ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
下村文科大臣は国立大学に対し「文系学部・学科の縮小や廃止」を要請した。成果主義の導入、職業訓練校化――所属学科の廃止を通告された大学教授が、新自由主義の波に翻弄される現場を描く衝撃のレポート。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
文科省による国立大学への文系学部(特に人文学系)再編要請に対して、国立大学改革の実情や歴史、そして大学の役割等の観点から、その要請がいかに不合理なものであるかが、横浜国立大学教授の著者によって喝破されている。 社会で「役に立つ」学問の教育に力を注ぐべきと政府は煽るが、国が定めた「あるべき」像に隷従...続きを読むした果てに社会の進歩が見えてこないのは私だけではないはず。 本文でも言及されている通り、進歩とは前に進むことであり、「前」がどちらなのかが分かっていなければ逆走だってあり得る。人・コミュニティ・組織・地域・社会によって「前」は多様であるはずだから、一人ひとりが考え、対話し、うっすら見えた「前」に向けて行動していくことを促す場づくりが大学の役割だと思う。 社会で正解とされていることを疑ってみる目を養い、正解は一つではないこと、むしろ正解などないことを経験・学習したうえでそれぞれのフィールドに飛び立つ。このような人が本当の意味で社会で「役に立つ」のだと感じた。
学んで得られる“知”というようなモノの中には「(役立つ)情報」も在れば、「役に立つか、立たないか不明なモノ」も多々在る。それらを色々と取り込んで「文脈的思考」をするのが「生きる」ということである筈なのだが…「手続き型合理性」というモノが必要以上に幅を利かせ、「目的を得るために何かをやる」というよりも...続きを読む「何かをやること自体が目的」という事態が社会を覆い尽すかのような感…本書はそこに“警告”を発しているように思えた。或いは、近年読んだ多くの本の中で、「最も深刻に近年の我が国社会を憂う」という内容だ…
某国立大学で客員教授をやったことがあるので,大学の教官と話す機会があり,「手続き型合理性も基づく余分な仕事」が山のようにある実態を垣間見た経験がある.諸悪の根源は文科省の官僚たちだが,大学としてお金を絞られることは嫌なので,しぶしぶ対応している.無駄なことだ.文科系学問に存在する「隙間」や「ノイズ」...続きを読むの重要性を,少なくとも一定数の大学教官が認識していることに安堵しているが,それらを無視するような政策を押し付ける行政の力を打破する手段の構築が必要だと痛感した.
前半は「現代大学システム」の説明と批判、後半は「反知性主義」の喚起と「大学の意義」の再確認であった。 個人としては問題意識から学問をしているし楽しんでいるが、言われてみれば「反知性主義」はただ進行するのみとなってきている。自分も著者の言うように「反抗する」側として学問を修めたいと思う。
国立大学に限った話。タイトルにある件の是非はわからないが、日本に余裕がなくなっていることと大学が抱える課題はわかった。 文系科目は世界最先端を目指すとか性能やコストを競うとか、そういう価値観に合わないマッタリ感があるので、理系と同じよう枠組みでの評価はキビシイね。
今年の6月に文科省から出された通達がきっかけとなり、大学関係者ではない人びとのあいだでも大きく議論されるようになった国立大学の文系学部廃止について、そこに至るまでの経緯、背景にある事情、および筆者の考える問題点が綴られている。 一般の読者に主眼を置きながらも、幅広い読者層を想定しているのではないか...続きを読むと思う。その点、第5章と終章では一般の読者にはなかなか伝わりにくい(理解されんくい)だろうなと思われるようなことも書かれている。室井先生も自覚的にそうしているのだろうから、それはそれでいいと思うけど。
横浜国大の先生が近年の国立大学への文科省の方針を容赦なく斬る。痛快であるものの、実際にこの方向へ国が進んでいるということは憂慮すべき状態なんだ!「国家や企業に奉仕する人材を育てるのではなく、人間を育てる」とは全くその通りで、分かり易い文科省批判の言葉だろう。「人類が長い時間をかけて蓄えてきた文化や藝...続きを読む術、思想や哲学、自国や他国の歴史に愛着も興味ももたず、ひたすら株式会社化した大学や社会に自分を最適化させ、ただ自分の人生をグローバル資本主義におけるさまざまな課題解決だけに捧げる学生しか育てない」とはその通りである。大学における理系重視はその方向を助長させているに違いない。国立大学の学長に理系が増えてきたことも繋がってくる。世界の大学ランキングは理系のことでもある。物事を深く考える文系の軽視は物事を考えることを衰えさせる方向にあることは間違いない。「大学設置基準の大綱化」という用語はよく目にしたが、自由化のこと、つまり、ざっくりさせた!それだけ大学の質は低下したということになるだろう。
地方国立大学の内部にいる筆者による陳情・意見の本なので、極端な例やかなり怒りに満ちた言も見受けられる(評価アンケートや手続き合理性など)。 が、それをさしひいても、国の政権・行政方針が変わるたびに振り回されてしまう国公立大学の不憫さ(人手不足なのに学部新設させられたと思いきや早々に廃止だの、形式的...続きを読む事務作業圧迫だの、民間の経営手法に倣えだの・・)がうかがえる。 人文系学問は短期的に役に立たないからと軽視すべきでないし、知の多様性をいかに守るべきかは大きな問題だ。 まさに、哲学や文学に潜む文脈や歴史から、現世の常識を疑い、新しい問いを立てるための知なのだ。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
文系学部解体
新刊情報をお知らせします。
室井尚
フォロー機能について
「角川新書」の最新刊一覧へ
「ビジネス・経済」無料一覧へ
「ビジネス・経済」ランキングの一覧へ
▲文系学部解体 ページトップヘ