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年老いた犬を飼い主の代わりに看取る「老犬ホーム」に勤めることになった智美。ホームでの出来事を通じ、苦手だった人付き合いや疎遠な家族との関係を改めて考え直し始める――。 世知辛い世の中に光を灯す、心温まる成長物語。
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Posted by ブクログ
とても面白いお話でした。 人づきあいが苦手で超ネガティブな主人公の智美が、犬たちや老犬ホーム「ブランケット」の麻耶子と碧とのかかわりの中でだんだん頼もしくなっていく様子が、大げさでなくちょうどいい傾斜の坂道を上るような感じで描かれていてよかったです。碧の謎めいた行動や、ブランケットに出入りする便利屋...続きを読むの灰谷とブランケットの周りに出没する怪しい男など、サスペンス要素もちりばめられていて、先が気になってあっという間に読んでしまいました。 老犬ホームが舞台の物語だけに、身勝手な人間たちに怒り、犬たちとの哀しい別れに涙…という話かと思いきや、しっかり人間ドラマでした。人にはそれぞれ事情があり、なんでも白と黒で決めつけることはできないということを、若い智美が学んでいくストーリー展開が優しい。いつも素直な犬たちの姿も愛らしく、読みながら、そして読んだ後もブランケットの犬たち同様老境に入った愛犬をやたらと構いたくなってしまいました。
すごく面白かった。最初から最後までずっと夢中で読んでしまった!犬たちそれぞれの犬種、個性も細かく描かれていて想像しやすくて良かった。私情で犬が飼えなくなってしまった飼い主が、老犬ホームという選択肢を選ぶのもひとつの愛情でもあるのかな…。と納得させられた。ただララの元飼い主だけは許さん( ・᷄ὢ・᷅ ...続きを読む)
本だから、姿は見えてないのに 犬が可愛くてしかたありませんでした。 皆それぞれ何か抱えて生きている。 人間も動物も一緒。
可愛らしい表紙に惹かれて手に取りました。 老犬ホームのお話でしたが、最期まで面倒を見る事が出来ずホームに預ける人たちの理由は様々。腹の立つ飼い主もいれば、泣けてしまう飼い主もあり。 5月から初めて犬を飼い始めた私には犬の気持ちてこうなんだ…て色々勉強になったと同時に我が家に来た愛犬が更に愛しく思...続きを読むえて、これからも大切に育てていきたいと思いました。 この小説はそんな犬たちとそこで働く智美、碧、そしてオーナーの麻耶子の抱えている家族や恋人との問題も浮き彫りにしています。そして起こる事件はミステリーな要素も楽しめて近藤さんのこれまで読んだ小説の中でも好きな本の上位に入りそうです。 解説を読んだら近藤さんは愛犬家とのことで、他にも犬が重要な役割を果たす小説がいくつかあるようなのでそちらも読んでみたいと思います。
愛犬を老犬ホームに入れるのは、さまざまな事情を抱えた人たち。 一片だけを見れば人間の身勝手さに怒りを覚えるが、それはあくまで一側面でしかなく、世界はもっと複雑で、幸運な人の裏には必ずと言っていいほど不幸な人がいる。 でも犬たちは、将来どうなるかなんて考えずに「昨日も一緒に居てくれたから、明日も一緒...続きを読むにいたい」という一心で飼い主を思う。 寿命が違うから、考えるスケールが違うのも当たり前で、すれ違いを生むことはあるだろう。 それでも不器用にお互いを思い合う飼い主と犬たちの姿に涙を流さずにはいられませんでした。 人と人も同じ。1番思っている相手に、中々その思いはまっすぐ伝わらないんだなぁと思いました。 犬の様子を描くのが本当に上手で、犬好きなのかな、と思いました。犬の様子が書かれている部分は「犬かっっっわいいい」と思いながら読みました。 犬好きの友人にはお薦めできないですね。(笑)
期待以上の面白さ
登場する犬たちがみな愛くるしくて犬好きの方はもちろん、そうでない方も是非読んで欲しい作品です。 どきどきはらはらするシーンもあり心温まる期待以上の面白さでした。
タイトル「さいごの毛布」 ピッタリの内容です 思うこと いろいろ ペットを飼ってる人に読んでほしい 人生拗らせてる人に読んでほしい(私こそ 笑) ペットは息物(イキモノ)、家族です 言葉を喋ることは出来ないけど 人間と同じ。息をして生きている 出来たら 大切に最後まで面倒をみてほしいです そん...続きを読むな生命ある老犬と向き合いながら その一方で それぞれの人生、家族と向き合い それぞれが 成長していく 心温まる お話です。 途中自分の妄想が暴走して ドキドキ ハラハラ しました 笑
近藤さんの本が好きだから、未読をランダムにえらんだ 犬が苦手な私は、なんだ犬の話か、、と思って読み進めていったら犬以外の人間的要素もあって面白かった いろんな理由で犬が飼えなくなることがあるんだね ただただ面倒みるのを放棄する訳じゃ無いんだなぁ
不器用な主人公と個性豊かでそれぞれ愛おしい犬たち、そしてちょっと謎めいた人々の切なさを含んだあたたかいストーリー。犬好きさんにはたまらないお話です。
目に見える事実が全てじゃない。 老犬ホームを舞台にしたこの『さいごの毛布』という小説は、そのことを改めて気づかされた小説でした。 老犬ホームとは様々な事情から飼えなくなった高齢の犬を、飼い主に代わり世話をし最期を看取る施設。人付き合いが苦手な智美は友人の勧めもあって、そこで働くことになります。 ...続きを読む 施設運営の様子は現実的かつビター。自分で飼い犬を保健所に送るのはイヤだからと、施設の前に犬を置いていく飼い主や、子どもに犬の死ぬ姿を見せたくないと施設を利用する飼い主に智美は憤り、犬に同情や感傷を寄せます。 一方で施設のオーナーは料金をもらっている以上、従業員が飼い主に憤ることは許されないと、智美を叱り、ただで犬を置いていこうとする飼い主にも毅然と対応し、犬への同情を抑えようとします。 理想だけではどうにもならない、犬たちと老犬ホームの運営状況。暗い話ではありますが、脳天気に理想論だけで話を進めるのでなく、地に足をつけて身勝手な飼い主や、その犬の状況を描くのは、ある意味真摯に犬と向き合っているからだろうと思います。 近藤史恵さんって定期的に犬の出てくる小説を書かれてるイメージなのですが、たぶん思うところは色々あるのだろうなあ。 ホームの犬たちの描写は、どこか微笑ましくも感じられます。とにかく人懐っこい犬もいれば、元気すぎたり、臆病だったり、なかなか心を開いてくれなかったり、そうした犬たちの個性をかき分けているのがすごい。 読んでいて、老犬ホームや出てくる犬たちは単なる舞台装置やギミックでなく、登場人物たちと同じように、生きていて日々変化していく存在なんだ、と感じさせられるのです。 一方で飼い主たちにもそれぞれの事情があることも描かれていき、老犬ホームに預けること=愛がない、責任を取っていない、と言い切れないことにも、智美は気づいていきます。犬は最期まで飼い主といた方がいいと思いつつも、最期が近い犬を預かる老犬ホームで働くことで生活している、自分という矛盾。そして訪れる別れ。 こうした微妙な感情や倫理の揺れ、犬たちの悲哀や悲しい出来事も真っ直ぐに描かれていてとても丁寧。そして犬たちと飼い主たちのそれぞれの在り方が、智美をはじめとした従業員たちの物語に反映されていくのも、本当に良く出来てる。 家族と疎遠になり、住み込みで老犬ホームに勤めることに抵抗のない智美。同僚の碧の男性関係の描き方。そして施設のオーナーである摩耶子の過去。 それぞれに愛や絆で揺れる人間関係の葛藤があり、それが老犬ホームの犬たちの事情と呼応するのです。人であっても犬であっても、愛や絆に飢えて孤独を抱えるのは、一緒なんだなと感じます。そう思うと、犬を飼ったことのない自分も、出てくる犬たちが愛おしく見えてくるのです。 犬たちの描写が丁寧なのは先にも書きましたが、中でも智美が引き取ることになったララという小型犬が、智美に徐々に心を開いていく過程の描き方が本当に丁寧。 著者の近藤史恵さんが智美とララ、傷を抱えたそれぞれに優しい視線を注いでいるのが感じられます。そして智美とララの関係性が少しずつ変わっていくのが、暗い話の多い物語の中で、希望として自分を引っ張っていってくれたように思います。 施設の周りをうろつく不審な男、そうしたサスペンス要素も含みつつのラストへの展開は、緊張感があって良かった。そして全てが明らかになり、登場人物たちがそれぞれに新しい一歩を踏み出す様子は爽やか! 重たい内容をはらんではいますが、文章は読みやすくて読後感はどこか温かく、そして優しい。登場人物たちと犬たちのその後についても自然と考えてしまう、良作だったと思います。
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さいごの毛布(角川文庫)
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近藤史恵
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