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引退して田舎に引籠っていたホームズが、ドイツのスパイ逮捕に力を貸す、シリーズ中の異色作「最後の挨拶」。ほかに、一人暮しの老婆のもとに塩漬けの耳が送られてくる「ボール箱」、姿を見せない下宿人と奇妙な新聞広告の謎を解く「赤い輪」、国家機密である特殊潜航艇の設計図の盗難をめぐってホームズ兄弟が活躍する「ブルース・パティントン設計書」など全8編を収録。
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Posted by ブクログ
シャーロックホームズの素晴らしさはトリックだとかどんでん返しにあるのではない。 ワトスンの語りから垣間見えるホームズという人間、ワトスンとの関係、魅力的な依頼人と犯人にあると思う。 基本的に人物の心情について細かに書いてあることは少なく、事実が多い。だからこそシリーズを読み進める過程でホームズの人間...続きを読む像が少しずつ自分の中で厚みを帯びてきて気がついたらお気に入りの人になっている。 まるで本当に事件を通して友達になったみたいに! きっと世界中、たくさんの時代の人がホームズに夢中になってホームズを作り上げてきたんだと思う。だからこそ映画化、ドラマ化が絶えなくて。 「最後の挨拶」は今までの短編とは雰囲気が違う。三人称で引退後のホームズ。ワトスンも初老。時が作り出すものはなんだか少し悲しい。それと同時に愛しくもある。ワトスンとホームズの友情も気づけば何十年積み重ねたものなんだなあって思った。ワトスンはまた戦争に行くみたいだ。もうホームズと会えないかもしれない。東風の話をするホームズとのんびり答えるワトスンに胸が締め付けられた。小説の中の主人公はやろうと思えば歳をとらないこともできる。それでもやはり沢山の事件を通して歳を重ねたワトスンとホームズがわたしは大好きだ。 シャーロックホームズシリーズは紛れもなく2人の男の人生の断片を描いていると思う。 忘れ去られることが死ぬということなら、シャーロックホームズはたとえ現実にいなかったとしても、数え切れない数の人の中に命を宿した紛れも無いヴィクトリア朝時代のイギリスに生きた探偵だ。
やっぱりシャーロックホームズは面白い! ちょっと堅物なホームズだけど結局ワトスン君のことが 大好きな感じが堪らない..❤︎ 20年経ってもなお、相変わらずの友情!
1980年台が舞台の初期の事件では馬車・汽車・徒歩が移動手段だったが、「最後の挨拶」ではワトソンがフォード車を運転しており隔世の感がある。これは1914年8月2日の事件だそうなので、緋色の研究で二人が出会ってから20年以上経っている。何もかもみな懐かしい。引退後にホームズがサウスダウンズの農場で蜜蜂...続きを読むの研究をしていたのは意外。
瀕死の探偵がギャグ要素多めでとてもおもしろかった。 謎解きを楽しむというより冒険要素が多めで楽しく読めた。 何作品か戦争色が強く現れてる作品があり、書かれた時代を感じた。
1遍ずつ雰囲気を味わいながら読むことができ、ますます引き込まれる。ここまで読み進める中で得たホームズとワトスン博士のキャラクター感があってこそ楽しめる短編集。 これまではホームズの知性を越えると思われるキャラクターはあまり出てこない印象であったが、この短編集では知性に富んだもの通しの闘いなどが描かれ...続きを読むており、どこか悔しさを感じさせる場面もあった。 発表順にホームズシリーズを読むことで当時世界を的熱狂を感じて貰いたい
久しぶりのシャーロック。本書のタイトルである『最後の挨拶』から連想するのは、やはりシリーズ終了ということだった。ヴィクトリア朝と言えば19世紀後半で、日本で言えば幕末から明治といったところ。現代の科学捜査とは違う、残された証拠と推理から犯人を追い詰めるのは、ともすると都合がよすぎる場面がないとも言え...続きを読むないが……。そう思いながらも、海外版時代小説として楽しんだ。
ホームズの物語の中で、時系列的に一番最後の「最後の挨拶」が収録されている短編集。このあとに「シャーロック・ホームズの事件簿」がまだ執筆されるわけだけれど、引退したホームズの最後の事件か…と思うと、寂しいものは寂しい。馬車じゃなくて自動車が登場したり、ホームズが60代になっていたり…当時の読者はホーム...続きを読むズロスになったんじゃなかろうか。 個人的に好きだったのは「瀕死の探偵」それまでの作品とはひと味違った展開をみせるから。 あと「悪魔の足」も。ホームズ作品って、未開の地の神秘を要素に入れてることがけっこうあるよね。当時の人々の冒険心とか文化人類学的な興味を刺激したんじゃなかろうか。 まあ今の感覚でいったらたとえば「四つの署名」にみられるような人種の扱いはアウトかもしれないけど、昔の文学作品にあんまり野暮なことはいいたくない。 さて、なるべく刊行順に読んできたホームズシリーズ、次は「シャーロック・ホームズの事件簿」といきたいところだけれど、新潮社版ではこれまで収録しきれなかった短編を集めた「シャーロック・ホームズの叡知」がある。 最初は読みづらいと思っていた古風な訳もくせになってきたけど、新潮社版のこの仕様だけはいまだに納得いかないなー
ブルースパディントン設計書はあまりにも有名。トリック内容と事件の発端になる、マイクロフトお兄さんが登場。ギリシア語通訳以来の描写でわワクワク。 その他、興味を引くのは、悪魔の足。せっかくのお休みが台無しになる怪事件。 フランシスカーファクス姫の失踪では、ワトスンさんが大活躍。ホームズからの指摘に...続きを読む耐えるワトスンの心持ちに同情。 この短編にはクロロホォルムや馬車が車になってたり、作品が書かれた時代の移り変わりが感じられる。
晩年のホームズ作品ということで、今までのような派手さは息を潜めた印象。 落ち着いた雰囲気のホームズとは対照的に事件の内容はどれもパンチの効いたものばかりだった。 特に【最後の挨拶】は「いつホームズが出てくるの?」と思いながら絶妙な緊張感の中、物語が展開されていく。 ワクワクした一冊。
ウィステリア荘は、何か夢に出てきそうな雰囲気的な怖さを感じるが読み終わると、何か物悲しい。 ブルースパティントン設計書は、ホームズドラマで最近見たが、情景が浮かびいかにもイギリスといった感じの作品で好き。瀕死の探偵は実に小気味の良い小品である。 最後の挨拶は、ホームズ最後の作品として、その仕事の貢献...続きを読む度は大きいけれど、華々しくはない。
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シャーロック・ホームズ最後の挨拶
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