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Posted by ブクログ 2012年11月01日
ホロコースト、戦争、震災・・・<出来事>の他者と共有化は、様々なメディア(小説、映画、ルポ)を通じて常に「リアリティ」が重視された物語として「表象」されようとする。しかし、その「リアリティ」や「リアリズム」への傾斜によって表象される<出来事>の物語が、作り手の目論見通り「リアリティのある物語」として...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月22日
物語を論じた本、ということで手にとってみた。深く考えさせられた。
虐殺・戦争・災害などの〈出来事〉をどのように伝えられるのか。物語の限界。
ストンと腑に落ちる物語というのは、あるいは疑ってかかった方がいいのかもしれない。
「物語」に描写されていないものを読みとらないといけないのだ。
バルザック...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月23日
具体例の概説に飽き飽きとするが、
内容は総じておもしろく、
記憶や出来事、物語をめぐる人間の精神構造を、的確に示唆しているように思う。
●以下引用
人がなにごとかを「思い出す」と言うとき、「人」が思い出すのではない、記憶の方が人に到来するのだ。
記憶が、-あるいは記憶に媒介された出来事がー「私...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年01月06日
再読。
記憶が自己に統御不可能なものとして到来するということ、比較しようのない「暴力」を「出来事」として思考するということに開眼させてくれた本でもある。
再読して特に心に残ったのは、クライストの「チリの地震」に言及している部分である。
地震という「出来事」の暴力に抗するために、人間自らが暴力の...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年02月22日
初めて読んだのは高校生のとき。「虚構のリアリズム」を授業で。全文を読んだのは大学に入学してから。
新書はもっと読みづらいイメージがあったのですが(普段ほとんど読まないので…)とても読みやすかったです。文章に熱があって、岡真理さんの主張がストレートに伝わってきます。
映画や小説に関してこうい...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月07日
岡 真理はアラブ文学研究者だが,ポストコロニアル・フェミニズムという,現代思想の流行のテーマを扱っているため,『現代思想』などにも寄稿していて,いくつか文章を読んだことはあったが,著作を読むのは初めて。
彼女の文章は少し不思議なところがある。もちろん,テーマ的にも難解な箇所があるのに,さらっと読める...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年06月01日
パレスチナ人難民の虐殺事件や第二次世界大戦中におけるホロコースト、あるいはいわゆる従軍慰安婦に関する問題などを手がかりに、記憶の表象可能性の限界を指摘するとともに、そうした限界を超えて語ることへの希望を示そうとする試みです。
ガヤトリ・スピヴァクの『サバルタンは語ることができるか』以来の問題設定を...続きを読む
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