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社員、株主、社会に支持されるリーダーになるには。 その全ての条件をまとめた必読書。 新規事業、人材育成、株主対話…… 長期成長の要諦を語り尽くす
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Posted by ブクログ
20170821宮内義彦 私の経営論-1 最高傑作! 何より世俗の流行り論に迎合しないのが良い 社外取締役に学者・公務員・士族は不適性 知識があっても経営がないから 「長期の成長」が唯一の経営課題 そのためには「イノベーション」 既存事業から面白い種を見つける 人材と資金手当をしつつ成長させる 上手...続きを読むくいかないものは断念トップの決断 その中から事業レベルになる 成長の過程で、シナジー・スキル獲得 「M&A」は難しくもう一つ 国内でも大変、海外は慎重に 「内向き」「管理」はトップの仕事でない この20年日本は間違えてきた バックミラー経営 リスクをとらない →「マネジメント強化」が大事(6) 総合力 運転 アート [Ⅰ経営者の言動が会社を決める] 1−1「知識集約型社会」への転換を 日本は工業化社会から脱却できていない 「画一制度」一括採用・育成・三角・定年 →時代に不適合 高度成長・年齢構成 3年で30%が退職という非効率制度 1−2「多様な人材」で「新しいこと」 ex太陽光発電ビジネスへ新規参入 必要な専門家の採用・育成 地熱発電へ拡大 専門家人材が集団となり組織スキル →専門人材・組織スキルが「競合優位性」 1−3「雇用形態も複線型」 画一型人事制度(レディメイド)からテーラーメイド人事制度 採用・育成・評価・処遇 1−4「中長期の業績拡大」がすべて 株主も選択 短期売買の株主とは不適合で可 2−1経営者の役割 長期を見据える 経営者が貧乏性になってはダメ(43) トップの評価は、将来への布石 「未来への投資」人材・資金・経営資源 社内をタコツボにしない 2−2日本経済は20年内向き経営 リストラ・経費削減が経営者 イノベーションの取組みなし 企業家精神の喪失 →常にファイテングポーズで闘う姿勢を 「金融の将来は厳しい」少なくとも今のような形の銀行はない(54) 店舗は不要 有効活用・不動産業 3−1「情報発信力」 すべて「実質本位」 経営姿勢と投資家の要求は「乖離」しがち [宮内CEO] オリックスは中長期経営で利益最大化図る 収益減益でも先行投資は継続 短期志向投資家は株を買って貰わなくて結構 →経営者は自身の「経営の軸」ブラさない ステークホルダーとのコミュニケーション大事 4−1CEO選び 後継者育成 結果は判らない その立場にならないと判らない トップの役割も組織規模に応じる ・任せきって何も判らない ・すべてを社長が判断 経営トップ選びは「アートの世界」(68) #指名委員会など形の問題ではない! ・中長期の業績が上がるCEOは誰か ・手続き通り整然と選ぶ 5−1企業の社会貢献 買い手がすべての善し悪しを決める 市場経済はお金で投票するメカニズム 一人一票の民主主義ではない ただし「格差拡大」への配慮が必要 「新しい価値」の開発と提供が企業の意義 その土地の経済に貢献 信頼関係を築く 相手と会う [Ⅱマネジメントの実践] 6−1知識集約型社会への適応 オープンで多様な組織←クローズ・画一 組織・リーダー・人材育成評価を変革 6−2たこつぼ組織は必ず滅びる(79) 視野狭搾 大局的な見方ができない 組織改革・多様な社員・人事交流 →経営者はたこつぼ化しないように目配り 6−3リーダーは人間性 「血と涙」(82)・・・チョット難しい表現 心を常に動かせること 状況を正しく判断できる賢さ →cool head,but warm heart 高向頭取 6−4評価制度 客観的評価 言葉・数字---管理職スキル ・こつこつ業務 工業化社会 ・革新業務 知識集約型社会 両方の見方が必要 7−1売上より付加価値☆☆☆ 知識集約型社会 財務の重要性 社長が把握 →戦略判断 ROE経営 部門に「想定資本金」を配賦 格付機関のノウハウ優れている 利益目標を出す →全社目標だけではダメ ROEも、GDPも 分割配賦 中長期で評価 一喜一憂しない ただし日々の検証 改善策は即実行 CFOの育成 財務戦略を立案できる 日本では社長の意向を実現 ベンチャー経営者がMBAを修得 8−1意味ある経営計画 外部環境の認識・見通しが8割 ニトリ社長のスタンス 環境変化は読みにくい 弾力的対応を オリックスでは長期経営計画はラフ計画 →新規事業 新しい企業価値の創出 挑戦の風土 R&D重視 8−2経営計画に先行投資2盛り込む 目標利益10なら必要利益12 資金 人材 時間 体制作り →これが本当の中期経営計画と思う 9−1新規事業は撤退戦略が重要 ゴーサインは容易 難しいのは「いつストップするか」 →失敗を許容する度量 でなければ大本営発表 嘘の上塗り 傷が拡大 致命傷に リスクを取って頑張る姿勢を堅持(101) 社内の誰もリスクを取らなくなる 9−2面白いこと データより先 現場が面白い、やろうと思うこと 現場からチャレンジが生まれてくる 小さく沢山生んで、早く見極める 「離陸」が一番難しい(103) →成功は大きく、失敗は小さく 9−3現状維持から新規事業挑戦へ 高い利益目標達成は既存事業だけでは無理 新規事業の重要性 将来の利益成長のネタ マンネリ・惰性の打破 新しい知識・専門家・組織スキル育成 9−4「経理社員」の重要性(110) 面白いことに商機あり 成功のポイントは情熱にあり 空港ビジネス 電力ビジネス 太陽光から地熱へ 介護ビジネス 収益化に長時間 数字をしっかり見られる社員の重要性 経理人材 経理システム 月次チェック厳格 →松下の経理社員 懐かしく思い出された 10−1CEO責任体制の明確化 事案の見方 突発事故 骨折を直せば強くなる 組織慢性病 体質の糖尿病 再建厳しい コーポレートガバナンス・経営執行体制 日本では往々に「形式論」 人材も居ない 10−2CEOの執行能力がすべて☆☆☆ 権力ではダメ 権威 全社を統率する・・・ここは難しい →独裁はいずれ間違うリスク高い(117) 神ではない 絶対権力は絶対腐敗する コーポレートガバナンス CEOの選択 権威と執行能力 会社が下降局面でのガバナンス発揮難しい 11−1株主価値より企業価値☆☆☆ 株主の区分 短期成果志向か長期投資か 長期保有の投資家はなかなか居ない 年金資金もFMは短期評価 企業の中長期成長と株主の在り方 個人株主の長期保有に働きかける exトヨタ自動車 元本保証型新種株5年 11−2新たな企業統治 長期ステークH 米国の短期経営 自社株買い・配当増で株価引上げ 時価総額を増やし、経営陣のボーナス増加 →自己資本を減らす リストラで企業体力弱める 「取締役会の方針」が重要 短期利益・株価上昇最優先 中長期の発展 →応益権と議決権で対処できる 12−1 M&A M&Aの高額化 多額の「のれん代」 負担長期に渡る cf米国会計は定時償却ではない 買収から経営がスタートする 国内でも難しい ましてや海外は CEOの判断 ポートフォリオの把握・コントロール [Ⅲ永続する企業の創り方] 13-1経営者の時代 知識集約型社会 ・工業化社会 社名・製品がブランド トヨタ、キャノン、シャープ ・知識集約型社会 経営者のビジョンや戦略 経営者のコミュニケーション力 日本の経営者は不得手 欧米の経営者は努力している ビジネスの話題だけではダメ 幅広い教養が大事 経営も「教養」に基づく「大きな見通し」が成否を分ける 14-1マクロを間違えると会社は倒産 トップはマクロ観が大事 1年後を見通すのも困難 exバブル後の不動産 買い時と追加購入→結局、倒産した 15-1技術とマーケティング ハイテク→商品では必ずしも違う ex「AIとビッグデータ」 自動車、金融、医療→「判断」をAIが担う「運転」「与信判断」「医療判断」 銀行の店舗は不要→大地主へ exビットコイン 中央銀行の役割 信用創造とクラウドファンディング 貨幣とは? 16-1日本は「業法」が基本の社会 イノベーションが生まれるか ビジネスは原則自由ではなく、原則規制 ex Uber Airbnb 「業法上できない」から出発する 規制・行政指導に縛られていると、「視野狭窄」が進む 行政で認められていないことはやらない・考えない 「業界ありき」 「業界横断イノベーションは思いも寄らない」 経営者は行政依存となる バブル期以降の銀行経営者 17-1先進国共通 収益性の低下=低金利 通貨拡大への安易な依存 レバレッジの大きな金融ビジネス拡大へ志向 ピケティの成長格差 ROEはレバレッジ拡大 企業家精神の衰え ケインズが財政政策の拡大で金利生活者の存在希薄化を予言したが 現実は逆に金融モンスターを生み出し、アンコントローラブルな社会を創造した
今日の書評レビューは「私の経営論」宮内義彦。宮内さんと言えば、大野の母校・関西学院大学を卒業後、アメリカでリース業を習得し、日本でそれをいち早く展開したことで有名な方。 そんな日本一のリース業・オリックスを50年余り率いてきたという、名実ともに日本で、もっとも優秀な経営者の一人なのだ。その宮内さん...続きを読むの経営哲学がギュギュっと詰まった本である。 では早速紹介します。 まず宮内さんは、経営者たるもの中長期的な視野で企業業績を上昇させるべきだと考えられている。そのためには日々常に変わる必要があるそうです。 またオリックスの株主に外国人株主比率が大変高いのはIR(=インベスターリレイションシップ・株主対話)を充実させたことに帰すると言います。 それでは以上のことを証左するため、具体論に入っていきます。 まず、宮内さんは知的集約型社会の組織を作れ!と説きます。なぜなら、現在の世界の需要は1980年代のような、工業型社会は終わっているからだと言います。 つまり、旧来の日本企業の得意だった、モノの大量生産+輸出という構造という式は成り立たないからだと述べておられます。そのため必要な人材は、因襲的な大企業志向の学生より、優秀で多様なバックグラウンドを持った人材が必要であると仰っています。 具体的には、オリックスでは4月1日に入社式は一応行うものの、宮内さんの挨拶はとっくの昔に止めてしまったそうです。なぜなら、中途採用が多いからだそうです。 そこで宮内さんの言う”優秀さ”はなんであるかと言うと、具体的には「専門性」だとのことだそうだ。実際オリックスでは、最近太陽光発電ビジネスに参入したが、そのような分野の知見が豊富な方々をたくさん雇い、従来の社員と混合させて、ポジティブな効果を得るそう。 さらにオリックスの本質について突っ込んだ議論がされています。すなわち、「会社は誰のものか?」を考える時、宮内さんが嗜好する企業の中長期的な成長を考慮すると、利害関係者のうち、従業員(即物的な考え方でなく)や地域の下請け先(下請けなどいくらでもあるといった考えではなく)を大事にすべきだと説いています。 そこで、宮内さんはどこまで先を見通して経営を行っているかというと、ズバリ「7、8年先」だそうです。具体的にはCEO的な立場のかたは3~5年先、長老的なポジションの方は10年先を見通すべきだと。宮内さんの場合、シニアチェアマンであるので、その間だそうだ。 そのためには経理部長的な社長であったらダメだそう。具体的には、「日本が伸びない。だから売り上げが上がらない。コストカットをしよう。じゃあリストラね」というのが最も悪い経営者だそう。 そうでなく、経営者たるものつねに「こうしよう、ああしよう」と新規事業にリーダーシップを発揮するべきだと断じています。(太陽光発電事業とか。あとオリックスは福祉事業も行っている) そのような経営者になるためには、経営者たるもの常に感性をとがらせている必要があると説きます。例えば歴史観や地政学的なリスク。さらには宇宙の構造等への好奇心が必要だと述べています。 オリックスのような金融業は極めて法律や制度によって、環境が変わってくるので、宮内さん曰く「人より三歩先でなく、半歩先を歩く」ぐらいがちょうどいいそうだ。 そのようなオリックスであるが、宮内さんは社内に向けては具体的に経営哲学はもっぱら語らなかったそう。それよりも自分のやっていることを見せるのが一番だと仰っている。 そのかわり社外の株主には、自らも言うように「日本一」対話してきたようだ。例えば、「収益が落ちても、これこれには投資を続けます」とか短期保有目的の株主には「株を買ってもらわなくて結構です」と言わんばかりの対話をしてきたとのことです。 次に後継者育成について語っている。これについては「ベストを尽くしても、結果はわからない」というのが宮内さんの認識らしい。 宮内さんは「常に後継者のことを頭の片隅に」入れておいたそうだ。また、不測の事態とバトンタッチとの間では差異をもうけ、海外出張の時など、秘書室長に「私に万が一のことがあればXさんに任せます」と書いた封筒を委ねたこともあったそうだ。 そこで宮内さんが提唱するのは「リーダーは人間性を磨こう」である。彼曰く、日本人が寝ている間、地球の裏側では現地の社員が働いているのだから、情熱が必要だ、と。つまり血と涙。社員と共感すること。一緒に泣き、笑うことだそうです。しかし、浪花節のバカ殿様では経営は勤まらないので、状況を正しく把握できる聡明さも必要とのことです。 以上、宮内さんの書籍の中をかいつまんで、抽出したが本ブログでは、ほんの数パーセントしか述べていません。これを見て興味を持たれた方はぜひ、宮内さんの書籍を読むことをお勧めします。
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