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七月放送NHKスペシャル「生命大躍進」に著者登場! 絶滅し遺伝子が絶えた筈のネアンデルタール人。だが化石から復元したそのDNAは現生人類にも残っていた! 世紀の発見の内幕。
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Posted by ブクログ
ネアンデルタールが現世人類と交配した。少し前なら、ジュラシックパークなみの眉唾ものでした。 この本は、読みやすく分かりやすかったです。訳文もこなれて良いです。面白かったです。
分子遺伝学、古人類学。 2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したSvante Paaboの著作。 現生人類の遺伝子の中にはネアンデルタール人由来の領域が含まれていることを発見した。 極めて緻密な実験設計、衛生管理により実現。 バイセクシャルらしい。 なんとも興味深い本だった。
とてもおもしろく、一気に読んでしまった。そもそも読んだきっかけは、ResearchatというPodcastでおすすめ本として紹介されていたからだ。気軽に読み始めたのに本当に惹き込まれてしまい、ページを捲る手もわくわくも止まらなかった。「ネアンデルタール人は私達と交配した」ということは教科書やニュース...続きを読むで聞いており、更にアフリカを起源として人類がどう世界に発展してきたかも既に現在図説などでは当然の知識として載っている。その当然のものがどのようにして明らかになったのかと問われた時、「DNAを比べたから」という非常に簡潔な言葉一つで普通は終わり、そこにあまり感動もなければ驚きもない。しかし実際そこに行き着くまでのストーリー、人々の展開した論理、試行、努力、交渉…立ちはだかる「DNA」という物質の物性…それらが非常に事細かに語られたこの本は、「ネアンデルタール人は私達と交配した」という事実が明らかになったことがどれだけ奇跡的で、どれだけの知と血が注ぎ込まれた故の結果で、どれだけ衝撃的なものだったのか、というのを絶対に他では感じられないほどエキサイティングに教えてくれる。また研究という世界が如何なるものか-どれだけ競争的で、どれだけ不確かさの入り乱れたものなのか-というのも伝わってくる。「ネアンデルタール人は私達と交配した」ということで知識を終わらせなくて本当に良かった、とこの本を読んだ今心から思う。
まず、この本は非常に面白い。『イヴの7人の娘たち』や『アダムの呪い』のように、遺伝子解析によって人類の歴史をたどる話は、自分にとってはほぼ外れなく面白いのだけれど、この本は特に研究界の競争の実情がよく伝わる内容になっていて興味深い。 本書では、著者のスヴァンテ・ペーボが、古代生物のゲノム解析の研究...続きを読む者として成功し、マックスプランク進化人類学研究所を率い、その分野の第一人者となる物語が自身の手で描かれている。その過程では、古代生物解析におけるDNA汚染の回避に向けた地道な闘いや、他研究機関との協力や競争の内実、研究者としてのテーマ選択やキャリア形成、メディアとのやりとりなどが描かれていて実に面白い。熾烈で情け容赦がない先陣争いやそれにまつわるどろどろとした感情も伝わってくる。 著者の研究対象は、古代生物のDNAであり、タイトルにあるネアンデルタール人だけではないのだが、やはり著者を一躍有名にしたネアンデルタール人DNA解析の話のインパクトが大きい。さらに驚くべきことは、かつてアフリカから出たわれわれの遠い祖先は、約三万年前にすでに欧州にいたネアンデルタール人と出会い、そして交配したという事実の発見だ。その交配の痕跡がわれわれのDNAに刻まれているという。驚いたことに、アフリカを除く現生人類の遺伝子の約2%がネアンデルタール人由来のものであるという。この割合はヨーロッパ人でもアジア人でも大きくは変わらないことから、現生人類とネアンデールタール人がいつどのように出会ったのかまで推定できる。残されたDNAの分析からそこまでわかるのか、とまさに科学の力を見せつけた事例だと思う。今後、遺伝子学によって、人類についてますます多くのことがわかり、ますます多くのことができるようになるだろう。 科学研究の話だけでなく、著者がバイセクシャルであることや、研究者仲間の妻となっていた昔の同僚の女性を略奪する形で結婚したことまで赤裸々というよりも淡々とした調子で書かれている。こういった自伝的要素も含まれているのも単なる科学解説書にはないこの本の特徴である。 それはともかく、面白いので読んでもらいたい。
ノーベル賞も受賞されたスワンテぺーボ博士の自伝である。 古代DNAの解析に取り組み、進化のミステリーに挑み続けた歴史がわかる。 最新のDNAシーケンスの技術は常に取り入れているものの、科学的に難しいアプローチはほとんどなく、ただひたすらに内在性のピュアなDNAを抽出しシーケンスし、私たちの祖先とネア...続きを読むンデルタール人との関係を紐解く情熱には心打たれる。 真摯さ、謙虚さ、大胆さ、ユニークさ、超一流の科学者の心の動きや思考力などを垣間見える素晴らしい一冊だった。
なかなか専門的な内容が多く、難しいところもありましたが 面白いと思いました。科学者という人の思考パターンや 気質がよくわかった感じがします。 そういえば、日本の恐竜学において、恐竜のDNAを 抽出(有機物?)できるかもといった 記事を見たことを覚えているのですが(多分NHKかな) あれは、結局どう...続きを読むなったんだろうと思いました。
ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。 そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思います。 興味深かっ...続きを読むたのは、ペーポ博士が元々はエジプトのミイラの研究をしたいと思っていた点です。同じく研究していた医学とそれを組み合わせたことから、このDNAをめぐる大きな研究が始まったともいえます。 多分野に興味を持つと、往々にして「どれか一つにしておきなさい」と言われることがあります(本文中のペーボ博士もそうです)。けれど、この本を読んで好きなものはいくつあってもいいのかなと思いました。 好きなものはいくつあってもいい。 いつかそれらは複雑に絡み合って、あなたを見たことも想像したことさえもないところへ連れて行ってくれる。 研究についての内容もとても興味深かったですが、時々差し込まれるプライベートな出来事(恋人がヨーロッパに居るからヨーロッパの研究所のポストを探すとか、友達の研究者とうっかり三角関係?になるとか)も面白かった。立派な博士と自分たちの間に地続きの人間味を感じるエピソードでした。 この分野はこれからも物凄いスピードで発展していく分野だと思うので、今後の発見にも期待です。
DNA解析の歴史でもある。 むずかしいことははぶいてある。 一気によんだ。 日本の考古学が他の学問、大学同様、権威主義で、さらに捏造事件で地に落ちたことと対象的に、科学的に進められている。 科学、医学、工学を目指す中学生に読んで貰いたい。
生物をバックグラウンドに持っていないと難しいかもしれない。生物基礎レベルがあれば読めるが、実験レベルの知識はないと結構読むのむずいかも。 PCR黎明期なだけあってそっち方面の苦しみが多く描かれている。PCRは簡単じゃねえんだよワイドショー! そしてさり気なく作者に暗い影を落とす東西冷戦。スウェー...続きを読むデンは第三世界にあったおかげでなんとかなっているけど、これ作者が西側出身なら絶対できず諦めるしかなかった内容だよなあ。 ネアンデルタール人と現代人の差の研究は面白い。ミトコンドリアが母系遺伝である以上、ミトコンドリアイブのものを受け継いでいるはずだが、当時(20年前程度)の技術は現代と比べると未熟なのでなかなかPCRとかうまく行かない。本文数行で結果のみ書かれている実験にどれだけの苦労が詰まっていたかを想像してめまいがする。 ネアンデルタール人のゲノム計画、500万ドルを電話で相談したところ、2日で500万ユーロ揃えるマックス・プランク研究所かっこよすぎ。 一番面白い点が、科学者が七転八倒する様子が一応描かれている点だ。他の科学の本だと、「こう考えて仮設を立て、実験をこうして結果はこうだった」とかんたんに述べていることが多いと思うが、実際には基礎検討とか地味な部分がクッッソ辛い。そこを、実験にかけた時間の形で述べているのは非常に好感が持てた。 シーケンスサービスはイルミナじゃないのかって思ってたら、454社がロシュに買収されたからイルミナに変えてて「やはりか」と。 ネアンデルタール人と人間、類人猿と人間を分ける仕組み! なぜネアンデルタール人や類人猿には人間のような豊富なコミュニケーション能力や真似する力がないのか。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが別れてからのゲノムの変異で考える!面白そうだけども、類人猿と人間のゲノムがほぼ変わらん以上、多分エピゲノムレベルなんじゃないかなあ?
子供と一緒に読んだ。ちょうどTVにも出ていたりして興味を持ったようだ。本は非常に面白い話だったけど、自分のことそんなに書いてしまって良いのだろうかと思わないでもなかった。
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ネアンデルタール人は私たちと交配した
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野中香方子
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