花闇

花闇

979円 (税込)

4pt

絶世の美貌と才気を兼ね備え、頽廃美で人気を博した稀代の女形、三代目澤村田之助。脱疽で四肢を失いながらも、近代化する劇界で江戸歌舞伎最後の花を咲かせた役者の芸と生涯を描く代表作、待望の復刊。

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花闇 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    四肢を失いながらも舞台に立ち続けたという、三代目澤村田之助。
    幕末から明治にかけて生きたその俳優の存在を、不勉強ながら初めて知った。
    実在の人物でありながら、その生き様があまりにドラマティック過ぎて、ともすれば描写が陳腐になりがちな題材だと思うが、皆川博子氏の筆さばきにそのような心配は無用で、本当に

    0
    2018年02月12日

    Posted by ブクログ

    幕末から明治にかけての歌舞伎界.三代目澤村田之助の壮絶な演じることへの妄執を三すじの目をとうして物語る.愛憎半ばする気持ちを芳年に訴えるところが哀れでもあり,そこまで拘れる人に出会えたことは幸せでもあるのだろう.美しさとは何かという事をとことん突き詰めた芸,この何かに魅入られた世界,怖いようである.

    0
    2017年04月05日

    Posted by ブクログ

    澤村田之助、という名を、寡聞にしてこの作品ではじめて知った。歌舞伎も、日本文化のひとつとしての興味こそあれ、見に行ったことさえまだない。当然、世界として体験することもはじめてで、慣れない雰囲気にしばらくは戸惑った。
    しかし、物語を通して垣間見せてもらった世界には、見るものを引き摺り込む凄みがあり、ま

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    2017年03月12日

    Posted by ブクログ

    絢爛と酸鼻。
    この両極端をここまで描出できる作家。見事としか言いようがない。
    豪華な錦糸を縦横に編み込んだような文章からは、腐臭すら漂う。

    実在した歌舞伎役者澤村田之助の存在感の、なんと艶やかで無残なこと。
    傲慢で鼻持ちならない言動ながら、まさに「役者」の業を煮出して全身に染め抜いた、天賦の才。

    0
    2017年01月20日

    Posted by ブクログ

    美貌、才能に溢れ天真爛漫、高慢で妖しげな
    天才女形が不幸な病により腐敗し堕ちていく様と
    華やかで耽美な一面と裏腹に蔑まれていた歌舞伎役者が
    時代の流れとともに芸術に高めていくハザマ
    現実と虚構、その虚構を現実に寄せていくハザマが
    冷めた目を持ち、愛と裏に隠れる憎しみとを抱いた
    三すじの眼から、淡々と

    0
    2017年01月11日

    Posted by ブクログ

    以前、恋紅を読んだ時に出てきた澤村田之助。「次はあれをやろうこれをやろう」と舞台について話す様子を読みながら、芝居馬鹿はいつの時代も変わらない馬鹿なのだなと思ったりした。全盛期の田之助は傲慢で、子供で、さっぱり惹かれないけれど、心まで腐らせてしまった、最期の田之助は何とも魅力的だと感じた。

    0
    2019年03月05日

    Posted by ブクログ

    実在の人物、歌舞伎役者の澤村田之助を描いた作品。美貌の天才女形が壊疽により四肢を切断し尚、舞台に立ち続け、狂死する、という実話がベース。
    四肢を切断しても田之助の歌舞伎にかける情熱がいささかも衰えず、あらん限りの知恵と工夫を重ねて舞台に立ち続ける様子に驚愕した。これだけの才能がありながら、さぞ無念だ

    0
    2017年10月10日

    Posted by ブクログ

    歌舞伎というあんまり馴染みのないモチーフのせいか、ちょっと硬めの文章のせいかなかなか入ってこず……。
    読み終えるのに時間ばっかりかかってあんまり内容理解できんかったな。
    全体的に淡々としてるからか。うーむ。

    四肢を失ってもなお舞台に立つことをやめない田之助の執念が怖くもあり、変容していく芸の形が美

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    2017年06月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    3,4年前に隙間時間に読もうと思って買っていたけど挫折してた本。
    最近ドラマの仁を見直してて、澤村田之助…?どっかで聞いたぞ…?花闇じゃん!?となり、即再チャレンジすることに。
    いやー面白かった〜!
    挫折してたのが意味わからないくらい面白かった〜!
    本当私隙間時間に読むの向いてない。
    没入しちゃうか

    0
    2020年07月05日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初読。読んだことのない作家さんの読んだことない本を買うこと自体が稀なのだが、澤村田之助を描いた本ということで買いたくなった。足を切る前まではまあまあありがちな役者のエゴというところだったが、足を切った後からは一気に凄みが増す。すさまじいまでの役者への執着が見苦しくなることなく、哀しいまでに美しい。華

    0
    2016年12月11日

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