薔薇密室

薔薇密室

1,210円 (税込)

6pt

第一次大戦下のドイツ・ポーランド国境近く。脱走兵コンラートは古い僧院に身を寄せる。そこでは所有者のホフマン博士が、人間と薔薇を融合させる常軌を逸した実験を行なっていた。コンラートはある思惑のもと、博士に協力を申し出る……。そして十数年後、ナチス・ドイツの弾圧から逃れたポーランド人の少女ミルカが見た、僧院の恐るべき真実とは? 戦争と美への欲求という人間の深い業を流麗な筆致で描く歴史ミステリ。

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薔薇密室 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年12月09日

    何処までが現実で、何処までが幻覚、或いは妄想なのか…。
    色々な物の境界線が曖昧で、知りたくてどんどん引き込まれていきます。
    最初は倒錯的な嗜好の男性が語り手となっている所為か、
    一寸読みにくかったですが、視点が切り替わる事で、
    ぐっと作品に惹かれます。
    耽美、退廃、背徳、戦争…沢山の要素がぎっしり詰...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年02月22日

    作中作と作中現実(?)が入り混じる物語。読み解こうと進めば進む程、こんがらがってくる。薔薇と人間の融合、等というモチーフを扱いながらもSFに走ること無くミステリーとして仕上がっていて、本当に素晴らしい小説だと思う。作中の言い回しを借りると、どんなに不幸な人間をも陶酔させる力を持った物語です。
    第一次...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年12月14日

    幻かそれとも現実か
    美しさと醜さが入れ混じり
    官能的な物語に浸れる一冊
    個人的に好きでしたが好き嫌い分かれると思います

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    Posted by ブクログ 2012年04月13日

    久しぶりに続きが気になって一気に読んでしまった。
    カテゴリー分けがこんなにも難しい作品は珍しい。
    ミステリーとして読むと正直言って結末は物足りないと思う。

    でも面白かった。
    美しくて哀しい。


    ミルカとユーリクの章が個人的にツボにはまってしまった。
    思わず久しぶりにきゅんとした。

    またじっくり...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年12月02日

    死の泉という作品を読んだあとに、こちらの作品にあたりました。
    第二次世界大戦前後のドイツ、マッドサイエンティスト、政治や社会から隔絶された不気味な空間、登場人物たちそれぞれの運命の糸が絡み合うドラマチックな展開、などなど、死の泉と共通点がいくつもあるものの、ここでは全く異なる世界が繰り広げられ、新た...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年03月09日

    とても面白かったです。仄暗い世界観にひきこまれ、くらくらしながら読みました。どこまでが幻覚なのか、正気の在り処を見つけられませんでした。戦時下の描写は胸に痛く、皆川さんにしか描けないだろうなと思ってしまいます。薔薇と若者や少年の融合も狂気的でしたが、綺麗だろうな。幻想的な物語でした。

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    Posted by ブクログ 2016年06月13日

    美しいバラの花と腐乱した死臭、
    生きた精液がかおるような妖しい序盤の物語から一転、
    謎の語り手の物語に。
    そして、語り手は少女に移り。
    物語は視点を変えながら、事実か創作か幻覚か夢想か
    あやふやになる記憶と現実が、ミステリーの騙しの
    ためではなく、この物語の世界として溶け合い
    一気にラストまで読み手...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年11月29日

    とても良い香りで、味も抜群の料理を食べていると、不意に奥歯で砂利を噛んでしまった。

    温かくて手触りの良いストールを巻くと、ちょうど首の後ろの部分にに何かの棘がついていた。

    靴に入り込んだ小石。

    わずかに漂ってくる悪臭。

    そんな決定的に不愉快だとは云えないまでも、落ち着かない気分になる物語。

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    Posted by ブクログ 2012年10月14日

    なんて美しく、退廃的で、歪んだ世界!
    「死の泉」同様、どっぷりと皆川ワールドに浸ってしまいました。

    美青年を薔薇と結合させ、永遠の美しさを保つ。
    「死の泉」で、少年の美声に異常なまでに執着した医師を思い出します。

    夢と妄想と現実。読んでいるうちにその境目が曖昧になる。
    何冊か読んできましたが、皆...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年06月10日

     第1次世界大戦から第2次世界大戦にかけてドイツ・ポーランドの国境近くの修道院で行われた秘密の実験。
     
     脱走兵に、ポーランドの少女、修道院の作男、と、語り手は変動していく。でもって、どれも<信用のならない語り手>なのだ。
     なので、翻弄され困惑し、気がつくとがっつり世界に取り込まれている。

     ...続きを読む

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