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附属池田小事件、新宿・渋谷セレブ妻夫バラバラ殺人事件、池袋通り魔殺人事件、連続射殺魔・永山則夫事件、帝銀事件――ベストセラー『発達障害』の著者が、昭和・平成の凶悪犯罪の精神鑑定をもとに明らかにする精神医学の限界と忖度。
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Posted by ブクログ
精神医学は未だ未熟、という所から入るこの本から見えるのは精神鑑定の危うさ。これが判決に大きな影響を与えると思うと複雑な物があります。 新書という事もあり、各事件の掘り下げ方は割とあっさりしています。個人的には少し食い足りなさが残る一冊でした。
精神鑑定はすべて本人の訴えであり客観的な評価がそもそもできない。また、医師が何か精神状態に異変があったに違いないという態度で面接に臨むと一定の割合で、患者側もこれに応えようと医師が望むような症状に話してしまうという。ときには精神科医の誘導により偽の記憶が無自覚に捏造されることさえある。残念ながら精神...続きを読む科医がこれに気付くことはほとんどない。あまつさえ検察側が提供する資料は検察に都合の良いものばかり。被告に有利な資料は秘匿されてしまう。結果として検察側のシナリオどおりの鑑定となってしまう。鑑定書は矯めつ眇めつあらゆる角度から眺めなければならないということ。精神鑑定には自ずと限界があり、そういうことを十分ふまえたうえでの対応が求められている。
これまで大きな議論となった池田小事件、新宿バラバラ殺人事件、池袋通り魔事件、永山則夫、帝銀事件が扱われている。 改めてこれらの事件を概観してみると、永山則夫のように情状で論じる必要はあるものの、責任能力には問題がないと思われるケースでも鑑定人の気持ちの持ちようでは(裁判では採用されなかったが)心神...続きを読む耗弱という鑑定結果になったり、池袋の事件のように明らかに責任能力の問題があっても世論におもねって(?)問題なし、という結論になっていたり、時代の空気のようなものも感じられる。 帝銀事件も容疑者の死亡についてニュースで見たぐらいの知識しかなかったが、内村ー秋元の対立とか、被疑者が犯行自体を認めていない場合の鑑定人のあり方など、はっとさせられるようなことも多かった。
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精神鑑定はなぜ間違えるのか?~再考 昭和・平成の凶悪犯罪~
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