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『論語』の研究は近年大きな転換期を迎えた。竹簡資料が大量に古墓から発見され、成立や伝播について新たな解明が進んでいる。本書では、『論語』の記述をわかりやすく解説するとともに、新知見や成立背景にも踏み込み、さらに深い理解をめざす。読み過ごされてきた孔子の言葉についても積極的に考察を行った。『論語』が後世に伝えようとしたことは一体何なのか。通り一遍ではない、新たな古典の読みを提起する。
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Posted by ブクログ
著者の感じた「異音」を主張するために、膨大な紙面を割いている。全277ページのうち、238ページからが著者の主張であるが、そこまでの『論語』に関する内容は、整然と整理され、まとめられているので分かりやすい。
『論語』はただ単に金言を並べた書ではなく、孔子にまつわる生々しいノンフィクションであった! という本。
「子曰く、甚だしきかな吾が衰えたるや。久しきかな吾復夢に周公を見ず。」 何気ない言葉のように感じるが、この解釈に関する諸説を通じて浮かび上がる孔子像は非常に読みごたえがあった。
「子曰く、甚だしきかな吾が衰えたるや。久しきかな吾復夢に周公を見ず。」 『論語』述而篇にあるこの言葉を、『論語』の中での異音として、今までの『論語』の読み方、あるいは孔子像とは別の視点を提供する書。 個人的には、時代考証や文献考証の率を下げて、上記主題をもっと全面的に出してもよかったのではないか...続きを読むと思う。 帯に「『論語』入門の決定版」と書かれていたが、入門書と言うよりは、専門書・学術書に近い。
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