想とされる生き方に翻弄される。 ・1986...続きを読む年に施行された男女雇用機会均等法により、総合職など一部の女性には男性と同じように働く機会が与えられた。一方で、企業は1990年代半ば頃から一般職の自社採用を控えるようになり、一般職に取って代わったのが契約社員や、派遣スタッフだった。1990年代は女性の社会進出が本格化すると同時に、「非正規化」も急速に進み始めた時期であった。
たいへんそうだ。取材自体もたいへんそうで、女性は女性にとっても難しいみたいで、それがこの先生にとっての結論でもありそう。
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「女性活躍」に翻弄される人びと
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