記憶/物語

記憶/物語

1,100円 (税込)

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或る出来事-しかも、暴力的な-体験を言葉で語ることは果たして可能だろうか。もし不可能なら、その者の死とともにその出来事は、起こらなかったものとして歴史の闇に葬られてしまうだろう。出来事の記憶が、人間の死を越えて生き延びるために、それは語られねばならない。だが、誰が、どのように語り得るのだろうか。

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記憶/物語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2012年11月01日

    ホロコースト、戦争、震災・・・<出来事>の他者と共有化は、様々なメディア(小説、映画、ルポ)を通じて常に「リアリティ」が重視された物語として「表象」されようとする。しかし、その「リアリティ」や「リアリズム」への傾斜によって表象される<出来事>の物語が、作り手の目論見通り「リアリティのある物語」として...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年01月22日

    物語を論じた本、ということで手にとってみた。深く考えさせられた。

    虐殺・戦争・災害などの〈出来事〉をどのように伝えられるのか。物語の限界。

    ストンと腑に落ちる物語というのは、あるいは疑ってかかった方がいいのかもしれない。
    「物語」に描写されていないものを読みとらないといけないのだ。

    バルザック...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年11月17日

    おもしろい!

    暴力的な記憶<出来事>をいかに他者と分有すればいいのか。
    また、そんなことは可能なのか。
    それを映画、小説、新聞、インタビューなど
    様々な分野の視点から考えて組み立てていく。

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    Posted by ブクログ 2012年12月23日

    具体例の概説に飽き飽きとするが、
    内容は総じておもしろく、
    記憶や出来事、物語をめぐる人間の精神構造を、的確に示唆しているように思う。

    ●以下引用

    人がなにごとかを「思い出す」と言うとき、「人」が思い出すのではない、記憶の方が人に到来するのだ。

    記憶が、-あるいは記憶に媒介された出来事がー「私...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年01月06日

    再読。
    記憶が自己に統御不可能なものとして到来するということ、比較しようのない「暴力」を「出来事」として思考するということに開眼させてくれた本でもある。
    再読して特に心に残ったのは、クライストの「チリの地震」に言及している部分である。
    地震という「出来事」の暴力に抗するために、人間自らが暴力の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年02月22日

     初めて読んだのは高校生のとき。「虚構のリアリズム」を授業で。全文を読んだのは大学に入学してから。
     新書はもっと読みづらいイメージがあったのですが(普段ほとんど読まないので…)とても読みやすかったです。文章に熱があって、岡真理さんの主張がストレートに伝わってきます。

      映画や小説に関してこうい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月07日

    岡 真理はアラブ文学研究者だが,ポストコロニアル・フェミニズムという,現代思想の流行のテーマを扱っているため,『現代思想』などにも寄稿していて,いくつか文章を読んだことはあったが,著作を読むのは初めて。
    彼女の文章は少し不思議なところがある。もちろん,テーマ的にも難解な箇所があるのに,さらっと読める...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    記憶と物語論に関する文献は、もはや多少飽和状態にある気がしなくもない。が、その中でも分かりやすさだけを取り出したらこの本の右に出る物はないだろう。ただし、筆者が多用してくる中東文学の話はぶっちゃけ分かりにくいので、あまり深く考えず、筆者の主張だけを抜き取ってみることをお勧めしたい

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    人が嫌がおうにも社会、政治の中で生きているということを感じなくてはいけないと分からせてくれる。湿度がよい。

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    Posted by ブクログ 2018年06月01日

    パレスチナ人難民の虐殺事件や第二次世界大戦中におけるホロコースト、あるいはいわゆる従軍慰安婦に関する問題などを手がかりに、記憶の表象可能性の限界を指摘するとともに、そうした限界を超えて語ることへの希望を示そうとする試みです。

    ガヤトリ・スピヴァクの『サバルタンは語ることができるか』以来の問題設定を...続きを読む

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