緑と赤

緑と赤

1,683円 (税込)

8pt

どうして伝わらないのだろう。こんなに近くにいるのに。2013年夏、大学三年生の金田知英は、友人と夏休みに海外旅行へ行くため、パスポートを取得した。自身が在日韓国人であることは知っていたが、「韓国人であること」を意識しないように育てられた知英は、パスポートの色を見て、改めて自分の国籍を意識した。知英の友人でK-POPが大好きな梓、新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン、ヘイトスピーチに憤り抗議活動に目覚める地方在住の良美、日本に帰化をしたのち韓国で学ぶことを選んだ龍平、そして知英。自分は「なにじん」なのか、自分の居場所はどこにあるのか、隣にいる人とわかり合えないのはなぜなのか。ふたつの国で揺れる知英の葛藤と再生を中心に、五人の男女が悩みながらも立ち上がる姿を描く傑作長編。 「馴染まない。生まれて初めて手にするパスポート。赤や紺ではない、濃い緑色。表には、まったく読めないハングル文字。英語で、REPUBLIC OF KOREAとも書かれている。ページを開くと、まぎれもない自分の顔がそこにあった」――(本文より)

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緑と赤 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    グアム旅行を前にパスポートを申請した知英の手元にあるのは緑色のハングル文字の書かれたパスポートだった。…

    在日韓国人の知英、韓流アイドル好きの梓、新大久保のカフェで働くジュンミン、ヘイトスピーチに嫌悪する良美、帰化し日本国籍を取得したものの韓国へ留学した龍平。
    それぞれの立場から見た日韓問題が描か

    0
    2019年11月18日

    Posted by ブクログ

    ものすごく読みやすくて、新たな気付きをたくさんもらった。
    読んでよかった。
    私は純粋な日本人。生まれてこのかた特に親しく付き合う外国人または在日はいない。
    若い頃主に英語圏の国々に憧れはいっぱしにあったけど、やはり身近にいないせいか朝鮮、中国には顔も近いが文化的に遅れていそうというイメージだけで下に

    0
    2016年01月07日

    Posted by ブクログ

    在日韓国人であることをKポップ大好きな親友に話すことが出来ずにいる知英、大好きなKポップアイドルグループのメンバーにそっくりな恋人を追いかけて韓国へ行ったら思いもかけない日本人差別にあった梓、新大久保で見かけた大規模な嫌韓デモをきっかけに差別と戦うことを誓う中年女の良美などを取り巻く今の日本人と韓国

    0
    2022年02月04日

    Posted by ブクログ

    在日のお話。全6章、様々な立場の人から物語が紡がれている。
    繊細な話をわかりやすく、でも繊細に描いていて人にも薦めたくなる一冊。

    0
    2022年01月30日

    Posted by ブクログ

    緑と赤、それは韓国と日本のパスポートの色。

    パスポートの色の違いで、在日韓国人であることを意識せざるをえなくなった知英。
    K-POPアイドルファンの日本人、梓。
    友人に自分が在日だということを隠していた龍平。
    新大久保のヘイトスピーチを見て反対運動に参加しはじめた韓流好きな良美。
    日韓のデリケート

    0
    2016年10月07日

    Posted by ブクログ

    パスポートの色
    緑と赤
    同じ日本で育っても、日本人と韓国人
    だだ、それだけの違いなのにね
    2016.03

    0
    2016年03月22日

    Posted by ブクログ

    傑作。題材は在日だが、描かれているのは日常で感じていることばかりだ。極端な人間の言動、一方的な仲間意識。そういうのに疲れている、あの虚無感。こういう本こそ、広く読まれてほしいんだが。

    0
    2016年01月17日

    Posted by ブクログ

    タイトルの「緑と赤」は韓国と日本のパスポートの色にちなんでいるんだろうけど、WEBマガジンなどで連載されていたときは「ここではない」というタイトルだったらしい。「ここではない」も何がここではないのか、内容とのシンクロ感がいまいちという感じがしてしまうけど少なくとも葛藤や焦燥のにおいがある。それに比べ

    0
    2022年05月08日

    Posted by ブクログ

    日韓をまたぐいろいろな立場の人たちの人間模様。

    こじれている。

    作者はそれぞれの心情をうまく描写するが、日本での舞台が新大久保にほぼ限定されるなど偏っていて、展開もそれにつられるように偏っていく。

    作者の意図なのだろうが。

    日韓の国際結婚で幸せに暮らしている人たちもたくさんいるだろうに。

    0
    2016年03月24日

    Posted by ブクログ

    例えば、誰かや何かを嫌いだからと
    ネットの掲示板に書き込まれる読むに堪えない様々な罵詈雑言。
    面と向かったら言えないような言葉でも、PCの画面が相手ならいくらでも垂れ流しできてしまうのでしょう。
    誰かを傷つけるために発せられるナイフの様な言葉は
    たまたまそれを目にしたり耳にしたりした不特定多数の人た

    0
    2016年03月16日

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