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ガスコンの青年隊シラノは詩人で軍人、豪快にして心優しい剣士だが、二枚目とは言えない大鼻の持ち主。秘かに思いを寄せる従妹ロクサーヌに恋した美男の同僚クリスチャンのために尽くすのだが……。30歳でレジオン・ドヌール勲章を叙勲し、33歳でアカデミー・フランセーズに選出された天才ロスタンの代表作。1世紀を経た今も世界的に上演される、最も人気の高いフランスの傑作戯曲をキレのいい新訳で。
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Posted by ブクログ
舞台も映画も見た事があったけど、スクリプトを本で読んだのは初めて。まったく違う経験。 そして、文字だとより深く染み入る。素晴らしい。 1897年の作品なのに、その台詞の息吹はいまもなお瑞々しい。後の全ての舞台、映画脚本のモデルになっているのだろう。特に思い起こすのは寅さんで、映画の中の筋書きは完全に...続きを読むシラノだ。
シラノは詩人で軍人、敵をわんさか作ってしまうけど、心優しい剣士。 しかし、彼の鼻は大きく醜い。それを気にして、秘かな想い人・ロクサーヌにも想いを告げられずにいた。そこに、ロクサーヌに恋した美青年・クリスチャンが現れ、彼の恋が成就するよう尽くすのだが… 台本のような本で、読んでて楽しい。舞台を観てい...続きを読むる感覚! 内容もかなり好き。シラノが決闘しながら、バラードを作るとこ、後は何と言っても最後のシーン‼︎ 空元気でロクサーヌを訪れるシラノ。そこで、最後の手紙を読む。 「そのお声は…」 「そのお声は!」 洒落てる。 1世紀前の人にも人気があった『シラノ』。今でも通じる面白さって、凄い。
意訳が多くあれこれ弄りすぎているので、他の版で読んだ方には違和感が、注釈で平気な顔してネタバレをしているので初めての方には興ざめの可能性があります。何かと訳者の方ががんばりすぎている翻訳です。ただしそのかいがあって詳しくなくても楽しめ、何より台詞回しが粋。内容も「男はつらいよ」的な感覚で、あれをフラ...続きを読むンス人が作るとこうなるのかな? と思わせるグルーヴ感があります。容姿のコンプレックスが原因で自ら忍ぶ恋を強いるシラノの姿は共感や好感を呼ぶでしょう。舞台は外国ですがとっても日本人向きの泣けるお話だと思います。
才気に満ちあふれたシラノ(主人公)がバッドエンドを迎えるのが不思議。 舞台をそのまま小説にしているからか歯の浮くような台詞が目立つけど、僕はそこが好きです。きれいな言葉を普段から使っていきたいなー。
映画『愛しのロクサーヌ』を見て気に入り、この作品が元ネタということで購入。 頭が良く、勇敢なシラノ。しかし、その大鼻のために、愛するロクサーヌに愛を伝えることが出来ない。 そのうち、美男子クリスチャンとロクサーヌは惹かれあって、シラノはクリスチャンを応援するために彼の代わりに愛を語り、戦火の中手紙...続きを読むまで代筆する。 どこまでも、まっすぐにロクサーヌを愛するシラノ。 最後まで愛する彼女の唇に口づけすることのできない彼は、哀しく美しい。 ロクサーヌが、手紙の送り主はシラノだと気づくやりとりは素晴らしく、思わずため息が出ました。 ただ、ロクサーヌに強い個性がなく、ただ美しい言葉、容姿に惑わされる「かわいい女」にしか思えませんでした…
慣れない形式、慣れない時代設定だったけどとても読みやすく、長台詞も読んでて気持ちいい。構成も隙がなく、第五幕が圧巻だった。
男はハートだ! 外見は醜いかもしれないけれど、なんと高貴な心を お持ちなのでしょう。無償の愛というテーマには弱いので 心にズキュンと響きました。 シラノやロクサーヌのことを想うと特に最後は涙なしでは 読めません。読後は感動のあまりしばし呆然とした程。 初めて読みましたがリズムがあって巧く訳され...続きを読むていると 思いました。この作品はいつか生で観て耳と目で愉しみたい。 光文社古典新訳文庫には心くすぐられるタイトルがちらほらあるので今後も要チェックです。
台詞の表記の仕方が独特ではじめは慣れませんでしたが、50ページほど読むと慣れてきて、リズム感が心地よくなってきました。 内容は笑えるところあり、切ないところあり、とテンポがいいです。ラストは感動的。 ぜひ読んでほしいです。特に自分に自信の持てない才能ある男性の方に。
舞台観劇後改めて戯曲読む。シラノがタイトルロールだが、クリスチャンの苦悩も実はしっかり描かれている。現代アレンジでも見てみたい名作。
即興で素晴らしい詩を詠み、音楽家として美しい歌を披露、熱血漢な剣客でもある知的で多才なシラノ・ド・ベルジュラック。しかし唯一特徴的な鼻が災いして恋には後ろ向きな男性でもある。シラノは従妹ロクサーヌに想いを寄せているが、ロクサーヌが容姿端麗なクリスチャンに心奪われていることを知り、ロクサーヌとクリスチ...続きを読むャンの恋がうまくいくようとことん脇役に徹する――。 シラノというキャラクターに惹かれる理由は、日本の古き良き武士道のような気風を感じるせいかもしれません。表向きは豪気に振舞いながらも、心のなかでは不器用なほど素直でまっすぐな想いを抱えている。自分の心を偽り、男女の恋の成就に尽力する。彼女の喜ぶ顔が見たいから。彼女に幸せを掴んでほしいから。すべては愛するロクサーヌのために。 個人的に「かっこいい男」の代名詞と言えば映画『紅の豚』のポルコ(マルコ)がぶっちぎりの首位なのですが、シラノもまた、ポルコに迫るほどの良い男ぶりを発揮しています。よくよく考えると飛行機を乗り回しパイロットとして他を寄せ付けない腕を持ちながらも、親友への遠慮からジーナとの関係に踏み込めずにいるポルコと本作主人公のシラノは、どこからしら近い気質を感じるのは私だけでしょうか。 戯曲ならではの印象的なフレーズも多く飛び交います。冒頭は注の多さのとっつきにくさも感じましたが、次第に一つの舞台で、客席から出演陣の熱のこもった演技を追っているかのようにストーリーに没頭できました。 今回は光文社版を読みましたが、いつか岩波版も読んで訳の違いを楽しんでみたいです。
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