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昔、天に昇ろうとした男の伝説がある九州・星里の街。昭和51年の昇天祭りの日、祭りの櫓に3人の男女の死体が吊るされた。犯人とされた門脇春男は、17年の収監ののち、死刑を執行される。ところが奇跡が起こり、彼は生き延び、釈放された。そして昇天祭りの夜、彼自身が伝説のとおりに天に昇ったが……。蛍狩りなどを詩情豊かに描き、死刑問題をからめた異色作。
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Posted by ブクログ
旅先で読むことになり、読みやすい薄さにも関わらず時間をかなり費やしてしまった。 梗概にも書かれてあったが本作は島田作品の中でも異色の物で、作者本人でさえあとがきで全く予想外に生まれた副産物であると述べている。内容的にはミステリではなく云うなれば幻想小説のテイストを含んだ中間小説とでもなるだろうか、不...続きを読む思議な読後感の残る作品である。 そして私はこのような作品に弱い。 島田ミステリに通底する弱者への真心とロマンシズム、これが一貫して物語のBGMとして流れ、進んでいく。最後には珍しく悲劇的な結末で無機質に締められ、読者の心には冤罪に対してのほろ苦さが色濃く残る。 最後に門脇春男は救われたのか、それは判らないが不幸な者がここにいるということを強く教えられた。
冤罪での死刑執行から奇跡的に生き延びた男。 九州の元炭鉱での情緒あふれる風景と、 そこで出会った少女との交流を回想する。 オチが突拍子も無いです。 びっくりする。 社会派小説なんだろう、これは。
なんというか、後味が微妙なお話です…。現行の死刑制度について問題を提起するお話でミステリではありません。でもこのオチは悲しすぎる気も。
やっぱり夢中になって一気読みになってしまう、島田荘司。 でも、内容というか、この話はちょっと苦手です。
祭りの櫓に三人の男女を吊るした死刑囚門脇春男。死刑執行後奇跡的に生き残り釈放。風景は美しいのに内容が悲しい。彼がかばった愛する女性は。
ラストの凄いあっけなさが多分一番重要なのだと思う。「秋好事件」に関わってきた島田荘司だから書けたのかもしれない物語。ミステリのような面白さは無いが、死(死刑)が何を奪うのかを訴えているように、個人的には思う。
推理・ミステリと云うよりも、幻想的で、寂しく物哀しい小説。けれども、島田氏の、『死刑』と云うものに対してのメッセージがキチンと組み込まれています。星や蛍と云った儚げで小さな光が、このお話の世界観を美しくしています。沢山集まることにより、心に降り注ぐ様な大きな光になります。 因みに、私個人の考えは、『...続きを読む死刑制度』には反対ではありません。
私は偶々一気に読んだのだが、後々思い返してみると、一気に読んだからこそ面白かったのだろう。 作品全体を通して漂う儚さ・寂しさ・やるせなさ。 そんなに厚い本ではないが、もう少し薄くても良かったかな。
読み始めてすぐに違和感を感じた。 その違和感を書くと重大なネタバレになってしまうので控えるが、その奥歯にものが挟まったような状態のままずっと読み進めていくと、紐がほどける結末が待っていた。 島田荘司さんと聞いて、つい推理小説を思い浮かべていたけれど、ミステリー的な要素はほぼない。 こう...続きを読むいう小説はちょっと読んだことがなくて、新鮮だった。
冤罪を扱った作品です。 読み出したら止まらなくて、一日で読んでしまいました。 島田荘司の冤罪についてのメッセージがとても良く伝わってきました。
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