大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争

大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争

898円 (税込)

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信用できない情報の代名詞とされる「大本営発表」。その由来は、日本軍の最高司令部「大本営」にある。その公式発表によれば、日本軍は、太平洋戦争で連合軍の戦艦を四十三隻、空母を八十四隻沈めた。だが実際は、戦艦四隻、空母十一隻にすぎなかった。誤魔化しは、数字だけに留まらない。守備隊の撤退は、「転進」と言い換えられ、全滅は、「玉砕」と美化された。戦局の悪化とともに軍官僚の作文と化した大本営発表は、組織間の不和と政治と報道の一体化にその破綻の原因があった。今なお続く日本の病理。悲劇の歴史を繙く。

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大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    デタラメの代名詞とも言われる「大本営発表」。
    近現代史研究者の辻田氏はこの大本営発表にスポットを当て、その始まり(1937年の日中戦争時)から、最後(第二次大戦終了時)までを追いかける。
    最初はデタラメとは言えず、そこそこ正確に戦況を伝えていた大本営発表が、一体いつ頃から綻び始めるのか。勿論、日本の

    0
    2020年09月09日

    Posted by ブクログ

    大本営発表の変遷とその背景を網羅的に辿る名著。太平洋戦争の変遷も同時に辿れる。史実と筆者の評価が絶妙なバランスで混ぜられており、学びと面白さが両立している。

    空母にして73隻もの戦果報告の改竄は呆れるばかりだが、一度ついた嘘の辻褄が合わなくなって嘘をつき続けることしかできなくなった陸海軍の悲哀たる

    0
    2020年08月22日

    Posted by ブクログ

    古い組織は、その組織や部署の存続がなににも勝る目的であって、蓄積された(ほかでは全く役に立たない)前例によく通じていて、大量の情報を処理して、組織が望む形に整理できる人が偉くなっていく。そうなると、大事な変化のサインに気づける人が駆逐され、知らぬ間に老朽化していく。その最たる例だな。うちも同じ気はあ

    0
    2020年06月04日

    購入済み

    人は歴史に学べない?

    ここ最近の報道をみていて、政治家の明らか
    な嘘などが、なぜ無批判にメディアで垂れ流
    されるのか疑問に思いつつ再読。

    結局気分は暗澹とするばかりだが、だからこそ
    一つ一つの事例を現代に照らし合わせて読めた。

    結局、人はたとえ「悪い見本(この場合は過去
    の大本営発表)」から、何も学べ

    0
    2020年04月17日

    Posted by ブクログ

    国民必読でしょ。無茶苦茶になったのは政府と報道が一体化した結果であった。
    日本人は第二次世界大戦の総括が不十分だと言われるのは、総括されるとマスコミの暗部が明らかになってしまうから、なのではないかね。
    そういった意味でも、マスコミの自分の隠蔽体質は当時の軍部と大差ないのではないかね。

    いやー、ファ

    0
    2019年04月25日

    Posted by ブクログ

    ・大本営発表とは、日中戦争〜太平洋戦争にかけて軍部から発表されていた戦果報告のこと。
    ・今やデタラメな発表の代名詞として使われる「大本営発表」。これが実際どれだけデタラメだったか、何故そうなったか、そして教訓について詳細に、かつ分かりやすく書いた本。右寄りでも左寄りでも無くフラットなのがいい。
    ・こ

    0
    2017年07月11日

    Posted by ブクログ

    米国の犯罪学者Donald R.Cresseyによれば、不正行為は機会、動機、正当化の3要素が揃った時に起こると言う。戦況報告で噓をつくのも、情報独占がもたらす「機会」、戦況をよく見せたい「動機」、下からの情報を無碍にできないという「正当化」、すべての要素が揃っている。本来報道機関がその矛盾をついて

    0
    2021年03月15日

    Posted by ブクログ

    権力でマスコミをコントロールしている節のある現政権。その良い前例として戦時中にあった大本営発表があるとし、現政権のありように警鐘を鳴らす目的で書かれたという本書。権力と癒着した報道ほど恐ろしいものは無いと再認識させられる。

    0
    2017年10月22日

    Posted by ブクログ

    これを、「マスコミや軍の問題」だと他人事のように捉えてはいけません。会社や学校など全ての日本組織に当てはまる問題だと思います。日本の組織がクローズになった時、「情にほだされる」「体面を異常に気にする」などが原因で問題が噴出します。出来るだけ風通しが良いオープンさを保つ事が重要です。

    0
    2017年09月24日

    Posted by ブクログ

    大本営発表にフォーカスした書。陸海軍がここでもつまらない対立を起こしていたことになんだか笑いが出てくる。勝勢だったためかもともとは正確だった初期は感心だが、中期以降は嘘の積み重ねに耐えられなくなっているし、国民も早い段階で真相にうすうす気付いていたよう。玉砕といった言葉が使われていたのは実は短い期間

    0
    2017年09月20日

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