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名物警視として活躍後、実業界に転じて通信事業の世界で風雲児となった著者が、その晩年、刀剣研究を志し著した幻の名著。名刀妖刀にまつわる怪談奇聞の数々を、物語的興趣を湛えて活写している。昭和10年初刊以来、史上初の再編復刊なる!
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Posted by ブクログ
戦国時代~江戸幕末の、刀剣が絡む怪を集めた読み物集。 刀剣はこれみな怪や悪を斬るものであり、刀それ自体が怪になるお話はありません。 とはいえ名刀の凄まじさはそれぞれのエピソードの中でよく伝わってきてかなり興奮しました。 中では長めの「藤馬物語」は、著者が実際に剣術を指南してもらった師匠のお話だそうで...続きを読む、これが一番体温が感じられる面白い作品でした。 解説に読める本堂平四郎自身の経歴も面白く、本堂サン絶対もっと面白い話知ってるでしょ!と歯噛みしてしまいました。 本堂その人のことも誰かまとめてくれないかな。絶対面白いはず!
古い文体なので歴史小説に馴染みのない私には読み進め辛いかなと感じたが慣れればスッと内容がはいってきた。物語だけでなく刀その物の姿形や刀工の解説もあり読みごたえがあった。
刀剣乱舞に関連して、日本刀の本が読みたいと思い購入。 やや、古文めいた文章だったものの、不思議とすんなりと読めた。 怪談、というよりかは、怪奇譚という感じ。怖い>不思議。 冗長で中だるみしていた話もあったが、おおむね、初めて読む話ばかりで面白かった。文庫本だったので、おでかけのお供にぜひ。
名刀と呼ばれる所以には、勇士の逸話と同等に魑魅魍魎が跋扈する世界があった! 日本刀についての知識が無くても怪傑勇士の武芸譚として楽しめ、もちろん名刀と呼ばれる諸々の見所・特徴を各章末にぎゅっと凝縮。今までありそうでなかった、かゆいところに手が届く一冊。
刀剣好きなら楽しい一冊。各刀ごとの逸話が短編として収められていて、それぞれの短編の末尾にはその刀についての著者の所見が記されている。知ってる刀派が出てくればテンションが上がるし、知らないものについても刃文や地鉄の特徴などが細かく記録されているのでとても参考になる。私はそんなに詳しくないので、地景とか...続きを読む砂流しとか分からない単語が結構多くて検索疲れしてしまったけど、、、予備知識があればもっと気軽に楽しめたろうと思う。 編者解説より、著者は泉鏡花や柳田國男と同年代だそうで、どうりで文章が古典的なわけだと合点したが、読みづらいというほどではない。むしろ雰囲気と合っていて良い味を出している。ほとんど昔話を読んでるつもりだったのが、いきなり話者本人から聞き出したものが現れて、それが山女との格闘まで含んでいたものだから驚いた。やはり少し前の日本には妖怪の類が本当に跋扈していたのかもしれない、司馬遼太郎と堀田善衛、宮崎駿との鼎談であったように、暗闇を照らし出す「電気」が広まってから姿を消してしまったのだなあ、と漠然と思いつつ、これらの"大層な"物語を背負う格があるからこその名刀なのだという認識も深まった。 それぞれユニークで面白かったけど、小夜左文字の復讐譚は知っていたにも関わらず改めて文章にされると胸にくるものがあったし、大利根の鬼女話は怖すぎた、DVどころじゃない。辻斬りも多いし物騒。共通しているのは、名工が鍛えた刀には霊威が宿り、物の怪は近寄ることすらできないということ。日本のモノづくり文化の根幹が伺えますね。 ■黄牛大奮戦/亀海部 ■片思いの梵鐘/卒都婆月山 ■虚空に嘲るもの/秋葉長光 ■潜み迫る女怪/金丸広正 ■呑んで呑まれて/倉敷国路 ■仁王尊のごとく/二タ声宝寿 ■夜泣石のほとりで/名物小夜左文字 ■白猿狩り/白猿 ■鬼女狂恋/大利根 ■怪猫邪恋/三毛青江 ■血を吸う山賊/松尾清光 ■螢と名刀/名物螢丸 ■怨む黒牛/台覧国俊 ■邪神の犠牲/石切真守 ■群狼襲来/弦月信国 ■妖異大老婆/嫗切国次 ■報恩奇談/二ツ岩貞宗 ■死霊の応援団/籠釣瓶兼元 ■七股妖美人/七股政常 ■俳友巣仙/巣仙国広 ■富田城怪異の間/初桜光忠 ■蛇性の裔/皹三条 ■怪奇の按摩/米屋氏房 ■辻斬りと怪青年/久保坂祐定 ■逆襲の大河童/有馬包国 ■藤馬物語/各務綱広 ■大蛇両断/吾ケ妻貞宗 ■首が飛んでも/猪ケ窟之定
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