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彼以前は西洋料理だった。彼がほんもののフランス料理をもたらした。
昭和35年、辻調理師学校の若き副校長・辻静雄はフランス料理の事典『ラルース・ガストロノミック』に出会い、フランス料理に魅了され、それがどういうものなのかどうしても実際に知りたいと熱望するようになった。
当時日本では材料や技術の問題から本格的なフランス料理を出す店はなく、ついに辻静雄は9週間のフランス旅行に出る。実に100軒のレストランに足を運び、その舌にほんもののフランス料理の味を記憶させ、帰国後はその味、その技術を辻調理師学校の教員、生徒たちに情熱をもって教えてゆく。
その料理への飽くなき探究心と情熱は、日本人のみならず、ミシュランの星をもつ名店の主人やシェフたちをも動かし、日本のフランス料理を格段に飛躍させた。
ポール・ボキューズをもって「シズオはフランス人よりフランス料理のことをよく知っている」と言わしめた、辻調理師専門学校の経営者、世界的な料理研究家であった辻静雄の伝記小説。
Posted by ブクログ 2023年02月19日
この本にもっと早く出会っていたかった!と思いつつ、出会えたことに感謝。初めは1990年代の話し言葉感じなど、少々の読みにくさを感じたけど、70ページを超えたあたりから、ページをめくるのが楽しくなった。
もともとは新聞記者だったが、あることをきっかけに本物のフランス料理を生徒に教えることで日本のフラ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月20日
59歳の若さで亡くなつた海老沢泰久氏。今年は生誕70年といふことです。この人の文章はいいんですよ。
何を選んでも良いが、広岡達朗や堀内恒夫などは既に取り上げてゐるので、これまた傑作の誉れ高い『美味礼讃』の登場であります。
『美味礼讃』といへば、ブリア・サヴァランの書物を思ひ浮かべますが、本書は「辻...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年05月12日
一気に読んだ。
食べたことのない高級フレンチが食欲をそそる具体的な表現で描かれている。
実話をベースにしている部分が多いと思われる辻氏と山岡氏のパイオニア精神、実現力が面白い。
辻氏と敵対関係にある人、裏切り者がとことん悪いやつとして書かれていて、辻氏の美談が多いところは海老沢氏の忖度かと少しモヤ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月24日
美味礼賛はこのところ読んだ中で図抜けて面白い小説。というか、小説仕立てのノンフィクションのような作品。日本にフランス料理店(しかも美味しい店)がこれだけたくさんある理由が書いてある本です。なぜフランス料理が多いのか?と疑問に思っている人は面白く読めると思うし、単に料理好きな人が読んでも楽しめると思う...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月04日
この夏読んだ食べ物関係の書籍の中で一番読後感がいい。というのも、実際の人物を描いた小説だからだろうか。辻調理師専門学校は今では有名だが、その立ち上げから苦労してきた辻静雄氏の努力には頭が下がる。そして、ガストロノミーにはカネとカラダが必要だということも思い知らされる。フランス料理中心だが、日本料理・...続きを読む
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