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その農場に旅の男が迷い込んだのは偶然だった。獣を取る罠が足に食い込んで重症を負う中、優しい謎めいた未亡人が彼を看護する。だが、農場には小悪魔的な誘いをかけるその妹、そして常に銃を持ち歩く凶暴な姉妹の父親がいた。一家には何か秘密があるらしく、世間からは後ろ指をさされており……超絶不穏なサスペンス。
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Posted by ブクログ
不穏な小説が好きだ 安部公房の砂の女のように そういう世界観が好きだ こういう小説を知っている方がいれば是非教えてほしい
話に引き込まれてあっという間に読み終わってしまった。 町の人たちから疎まれている農場の人々。狭い土地柄、過去の事件の尾を引いているのが旅行者にも感じられるほど。 何か普通でない農場の一家の謎は? ヒッチハイクでイギリスからフランスに逃げてきた旅行者本人にも別に隠し事が・・
イギリス人著者によるフランスの農場を舞台にしたミステリ。しかも、主人公は、ロンドンからやってきたいわくありげな青年。シートベルトは血だらけで、トランクには死体という、極めて不穏な状況での登場。物語の出だしとしては極度に不安で緊張を強いられるが、その緊張は留まることを知らない。 獣用のトラップに...続きを読む脚を噛まれ重傷を負ってしまった主人公は、得体の知れない農場に運び込まれ、敵意むき出しの農場主と、彼を介護する二人の娘たちと出会い、逃避行の唐突な展開を、利用すべきと思いつつもその農場の不可解な緊張状態に疑惑を抱き始める。 フランスの実存主義作家の第一人者ジャン・ポール・サルトルの状況劇『出口なし』ではあるまいが、本書はタイトルをそのままにしたような『出口のない農場』に射すくめられるように居住を強いられた青年の物語。しかも彼はロンドンからドーバー海峡をフェリーで渡り、死体をトランクに乗せ、シートベルトや手を血まみれにして逃げてきた人間であり、農場の中にいることが捕まらないただ一つの方法となっている。 ある意味救いであるはずの農場が、実は彼を絡めとり負の方向へ導く何かを秘めている。そんなサスペンスと緊張で満ち溢れた状況を、作者は実に文芸的なレトリックで描き出す。 まるで夢溢れる新人作家みたいな力の入った文体だが、実はこの作家、既に<法人類学者デイヴィッド・ハンター>シリーズというまるで傾向の違う作品で人気を集めているベテラン作家であるらしい。シリーズ作品よりもだいぶ時間をかけて書かれたいわゆる丁寧な作品、精魂込められた何ものかであることは読めば明らで、それゆえに邦訳が実現したというある意味特殊な運命を背負った作品である。そしてそのことは読んでみれば明らかである。本命であるシリーズ作品を差し置いて書かれ、日本の読者にも読まれる機会を得た作品である。 貴重な奇跡により己が手に開かれるページを、大切に読む時間は、手に汗握る大変密度の濃いものであると思われる。
ルース・レンデルを皮切りに英国ミステリづいている。これはタイトルから脱出サスペンスものかと思ったら、まったく違っていた。謎めいた雰囲気たっぷりのページターナーで、ヨーロッパでベストセラーだというのに納得。 正体不明の逃亡中の男が、森で罠に捕らわれて怪我をする。目が覚めると農場の納屋に運び込まれてい...続きを読むて、娘が介抱してくれていたのだが、この農場の様子はどうもおかしい…。 この男がなぜ逃げているのか、また、農場が隠している秘密がなんなのか、並行して語られていく。先へ先へと引き込まれていく書き方で、どっぷり読みふけってしまった。不穏でダークな味わいではあるけれど、英国ミステリらしく、あくまで上品。最後にちょっとした救いがあるのも良かった。
最後まで私は楽しく読めたけど、農園の闇が明らかになるまでが長すぎる気がした。だから、100ページぐらい削っても問題ないと思う(笑)
星3.5 閉塞感漂うミステリー。舞台設定のみならず、登場人物すべてに暗い影が付き纏っているので重苦しいことこの上ないが、いい意味で雰囲気が出ている(フランスドラマの『不感地帯』的)。 主人公は監禁されている訳ではないのに何故か本気で逃げ出そうとしない。その背景は途中途中に挟まれる『ロンドン』エピ...続きを読むソードで小出しにされ、メインストーリーでは事件どころか淡々と日常が過ぎて行くだけだ。過去のエピソードは、あくまで主人公を逃げられない状況に置く為であり、あの農場で、あの家族を側から観察する役目を主人公に課している。傍観者以外の役目を持たない主人公は、農場の秘密を暴くでもなく、真実が明らかになってもなお、何をする訳でもない。それゆえに、面白いかどうかの評価が分かれそうな作品だと思う。 個人的には中々面白かったけれど、早く法人類学者シリーズの続きを翻訳して欲しい。
先が気になってしまい、ゆっくり読むつもりが 一晩で一気読み。 この真っ赤な表紙と、 でかでかと書かれたタイトルが チェーンソーでも持って殺戮を繰り返す犯人が居る 悲劇の農場から逃げられないー! って感じがしますが、全くそういう話じゃないな…。 たぶん(笑) 風景描写が秀逸。 白い埃だらけの真夏の砂...続きを読む利道、 静かな月夜の湖と水の冷たさ、 瑞々しい森の中の物言わぬ彫像の数々。 静謐の廃屋のような家庭内で繰り広げられる 秘密の家族劇、と言った処。 主人公ショーンが何故フランスの農場に辿りついたか、 経過と共に進められていく。 しつこすぎない、 丁度良い丁寧な描写が最後まで印象的でした。 ルルかわいい。
マティルド、グレートヒェン、クロエ、どれも世界文学のヒロインの名前だ。そして主人公に与えられた唯一の本が『ボヴァリー夫人』。これに裏の意味を読み取るべきか。
主人公ショーンの過去についての謎と囚われた農場の家族の中にある秘密。 過去に起こったと思われる殺人は本当にあったのか、登場人物はそれぞれ白か黒か。 最後の急展開までわからなかったです。 脇役にすぎない使用人ジョルジュですら不気味な感じだし、飼われてる雄豚も凶暴で登場人物以上に怖いです。
法人類学者デイヴィッド・ハンターと同じ作者だったので。 秘密を抱えて逃げてきた男と、 秘密を抱えて逃げることのできない女。 読んだことはないはずなのに、 映画化もされていないのに、 こんな映画を見たことがあるような気がした。 いや、映画ではなく、アメリカのドラマ、 異常心理の犯罪を追うFBI行動...続きを読む分析班「クリミナル・マインド」で 似たような話を見たのかもしれない。 パリで英語教師をしていたイギリス陣の男性は、田舎に逃げてきて足に怪我をしたため、 とある農場に留まることになってしまった。 助けてくれた女性は、息子、父、妹とともに暮らしているが、 町の人々とは付き合いをしていないらしい。 女性の夫がいないが、どこへ行ってしまったのか。 法人類学者デイヴィッド・ハンターとは 同じ作者だとは思えないぐらい、 雰囲気のちがう、心理サスペンスといった作品。 自ら選んでは読まないタイプのミステリーだったが、 一応、面白かった。
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出口のない農場
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