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人類史上もっとも人の寿命が長くなった今、医師やまわりの人は死にゆく人に何ができるのだろうか? 全米で75万部のベストセラーとなった迫真の人間ドラマ。現役外科医にして「ニューヨーカー」誌のライターでもある著者ガワンデが、圧倒的な取材力と構成力で読む者を引き込んでゆく医療ノンフィクション。
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Posted by ブクログ
この本は2年前にある本屋さんの企画で『一万円選書』と言う、本屋さんの質問に答えて人物をわかってもらったうえで、お勧めの本を1万円分チョイスしてもらうと言うのに応募して紹介された本である。 その時に読み始めたものの、途中までで読破しないまま本棚に置いていた。 再度最初から読んでみようと思いたち、読み始...続きを読むめたものの最初は米国における今から40年前の高齢者施策がずっと並んでいて引き込まれることもなかった。やはり自分の読みたい本ではなかったのかなと思いつつ中盤にさしかかるとグングンと迫ってくるモノを感じ、涙しながら読む頁も増えて、一気に読み終えてしまった。 本の中にあった主治医が患者に言った「私は心配しています」のシーンで何と素晴らしい言葉だろうと感心した。 相手に押し付けるでもなく、自分を気取るでもなく、でも相手の心を安心させるんじゃないかなと読んだ瞬間感じたし、普段の生活の中でも取り入れてみたいとも思った。 この本はこの先も何度となく読み返してみたくなる本だなとも思い、この本を紹介してもらった本屋さんにも感謝している。教 老と最期をどう迎えるかはやはり人類のテーマだと思った。2年前の自分と今の自分も変化しているし、その都度で本から感じ取る事柄も変化するのかなと思ったりする。
これはぜひ超高齢化社会を生きる日本人全員に読んでほしい。 終末期医療にかかわる筆者が、自らみとった患者の例を共有しながら理想のターミナルケアとは何かを論じる。 例えばがんを宣告されたとしよう。しばらく闘病したのち、打てる手はすべて打って、予後が不良で余命間もないとしよう。主治医が「最後の手段はこちら...続きを読むの新薬です、もしかしたら効くかもしれない(効かないかもしれない)」と提案して来たとして、どこまで戦うべきなのだろうか。それは自分の年齢にもよるかもしれない。若ければ若いほど、治る可能性にかけてしまうかも。でもそれは最善の選択なのだろうか。きかなかった場合は?病院のベットで独り弱りながら最後には口もきけなくなって死んでいくのか、それとも自宅で家族とともに最後の時を過ごすのか。 大事なのは「自分にとって何ができなくなったら死んだ方がましなのか、どれだけつらくても何ができれば生きていられると思うか」を家族と共有しておくことだという。例えば食べるのが好きなわたしなら、ものを食べたり飲んだりできなくなったら死んだ方がまし。逆に大好きなチョコレートを食べられるなら苦痛の中でも生きていられると思う。 自分の最期なんてずっと先のことと思うが、その時のために今できることは「自分にとって何ができなくなったら死んだ方がましなのか、どれだけつらくても何ができれば生きていられると思うか」を探しながら生きていくことなのかもしれない。
終末期を迎える人達に対して、医療が出来ることは延命。それを否定するかのような内容がこの死すべき定めには書かれていて誰しもが必ず訪れる死をどのように受け入れ過ごすべきかのヒントを教えてくれる。
人生の老年期・終末期をどう生きるか、何が自分の幸せなのか、何を犠牲にできるかの指針となる本。 高齢者介護の現場において、生きる目的、生きがいは重要だが、測定しにくい。どうしても生存率や服薬の量など、測定しやすい指標で評価され、しばしば本当に重要なことが蔑ろにされる。 →施設に入っている祖母を見て感...続きを読むじる実態と合致する。 以下本書の印象的な文 人の能力が衰えていくにつれて、〈中略〉その人の生活をより良くしていくためには、純粋な医学的ルールを抑制する必要がある 通常医療のゴールは延命である。そのために今現在の生活の質を犠牲にする 命のために闘うことから、他のことのために闘うことへの転換
人は誰しも死を逃れることができない。年老いて、だんだんと体の自由が効かなくなったり、病を得て病院や療養施設のベッドで日々を過ごすことになったりしながら、人は最後の時を迎える。 だが、自らの最期をどう迎えるのかということについて、明確な意志を持っている人は、いったいどのくらいいるのだろう。「病院ではな...続きを読むく、自宅で最後の時を迎えたい」と思っている人も多いと思うが、はたしてそんな希望を関係機関と相談しつつどう実現させていけばいいのだろう? この本は、人が最後の時を迎えるに際して、医療や介護、そして本人や家族が何をどう考えるべきかについての大切な示唆を与えてくれる。全人口の3割近くを高齢者が占めるわが国は、喫緊の課題として議論していくことが必須であろう。
産まれた時から病院がある世代の医学を妄信している自分が目を覚ます本です。世界でもっとも影響力のある100人に選ばれたインド人の先生であり、日本の医師会の息がかかり当たり障りない本より素晴らしい。正直、最初からショックを受ける内容で医学を抉り医師として人間として生死を真正面から書いている本です。
かけがえのない出会いだった。 自らの最期の瞬間を思い浮かべて欲しい。 病魔に侵され、悶え苦しみ、一体どこが最期の時なのか全く分からないまま、終わりゆくことを。 多くの人が死に臨んで思うことは、自分自身のやり方で自分のストーリーの終わりを飾りたい、という願いだという。 我々はどうしたら、死を自ら...続きを読むの手中に収めることが出来るのだろう。 この本には、そのヒントが書いてある。
誰かを看取ることになった人は読むと良い本。 私は、友だちの癌宣告の時に読んで、父の癌宣告のときに読み返した。 母の余命宣告のときは、心の準備ができず向き合えなかったから。後悔を残さないためにも、死にゆく人と接する近しい人としての心構えの一助になります。 人により異なる精神世界や宗教の話ではないのも良...続きを読むい。
医師は最善を尽くしているか、を読んでもう4-5年は経っただろうか?臨床の縁に立つようになってまだ数年だが、「死すべき定め」に向かう人々と関わる機会は何度かあり、そしてこれからもある。小さなことかもしれないが臨床での向き合い方に変化が出た。もう一度よく読み直したい本である(紙で買えばよかった)
死ぬということは暗いイメージしかなかった。でも、死ぬことをしっかりと考えておかないと、死ぬ間際になって後悔するんだろうなと思った。 自分が後悔するだけであればまだいいものの、周囲の人を後悔させることにも繋がることがわかった。 機械につながれて生きるのは、本当に生きてるとはいえない。そんな最後は嫌だ...続きを読むと思った。 医学の進歩で、生きながらえさせることは可能だが、豊かに生きることができる人って、少ないと思う。それに、豊かという価値観も人それぞれであるため、豊かに生きる形も人それぞれだと思う。 最後の最後に、悔いを残さないために、今を精一杯生きていくことが大切だと感じた。時間には限りがある。今しかできないこと、自分にしかできないこと、やっていこう。
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死すべき定め――死にゆく人に何ができるか
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アトゥール・ガワンデ
原井宏明
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