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東京浅草の高層ホテル『ハイライズ下町』。午後6時5分、警備室に最初の殺人予告の電話が入った。宿泊客の一人を殺すという。どうやら本気のようだ。刑事上がりの夜間警備責任者・田辺素直は、アメリカ流のホテル専属探偵さながらに、独自に捜査に乗り出す。息詰まる30時間の始まりだった。(探偵は眠らない) ほかに「西連寺剛」シリーズなど名作も併録した傑作セレクション。
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Posted by ブクログ
元刑事でホテルの警備をしている主人公田辺が、ホテルで一人の男を殺すという予告を受けてその警備と推理に奔走する1日半を描いた「探偵は眠らない」他、元ボクサーの私立探偵西連寺剛がハワイで失踪した女性を捜索する「ダウンタウンの通り雨」、『銀河盗賊ビリイ・アレグロ』から最初の1章「双頭の毒蛇」など、<ハード...続きを読むボイルド編>を冠するにふさわしいストーリーが納められている。 ハードボイルドとは、その「形」ではなく、すなわち主人公の行動そのものではなく、その精神にある、都筑さんは分析する。発達した文明社会の中で、人間の組織化が要求され、それによって圧迫された個性があげる絶望的な反抗の叫びがハードボイルド文学なのだという。 確かにここに納められている探偵たちは、必ずしも「ハードボイルド小説的な」行動をするわけではない。ただ、自分が行うべきことを淡々と行っているというだけ、という気がする。ただそこに、強い意志の存在や人間というものに対する哀れみが無言のうちに表現されている。そしてそれによって、これらの小説は「ハードボイルド小説」として完成されている。
あまりハードボイルド系のミステリは得意ではないのだけれど、都筑センセーのは純粋に楽しめる。やっぱりアレだ。何書いても面白く書けるんだ。センセーのハードボイルド観とか、評論なんかも書かれてて今回これを読んでハードボイルドに対する認識が変 わったよ。これからはまた違った観点で楽しめそう。収録作どれもこ...続きを読むれも期待通りの面白さでした。
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