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江戸時代、紀伊半島の漁村・太地に、世界でもまれな漁法「組織捕鯨」を確立した人々がいた。磨かれた技を繰り出し、集団で鯨に立ち向かう「鯨組」は、仲間との強い絆と厳しい掟により繁栄を極めた。命を削る凄絶な戦いゆえに、鯨にも畏怖の念をもって立ち向かう彼ら。江戸末期から明治へ、共同体の熱狂の季節と終焉を躍動感溢れる筆致で描く、全6編の一大クロニクル! 「山田風太郎賞」「高校生直木賞」受賞作!
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Posted by ブクログ
あの巨大な生き物に生身の人間が戦いを挑んでいたという歴史があること自体がすごい。 その事実だけで魅せられる。 そして当然物語としてもめちゃくちゃ面白い。 再読でも初見と同様の興奮。 私が著者の作品を読み漁るきっかけとなった一冊です。
『〝クジラ〟強調月間始めました!』7 第7回は、伊東潤さんの『巨鯨の海』です。 伊東潤さんは、時代小説を中心に書かれている方です。本書が初読でしたが、和歌山の太地で、江戸時代から独自の組織的捕鯨を行っていた人々と鯨の圧倒的な物語でした。 臨場感あふれる捕鯨場面の描写が素晴らしく、迫力と緊張...続きを読む感に溢れ、時・潮・風や鯨の動きを読みながらの漁は、鯨の情の豊かさや悲しい運命まで表現される秀逸さです。 専門用語や方言も多く登場しますが、丁寧な説明があり気になりません。また、太地の人々は、鯨を「夷(えびす)様」と呼び、古くから鯨に対して畏敬と感謝の念をもっています。更に、鯨と命懸けのやりとりをするため、太地の掟は厳しく、熱くヒリヒリした同胞意識も伝わってきます。 太地の古式捕鯨の栄華から終焉までを、壮大なドキュメンタリータッチの物語に仕立てた本書は、「凄い」の一言に尽きます。強烈な余韻が後を引く読後感でした。
伊東潤氏の作品は戦国物を何作か読んだかハズレなし、何れも素晴らしかった。 伊東氏の目線を通すと戦国武将の誰を描いても生き生きしていて読み応えがある。 今回は太地という鯨漁を生業とする土地の歴史を江戸初期から明治初期に渡って描かれた物語。 今まで読んだ物とは趣向が違ったが又素晴らしかった。 日本人が...続きを読む生まれ育った土地に縛られながらも生を全うする過酷さと尊さをこんな風に描けるなんて! 司馬遼太郎さんを信奉する私だが伊東潤氏の作品からも同様の感動を得ることが出来る。 これからも読み続けたい作家だ。
日本人の心 生きるためにすること 風土と文化 を久しぶりに感じた。 行ったことのある地域ですので非常にリアルな感じ非常に読みやすく良かった なんか最後涙が出た
紀伊半島の漁村・太地。そこで組織捕鯨を確立し、日々鯨に挑む漁師たちの姿を描いた連作。 「なんという迫力……」 この小説を読み終えた時の感想を最も簡潔に表すとこうなります。 太地の人々の鯨漁はもはや漁ではありません。それは戦いなのです。時に十数メートル以上の鯨に対し銛を打ち込み、何度も網...続きを読むをかけ少しずつ弱らせ最後にとどめを刺す…。言葉にすればただそれだけの話なのですが、その描写力たるや… 太地の漁師たちの息遣いやピリピリした感じももちろん伝わってくるのですが、さらにすごいのは狩られる側である鯨の生きたい、死んでたまるか、という気持ちすらも伊東さんが書き込んでいること。 作中で鯨のエピソードで、過去に鯨漁から逃げ切った経験を活かし太地の人々の漁から逃げ切ろうとする鯨や、子を思う鯨の姿が描かれるのですが、そうしたエピソードだけでなく、死に際の鯨を描く場面がまた秀逸です! 作品全体を通してみると鯨もまた主人公なのです。 最終話の「弥惣平の鐘」の漁の描写と自然の厳しさの描写は圧巻の一言! いかに人間が自然の厳しさの前に無力かということを感じさせられます。 もちろんそれぞれの短編の人物描写、心理描写も伊東さんらしい情念が込められた作品ばかりです。 厳しい掟が支配する閉鎖的な共同体の太地。そこで暮らす少年たちは何を目指すのか、男たちはどう行動するのか。掟に縛られながら生きた人、掟を全うした人、時に太地に疑いをもち外の世界を夢見るもの。それぞれのドラマが伊東さんの圧倒的な筆勢で描かれます。そこにあるのはただ生きるだけでは満足しない、本物の「生」を渇望する男たちのドラマだと思います。 伊東潤さんがどんな人か全く知らないのですが、もし会うことがあればいきなり「兄貴ィ!」と読んでみたいです(笑)。こんな例えで伝わるかどうか不安ですが、本当にそれだけ伊東さんの作品には迫力があります。男が漢に惚れるってこんな感じなのかなあ。 第4回山田風太郎賞 第1回高校生直木賞
「山田風太郎賞」受賞作ってことで、文庫化を待望していた作品。過去の受賞作品から、まず期待外れってことはないだろうと思っていたけど、これもまた高品質でした。捕鯨に生きる村を舞台にした、時代をまたいでの短編集。迫力満点の捕鯨シーンもさることながら、それに対峙する人々の描写も活き活きしていて、どの作品も素...続きを読む晴らしかった。この作者の他の話題作も読んでみたいと思いました。
捕鯨を題材にした作品なので、鯨と人との勇壮な闘いが物語の中心なのだろうと勝手に思い込んで読み始めたのだが、視点が違っていた。 飢えて死ぬことが珍しくなかった時代に、鯨を捕ることで、地域全体が栄え、支え合って生きていける。集団で闘えば、集団みんなが生きていける。生きていくために強固に結びつき、生きてい...続きを読むくためには強固に結びつかなければならない。その閉じた社会を維持するための絶対的な掟の下で、闘って生活の糧を得るために、特殊技能を磨き上げていく。それが生きることの全て。 集団として生きる個。生きる手段が生きる目的だった。そこに訪れた時代の大きな転換。題材は捕鯨ではなかったのかもしれない。
昨今有名になった太地の捕鯨。太地の人間側の制度説明も、捕鯨の方法も説明しつつ、大多数が見たことのない捕鯨シーンを描かないといけないのだから、これを小説形式でやったのは凄い。 太地の生き様が浮かんできて、現地に行ってみたくなった。最後の事故は実話がもとになってるのだな、、、。
正直言うとこれは「読まされた」本。強制されたから仕方なく読んだ本。分厚いし元ネタも雰囲気も男臭いし、最初は本気で読みたくなかった。なんなら2/3くらいまで読み進めても(今この本取り上げられても別に気にしないな〜)なんて思ってた。でも、気が付いたら夢中になってこの本を読む時間が少し楽しみになってた。想...続きを読む像もつかない捕鯨の様子を細かく描写していて、舟のようにいるような臨場感、鯨が眼前にいると錯覚させる迫力が文字通り文字だけで表現されている。すごい。こんな文章書けるようになりたい。そう思った。 私が好きな話は(本が手元にないので題名は分かりませんが…)鯨の脂だかなんか高価な部位を盗んだとかどうとかの話と捕鯨が衰退しつつある頃に海上で遭難した話。
太地町の捕鯨を舞台にした短編集 ・旅刃刺の仁吉 ・抹香の竜涎香→朝鮮人参 ・喘息の与一×耳が聞こえない喜平次 ・船虫の晋吉×血を好まざるを得ない菊太夫 ・吉蔵、才蔵、太蔵 ・大背美流れ、M11.12.24
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