三月の５日間［オリジナル版］

岡田利規

イラク反戦デモを尻目に、渋谷のラブホで4泊5日──表題作（第49回岸田國士戯曲賞受賞）のほか、2篇（「マリファナの害について」「労苦の終わり」）を収録。
「登場人物たちの話す内容が微妙にズレながら進む展開も、背筋がゾクゾクするほどおもしろく、〔中略〕遠くの虐殺よりも目の前の性行為の方が重要という人間の業のようなものが浮かび上がってくるところに凄味がありました」（井上ひさし氏選評より）。
「そこに描かれている世界はまさに青春のすべてではなかろうかと私は思ったのだ。〔中略〕いずれもが過不足のない的確な言葉で語られる」（岩松了氏選評より）。
「岡田氏は、出会ったことのない才能である。いよいよ出てきたというべき才能かもしれない。或いは、どこに隠れていたのよ、というべき才能。〔中略〕応援します」（野田秀樹氏選評より）。
チェルフィッチュこと、超リアル日本語演劇の旗手によるデビュー作品集。声に出して読みたい誘惑あふれる「語り」を、ご堪能あれ。

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: 雑学・エンタメ / アニメ・芸能・ゲーム攻略本
• 出版社: 白水社
• ページ数: 190ページ
• 電子版発売日: 2018年03月09日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 4MB

[ブクログ · ★★★★★]

朗読か演じてもらってはじめてよさが分かることがたくさんあるんだろうなぁと思ったけれど、人ってこんなに文体といいますかモダリティを多用しまくって倒置法なんだかなんだかわからない語の順番がめちゃめちゃな言葉を喋るんだなぁとはっとした。
それは悪いのではない。これだから若者はとも思わないし、まず私もいわゆるこんな言葉を使う若者であるし。
しかしこんな言葉でも通じるんだなぁ。
表題作の、淡々とした何かが気に入った。

今度チェルフィッチュの公演を観にいく予定なので楽しみ。もちろんこれじゃないけど。

[ブクログ · ★★★★★]

どうしたって、衝撃だったし、文体に影響を受けてしまった
文体だけじゃ意味ないけど
よく紙の上に、ここまで・・・はああ～～と感嘆するしかない　小並感

[ブクログ · ★★★★★]

超リアル日本語演劇とか言われているチェルフィッチュの戯曲。しかし文章として読んでも面白い。言葉のリズム、センス、あいまいさと過剰さ、スゴく興味深い。

[ブクログ · ★★★★☆]

マリファナの害のみ。会話をぶち込んできて変身する、その人に。読点がない分ものすごい勢いで加速してくのが戯曲でもわかる

[ブクログ · ★★★★☆]

戯曲3作を単行本化したもの。普通、そういうのって読みにくいのだけど、何故かしら、岡田利規のものは読める。あのグダグダと、いらないことまで垂れ流しにするような、あの語り口が好きなのだと思う。読んでいて思うのは、フェーズを幾層にも重ねて、でもそのフェーズは実はちょっとずつ変化していて、ストップモーションしたり、いきなり巻き戻ししたりっていう、あの感じ、脳内をそのまんまポンと戯曲にしたような、あの感じ、だから、きっとあの文章が馴染むんだろうなぁ、あの流れがすっと身体に入ってくるんだろうなぁ、なんて思ったり。ちなみに、表題作「三月の5日間」は小説よりもこの戯曲の方がずっと面白く感じた。(10/5/5)

[ブクログ · ★★★★☆]

第49回岸田國士戯曲賞受賞作。

イラク戦争が起きた、という世の中の風潮なんか露知らず、
５日間セックスし続ける男女の話。なんと世俗的。

だけど、書かれた手法が深い。
すなわち、ポリフォニーとヘテロフォニーの対比・融合。