ぼくのともだち

ぼくのともだち

「孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい。本当のともだちが!」
パリ郊外モンルージュ。主人公のヴィクトールは、まるで冴えない孤独で惨めな貧乏青年。誰もが勤めに出ているはずの時間、彼だけはまだアパートの部屋に居残っている。朝寝坊をして、なにもない貧相な部屋でゆっくりと身繕いをし、陽が高くなってから用もないのに街へと出て行く。誰かともだちになれる人を探し求めて……。
職ナシ、家族ナシ、恋人ナシ。「狂騒の時代」とも呼ばれた1920年代のにぎやかなパリの真ん中で、まったく孤立し無為に過ごす青年のとびきり切なくとびきり笑える〈ともだち探し〉は、90年もの時を経て現代日本の読者に驚くほどストレートに響く。かのベケットが「心に沁み入る細部」と讃えたボーヴの筆による、ダメ男小説の金字塔。 [解説]豊崎由美

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ぼくのともだち のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    一つ一つの行動がオチがあって面白い。友達が欲しい淋しさや人への妬みが、それが100%ではなく70%くらいの感じ。あとは自由気ままなポジティブさ!人間関係で失敗した時に読みたい小説。

    0
    2018年09月17日

    Posted by ブクログ

     愛されたい、特別でありたい、認められたい、感謝されたいという誰しもが多かれ少なかれ持っている欲を固めて具現化したような主人公が空回りし続けて誰にとっての何者にもなれない様子が、ユーモラスに描かれているからこそ余計に辛く哀しかった。最初はいけ好かないと思っていた主人公の事が次第に放っておけなくなって

    0
    2015年12月20日

    Posted by ブクログ

    全て奪い去られてしまったって気分になったことはあるかい?自信も尊厳も全て朽ち果てて、冗談どころか本音すら嘲笑われる状況には?無いのなら残念なことに、この本の魅力を伝えることは叶わないのかもしれない。傷痍軍人手当で食い繋ぎ、「ともだちがほしい」と言いながら本当に望んでいるのは自分よりクズで不幸な人間。

    0
    2013年09月02日

    Posted by ブクログ

    自意識過剰で卑小で自分勝手な主人公。でも自分自身も持っている一面だと思うから嗤えない。多分一生友達を求めながら出来ないであろう。

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    2018年01月20日

    Posted by ブクログ

    貧しく孤独な主人公は愛してくれるものを求めて街をうろうろ。

    自業自得だけどとっても切なく感じるのは不思議なユーモアとどこか共感しているから。

    「人間失格」や「地下室の手記」もそうだけどこの本もきっと“自分のことのようだ”と思う人がたくさんいるかもしれない。

    きっと孤独は自我を大きく膨らませるの

    0
    2015年04月14日

    Posted by ブクログ

    孤独なフランス人青年の残念な毎日。

    1920年代のフランスといえば、ウディ・アレン映画「ミッドナイト・イン・パリ」で描かれた憧れの世界である。

    舞台はおおむねブルーワーカーたちが行き交う通りやレストランが多いが、当時を生きた作家によっててらいなく描きとられた街並みは、それでもやっぱり美しい。

    0
    2014年09月13日

    Posted by ブクログ

    あらすじ:
    戦争での負傷、戦後フランスで恩給を収入源に働かずに生きることを選んでいる主人公。
    その生活は、贅沢をすることなく慎ましいもの。
    そんな彼がただ一つ求めるものは「ともだち」。
    それも唯一無二の親友と呼べるような人。
    朝から日が沈むまで、思い耽りながら歩き、探し続ける「ともだち」を。

    **

    0
    2023年11月30日

    Posted by ブクログ

    「ぼく」は戦争で傷を負い、職もなく、年金で暮らしている。家族も彼女も、友達も、いない。孤独が僕を押し潰すというぼくは、毎日本当の友達を探してアクティブに街を散歩する。

    けれど、彼は何とも残念な人で、自意識過剰でプライドも高く、女好き…。すぐ通りがかりの女の人を好きになったり、逆にこの女の人はぼくの

    0
    2021年12月19日

    Posted by ブクログ

    ……思い当たる。
    ひきこもりニート経験のある者は共感するだろう。

    空虚を詩的なことばで埋めるかんじ。
    実際やってることはしょーもないのだが。
    タイトルは傑作。

    0
    2018年12月23日

    Posted by ブクログ

    自意識過剰で自分勝手で妄想癖もあり、すぐにストーカーになりそうな男の話。
    最後は根性をみせるのかと思って読み進めたが、最後までダメだった。ダメ男の金字塔。

    0
    2018年09月04日

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