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過去の反省から、戦後日本では朝鮮史を「大国に翻弄された被害者」と同情的に見るのが一般的だった。
だが日本中心の視点を捨てて、中朝関係史をくわしく見れば、韓民族が主体的に外国からの侵略軍を招き入れ、民族内部の主導権争いと国家統一にくり返し利用してきたことがわかる。
二千年近く中国に向けられてきた、悪癖ともいえる特異な行動原理が、近代では日清露に、そして戦後は米中ソに対して発揮されたことを、本書は冷静に解き明かしていく。
たとえば高麗王朝は、政権内の粛清と国内反乱の鎮圧のため、モンゴルの軍事介入を頼みにしたことで、日本遠征・再征の主役を、自らかって出るようになった。
あるいは朝鮮戦争では、金日成が自分のために戦争を開始しただけでなく、李承晩が無理やり引き延ばしたために、自民族の犠牲が極大化し、米中の若者に無駄な流血を強いることになった。
半島政治の指導者層こそ、歴史の加害者なのである。
現在の北朝鮮と韓国のふるまいも、「千年不変の被害者」の行動ではなく、民族内対立に外国を巻き込んで利用しようとする結果、
地域の軍事的緊張を高め、無用の戦争を起こす「東アジアのトラブルメーカー」の伝統に忠実な証だという。
著者独自の東アジア史を俯瞰する視点は、二国間の感情に引きずられがちな日本人の、朝鮮半島における「戦争と平和」への見方に、大きな修正を迫るものとなる。
渾身の書き下ろし!
Posted by ブクログ 2016年11月01日
元中国人で今や日本人~【外国の力を利用して、国内の政治闘争や武力闘争に勝とうとするのは、韓民族の不変の行動パターンである】7世紀・高句麗・百済・新羅の三国統一戦争では隋・唐・大和朝廷の侵略軍を半島に招き入れて巻き込み、13世紀・高麗が元寇の先棒を担ぎ、19世紀朝鮮王朝は壬午軍乱で清王朝の干渉を招いて...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年07月14日
面白かったっちゅうか、もう、高句麗新羅百済の頃からそうだったのかというか、その辺が大元かって、ムッチャ呆れる。
大体拗らせるのは他国との関係ではなく国内の力関係、つっか、私利私欲。その解決が自国でできないものだから、近隣の大国を頼る
つっか、自国内への侵略を誘導する。
それに感謝するわけでもなく、次...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月30日
密告誣告、謀殺、クーデター、外患誘致、逃亡が続く歴史。国内問題を解決するために外国勢力の国内への勧誘という視点で、古代統一新羅、元寇、大韓帝国による近代化、朝鮮戦争の拡大まで。
登場人物が宮廷と一部反発勢力しかない辺り、極端な中央集権と国内統治機構の不足もあるのだろうが、虚偽性と相手をうまく利用しよ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月11日
著者のいうように古代史から朝鮮戦争まで俯瞰してみると、内紛の解決に周辺国を巻き込んで騒乱を起こした上、その後は預り知らぬ顔をするのが半島民族のお家芸といわざるを得ない。
著者があとがきに書いた、半島とは一定の距離をおき、韓民族内部の紛争にできるだけ関与しないようにするのが最も賢明かつ半島と付き合う...続きを読む
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