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詩人として、小説家として、19世紀アメリカ文学の中で特異な光を放つエドガー・アラン・ポー。彼の詩は悲哀と憂愁と幻想に彩られ、ボードレールのフランス語訳によってフランス象徴主義の詩人たちに深い影響を与えたことはよく知られている。本書には、ポー自身が『詩の原理』の中で創作過程を明かしたことで著名な「大鴉」のほか「ヘレンに」「アナベル・リイ」などの代表作を収める。
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Posted by ブクログ
この阿部保さんの口語訳が、いちばんポーっぽい感じがして読み易かった。 この邦訳を読むと、岩波の赤は、もう開かなくなるよ。
ポーの詩の日本語翻訳は、なぜか阿部保さん訳でないとしっくりこない私です。翻訳者がいかに大切かを教えてくれた本。
詩を読むのはおそらく初めてくらい読んだことがないので、一回読んでみただけではほぼ理解できませんでした。とはいえいろいろと気になった繰り返しの部分が読み終わっても残ります。
ポーの代表作「大鴉」は詩というより短編小説?でもいけるんじゃないか というお話です。あえて詩なのが良いのかな。ポーが詩の真の目的を巻末で語ってます。詩的感情は音楽と歌の結合によって最高の表現が可能。。。だそうです
ふと読みたくなって手に取りました。重厚かつ暗鬱な作風は格調高い訳も相俟って荘厳ですらある。著名な「大鴉」はゴシック映画を見ているよう。またリズムも良く、音読したくなる。「ヘレンに」「アナベル・リイ」は哀しくも美しい作品。詩は哀しみの文学であると深く感じ入った。ポーの作品は他にも読みたい。
以前、映画でポーが亡くなる前の数日間を画いた作品を観た。そのときからポーの謎の残る死と、ポーの心を現しているだろう詩に興味を持っていた。 今回はポーの詩の中でも特に読んでみたかった、「大鴉」「アナベル・リイ」の含まれた本書を読んでみた。 18篇の詩と、「詩の真の目的」という短い文章の載った一冊。 ...続きを読む 全体として、暗く絶望を感じる作品が多かった。 それでも美しい言葉の響きは見事で、暗くさみしい、閉塞感のある世界ではあるけれど、またひとつと読み進んでしまう。 多くの詩の中では、特に「アナベル・リイ」が印象に残る。 ポーが亡くした妻への思いを籠めたとされているだけに、今は亡き愛しい妻への思いに溢れている。 静かでやさしく美しい詩だった。 ポーの遺した多くの推理小説と併せ、自身の死までが謎の多い作家だった。そこがまたポーの魅力がいつになっても衰えない理由のひとつなのかもしれない。 ひとは誰でも、明かされない謎には興味と魅力を感じるものだ。 人生の最期に決して真相の明かされない謎を遺していったポー。天国のポーは、してやったりと笑っているのだろうか。
大別してふたつ。 死んだ恋人への哀惜。 死と退廃。 大鴉 夢の夢 ヘレンに 海中の都市 死美人 レノア 不安の谷間 円形戯場 ヅァンテ島の歌 幽鬼の宮 勝利のうじ虫 幻の郷 ユウラリイ ユラリウム ヘレンに贈る 黄金郷 アナベル・リイ 鈴の歌 詩の真の目的
名探偵デュパンが活躍する"モルグ街の殺人"やゴシック小説を代表する"アッシャー家の崩壊"で知られるEdgar Allan Poeは詩人としても有名です。本書には、"大鴉"、"幽霊宮殿"や"アナベル・リー&quo...続きを読むt;など代表的な詩作を収録しています。けっこう難解なのですが、ゴシックな雰囲気を味わいたいのであれば、ポーの詩は最適です。詩集"悪の華"を書いたボードレールらフランスの詩人にも大きな影響を与えたといいます。できれば、"構成の原理"などの詩論と一緒に読むと理解が深くなるかと思います。
阿部保訳のエドガー・アラン・ポー。 日夏耿之介訳よりも平易な訳であるが、かといって現代に即した口語で読みやすいという訳でもない。 (1956年発行だそうである) 死んだ妻への哀惜が込められた詩が多く、「大鴉」はまさに絶唱であるが、一方でポーの詩における美少女達は容姿も画一的で人格も希薄であり、ただ...続きを読むロリータ・コンプレックス的に若いということが強調され、単なる「恋愛詩のための道具」「ポーの中の美少女のイデア」に貶められているきらいがないでもない。 ポーが十三歳年下の妻を早くに亡くしたということを踏まえると不適切な言葉ではあるが、私の眼には、純愛に名を借りた物言わぬ死せる美少女に対する一種偏執狂的な愛のようなものが詩の中に揺曳しているようにさえ感じられる。 前述の「大鴉」 幻想的な風景が美しい「海中の都市」 人の生死を象徴的にうたった「勝利の蛆虫」 ポー自身の人生である「黄金郷」 などが個人的に印象に残った詩である。 また、大江健三郎が「﨟たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ」を書いた「アナベル・リイ」もぜひチェックしておきたい。
私は神に祈る。永遠に。 曙から夜更けまで絶え間なく不安の空をさらさらと流れる雲は風たえてふかれることもなく。
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エドガー・アラン・ポー
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