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ケッセルはスラブ種の血をうけ南米に生れた現フランス文壇の第一人者。「昼顔」は作者三十一歳の作で、両次大戦の中間期、最も幸福な時代といわれた頃のパリを背景とし、仮借ない筆致で、貞淑な女性の娼婦性がもたらすことになった霊肉の惨劇を描破した力作であるが、淫猥、春本に類するとの批評に、作者は「健康体を究めるためには、病体を理解しなければならぬ」と答えている。
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Posted by ブクログ
めっちゃ面白かった。 鳥肌たつ結末だった。 でもやっぱりはじめに書かれていた「肉体と精神の乖離」ってことがテーマなんだってことが念頭にありながら読んでてた セブリーヌが心からピエールのことを愛してるっていうのは母親的な愛なんじゃないかな。だから心から快感を得られないんだろうね。 性的描写は少なかった...続きを読むからこれはらぶメインにした話なんだとおもった
このページに「カトリーヌ・ドヌーブ」と書いたところで、俄然この本を読みたくなって。手元には昭和54年の新潮文庫版、堀口大學訳、です(カヴァーが映画のカトリーヌ・ドヌーブ)。頁全体が黄ばんでしまったこの本ですが、いくつもの文章を記憶していることにわれながら驚いています。だから、私には他の訳は必要ないか...続きを読むな、とも。これは……、じゅうぶんに官能的「でも」ある、と言っていいんじゃないかなぁ。下手なリライトは細部からこそ匂い立つ情趣を排することになるはずですし、ご存じの方には説明不要でしょう。ところで、この時代の新潮文庫は文字が小さい。そのぶん同じ厚さの中にたっぷり詰め込まれているということだからありがたい、とも言えるのだけど。紙はだんだん黄ばんでくるし、私は順調に年を取るし…、かなりつらい。
吐き出される性愛の情熱を、性の感動と渇望を、上品に穏やかに紡ぐ日本語の美しさにむせ返る。 じっとりと作品全体を包み込む古めかしい言い回しは、睦み合いの中でいかにもセクシャルな魅力をきらめかせていて、読んでいるとどひゃーとなってしまう。文字とはこんなにも卑猥を孕んでいたのか。すごい。一体どうやってこの...続きを読む猥褻を隠し持ってたのか。 一言で説明がつきそうな性の状況を何ページにも渡ってうねうね説明してくれるのがしつこくて最高。 作品自体ほぼ性の話しかしていないのでその濃さの割に数時間で読み終えられる手軽さもよい。そして、ただ只管ずっと性の話をしているにもかかわらず、読んでいて何故か全く「こいつらずっとセックスしてんな」って呆れた気持ちにならない丁寧さと細やかさがたまらない。 スキャンダラスな告白を聞いているような気持ちでじりじりと話に聞き入ってしまうのだけれど、最後のページを読み終えた時の安堵と喪失と静かな絶望でアタマが真っ白になってしまった。どひゃあ、なんだそりゃ!若い女の考えることはとんでもないなあ!
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