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今だから話せる、あの裁判の真実の姿! 前作「法医学現場の真相」から4年、袴田事件をはじめ、再審の末に逆転無罪となった事件が続く中、数々の裁判に関わってきた著者が、冤罪の真相、司法の問題点を説き明かす。進歩を続ける最新技術「DNA型鑑定」の落とし穴とは? さらに頻出する痴漢・ワイセツ事件裁判の現状も。 [本書に登場する事件] ・袴田事件 ・東電女性会社員殺人事件 ・足利幼女殺害事件 ・布川事件 ・福井女子中学生殺人事件 ・飯塚事件 etc.
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Posted by ブクログ
著者は元日本大学法医学教室教授であり、数々の鑑定を手がけた。特に足利事件や、東電OL殺人事件など、有名な冤罪事件のDNA型判定において中心的な役割を果たしたことが多く、あの事件の再審の裏側はこうだったのかと真相を知ることが出来る。 本書を貫くのは、怒り、であると感じた。実際、裁判において著者の鑑定...続きを読むが言及されること無く原判決が誤った判断の元に下されることが多く、著者は怒りの余り、そういった間違った判決を下した裁判官の実名と、叙勲歴などを記して、このままで良いのかと疑問を呈する。 今著者は、大学を定年退官後、民間の法医学研究所を主宰し、様々な鑑定を引き受けているらしい。 DNA型鑑定というと、それだけで決定的な証拠能力を持っているかのように錯覚してしまうが、実際には足利事件に見るように、単純に被告のDNA型が被害者の遺留品に見つかったから被告が犯人と決めつけられるわけではないことが本書を読めばわかる。DNA型といっても、その一致率が1兆人に1人であればそのDNA型は他に持ちようが無いだろうが、1000人に4-5人、みたいな可能性であれば、偶然一致してしまう可能性は十分にあるわけだ。 データを活かすのも人次第というのを痛感する。それにしても本書を読んで空恐ろしいのは、証拠を捏造しているとしか思えない、警察・検事機構である。日本は一見とてもまともで権力者が正しく権力を行使していることに我々は漠然とした安心感を抱いているが、実際にはそうでもないことがわかる。提出された、報道された証拠が、本当に正しい証拠であるのか、我々は常に批判的吟味を必要とするのだろう。
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押田茂實
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