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「抜いても抜いても生えてくる、粘り強くてしぶとい」というイメージのある雑草だが、実はとても弱い植物だ。それゆえに生き残りをかけた驚くべき戦略をもっている。厳しい自然界を生きていくそのたくましさの秘密を紹介する。
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Posted by ブクログ
同じ著者の『世界史を大きく動かした植物』がとても面白かったので手に取ってみたところ、予想に違わず揺さぶられっぱなしの本でした。 曰く「雑草はとても弱い」。 曰く「雑草は踏まれたら倒れたまま立ち上がらない」。 先入観を覆される気持ちよさにあふれた良書です。 先入観を覆される例をいくつか。 雑草の種を...続きを読むまいて育てようと思ってもまず成功しないんだとか。なぜなら雑草はどんな環境でも誰かが生き延びるという生存戦略をとっているので、決まった時期や決まった温度や決まった日照時間などのトリガーに反応しないから。(撹乱性) セイタカアワダチソウは故郷のアメリカ北中部では「ふるさとを思い出せさる可憐な黄色い花」なんだとか。日本で3-4mにまで大きくなったのは生育環境を同じくするススキが生えていた土壌が豊かだったからで、その後に繁殖しすぎて近年は衰えてしまっており、逆にアメリカにススキが帰化植物として侵入しセイタカアワダチソウを脅かしているそうな。へぇ〜。 「雑草はとても弱い」理由とは、①個体としてはとても弱いので②あらゆる機会をとらえてあらゆる手段を駆使して生き残りを図っているから③種として強いというもの。 本編では②の具体的な生き残り戦略を豊富な事例を挙げて解説してくれるので、「どうしてこんなところに生えているのか」「どうしていつでも生えているのか」「どうして刈っても刈っても生えてくるのか」という日頃の疑問がなるほど〜と納得できる。 本書が面白いと思えるかどうかは、著者が面白がっている雑草の定義を聞いてもらえればわかる。雑草の一般的な定義は「邪魔な草」「望んでいないのに生えてくる草」だと思うが、本書はアメリカの哲学者ラルフ・W・エマーソンの「雑草とは、いまだその価値を見出されていない植物である」を紹介して「雑草かどうかを決めるのは私たちの心なのである」という。ここでフフフと笑えた方は本書向きです。 さらに、私の考える本書の白眉は「あとがき」。著者の来歴が書かれており、ご本人は師に恵まれたと謙遜しているがご本人もなかなかの人物。同じ筑摩プリマー新書の『先生はえらい』で内田樹は「教え子は先生が教えていないことを学んでしまう、弟子が『師は私の知らないことを知っている』と思い込むことによって」と言っていて、ちょうどそれを体現しているかのよう。 さらに、スティーブ・ジョブズの「connecting dots」と同じことを違う表現で「私の人生は道草ばかりだったが無駄な経験は一つもなかった」とも書いている。 表紙(装丁)がクラフト・エヴィング商會で、雑草がテーマの本だけにカラフルなMMやMMMやMが散りばめられているのもご愛敬。wwやwwwやwだとちょっとニュアンスが違っちゃったから、さすがいいセンスしてます。
「雑草学」というのがあるのは初めて知ったけれど、自分の本棚を見てみたら、稲垣先生の書いたor関係している本をすでに何冊も持っていた。私も軸足に「雑草学」を持って、いろんなことを実践・思考してみたい。
雑草とは何か。雑草の戦略とは。植物についてこんなに面白く解説した本に初めて出会った。除草剤がどうやって植物を枯らすのか、実にわかりやすく解説されている。また、「多様性」の概念も単純ではないことを学ぶことができる。人生訓としても読める素晴らしい書籍です。
・雑草は弱いからこそ、環境に適応できるように様々な戦略を持っている。 ・ただオンリーワンでは生き残れない。オンリーワンな環境の中でナンバーワンである必要がある。 ・「雑草は踏まれても踏まれても、必ず花を咲かせて種子を残す。」 人生訓になる新書でした。折を見てまた読みたい。
これは目からウロコが何枚も落ちる既成概念を 覆す本です。 「雑草魂」と言うと、何となく強くてたくましい イメージがありますが、本当の雑草は全く違います。 都会のコンクリートのスキ間にしたたかに生えてくる 「強さ」を感じさせるのは全くの誤りで、 要はそこでしか生きられないから、仕方なくコンクリートの...続きを読むスキ間に生えているのです。 つまり理由があるのです。 その理由や、その他の色々な植物の特徴など、 普段は気にも留めないが、素晴らしい仕組みに満ち溢れて いる雑草の世界を説明してくれる一冊です。
雑草に関する本。 今まで生きてきて、雑草とは学校のグラウンドや畑に生えるしぶとい草…くらいに思ってなかった。 しかし、どこでも生えているように見える雑草は荒れ地にしか生えないという事実に驚いた。緑化が進むと、雑草に日光が及ばないほど背の高い植物が生え始めるからだ。定期的に手入れがされ、環境がリセット...続きを読むされる人間の領域で雑草は生えやすい。だからこそ、人間にとって身近な植物になっている。その環境の中で、人間によって間引かれる植物は生き残るために、人間の活動に合わせた進化をしてきた。それが雑草という植物。 目に見える世界が全てではない。雑草を見たときに、それが草であることや、自分の身にとって直接的な脅威にはならないことを経験上知っている。しかし、それしか知らない。この本を読んで、自分が意識していないだけで目に見える世界のほんの一部分の世界は、とんでもなく深い世界の歴史や知識へつながっていることを自覚できた。
雑草は普通の草では生育できないところに育つがそれは他の草と競争すると勝てないので、ニッチを見つけたということ。必ずしも「雑草魂」と言われるような強さではなく、賢さとしている。人間がその生息範囲を広げ自然を変えていくのに対応して雑草も適応してきた。 競争力、撹乱対応力、ストレス耐性の三つが植物の生存す...続きを読むるキーとなる。通常の土地であれば、早く成長し他よりも養分の取れる植物が勝つが、毎年耕されている土地、砂漠などの気候の厳しい土地では、後者の二つが重要となる。 雑草の戦略は、土地が変化すると発芽、ランダム性の高い発芽確率、他の株がなくても種を作れる(自殖)、などなど。 新書なので内容はあっさりとしているが、著者の雑草への愛が伝わるので星一つプラス。
雑草の面白い話は勿論ながら、雑草の生き様を通して著者が何を想い、何を楽しんでるのかがよく伝わってくる良書だと想いました。 中高生くらいから大人まで、幅広く楽しめる、雑草学&人生哲学書。
「雑草魂」は力強さのことではなく、多様性のことだった! 「雑草魂」という言葉があるように、雑草には力強いイメージがありますが、そんな雑草も実は巧みな戦略をもってサバイブしていることに、この本を読んで驚きました。 商品として売り出される野菜や花などの作物は、人間があつらえてくれた良質な土壌に植えら...続きを読むれ、人間の手で守られ、収穫時期や性質は一定に管理されています(今をときめく言葉「多様性」とは真逆!)。しかし雑草は当たり前ですが人に世話してもらえません。むしろ引っこ抜かれたり刈られたり、除草剤をまかれて邪魔者扱いです。しかしそんな雑草のことを嫌っている人間のそばでないと、雑草は生きられない。人間と雑草は不思議な関係なのです。 雑草はコンクリートのひび割れだの、ビルとビルの間など、人間に近いところでよく見かけるのですがそれには理由があります。人間にとって雑草と認定されている植物は、山林など豊かな自然の中では繁栄ができません。人間の目に癒しを与えてくれる緑は、その実、生存競争のるつぼであり、その過酷さは私の想像を遥かに超えていました。隣りの草花より少しでも多くの日光を浴びて、少しでも多くの養分を土から得なければならない。土の上でも土の中でも銃弾が飛び交っている戦場のなかでは、雑草は他の植物に負けてしまうのです。力強いイメージの雑草は、意外にもかよわいものだったのです。 人間のそばに生きる道を見つけた雑草は、他の強い植物たちから逃れ、安住しているように思えますが、そこは人間の暮らす場所。人間の都合でいとも簡単に荒らされます。道端に咲いていても道路工事で掘り起こされ、畑に芽吹いても耕され、、、。しかし雑草たちは長い人間との共存の末に多様性を身につけます。同じ品種でも芽が出る時期をずらしたり、虫や風などによる受粉が叶わない場合は、最悪自分の雄しべと雌しべで自家受粉して種を残すなど、人間社会の変化に対応してどんな過酷な状況でも粘り強く花を咲かせ、種を残そうとします。「雑草は抜いても抜いても生えてくる」と言われますが、それは力強い一点突破の生命力ではなくその逆、変幻自在の多様性のたまものだと本書を読んで分かりました。 しかし、この本を読んでいると人間はこんなに雑草のことを嫌って対策を練っているはずなのに、それがまるで雑草の進化を手助けしているかのように思えてきます。人間と自然の関係性は一筋縄ではいかないものだとしみじみ思います。 何も考えずただ生えているだけに見える雑草。しかしその実は戦略に満ちた生を送っていることが本書で分かりました。ひるがえって、人間も生きてるだけで戦略的で、生に対して充分アクティブなのかもしれないと思います。今を生きている全ての人々は、たとえ社会の役に立っている実感がなくても、誰かのために生きられなくても、人生がステップアップできていると思えなくても、輝いていなくても構わない。「なんにもせずただ生きてるだけ」という人がいるとしても、それは「なにもしない」ことが自分にとって有利だという無意識な戦略をとっているとも言えます。個体は生きてるだけ、自分を生かしているだけで生物としての生を全うしていると思います。人間という「種」の単位でなく、いち人間、いち個人という立場で語るなら「こう生きたい」という希望はもちろんありますけど、いち生物としては生きてるだけでアクティブだと思います。そう思えたら色々とラクになれそうじゃないですか。
植物はいろんな学びがあることを気づかせてくれた本。 稲垣さんのいう雑草魂はとても印象的でした。 踏まれても踏まれても○○ 自分は、自分のいる組織は、○○がどうなるんだろう?と考えると楽しく、ちょっと考えてこんでしまいました。
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雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略
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