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インド洋に浮かぶ絶海の孤島で、美しい自然と慈母たちに囲まれ心優しく育った幼なじみのポールとヴィルジニー。思春期を迎え、互いに愛の感情が芽生えた矢先、二人は無情にも引き離され……。19世紀フランスで一世を風靡し、かのナポレオンも愛読した幼なじみの悲恋の物語。
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Posted by ブクログ
素晴らしい作品。 純愛物語であり、ただの純愛物語ではない。 ある意味シンプルな王道悲恋であるが、 自然の中に生きることこそに幸福の道はあるというメッセージなどの哲学的・人生訓的な深みが一段奥に見える作品。 18世紀から版を重ね続けているのは、何故なのか。 これほどまでに美しい恋愛や自然描写。 ...続きを読むハッとするほどに。 自分以外の何者かに支配されたあくせくする日々をたた漫然と過ごすようになっている者に、 この本は生きる意味を問いてくる。 それでも、まず前面に出てくるのは、 絶望的に美しい愛の物語。 良書。
詩的な文章で、読んでいて楽しい。がしかし時折少々大袈裟…?と思うくらいロマンチックな言葉や言い回しが並ぶ。 自然に囲まれ、閉鎖的にではあるが幸福に暮らしていたポールトヴィルジニー。しかし権力や社会に巻き込まれることでその幸福は崩れていく…。 単純だけれど、自然への賛美と社会生活への批判が込められてい...続きを読むる。
所謂運命悲劇の物語。神様によって助けられ、豪華絢爛な生活をせず、質素倹約にそれでも幸せな毎日を暮らすポールとヴィルジニーとその母。 そしてきっかけとなる出来事が起き一気に転落。 物語としてよりも文学的価値の高い作品。一読の価値あり。
恋愛小説の古典のひとつで、清らかで純粋な二人の男女の恋愛悲劇を描いた作品です。 二人のもつ心の清らかさを示すように、細かく描き込まれた風景描写は圧巻ですし、いかなる時にも「神」の存在を信じて自らを律し、他者を恨んだり自暴自棄になったりすることなく常に思いやりを持って行動するヒロイン、ヴィルジニーの姿...続きを読むの美しさは神々しさすら感じさせます。 互いに想い合いながらも引き裂かれてしまう二人、という構成は、今では定番ですが、1788年に書かれたこの作品はその端緒と言えるのかもしれません。 ストーリー展開は「王道」の筋道をたどりますから安心して読むことが出来ますし、ヴィルジニーがフランスに旅立った後に残されたポールが不安定になる様子(ときには神を疑ったり、自棄になったりする)ところは真に迫っていると思います。 一方で、キリスト教の死生観や宗教観が強く反映されているところも少なくありませんから、少し説教臭く感じた部分もあり、「神」や「徳」の美しさや正しさを繰り返し主張されることに少し抵抗感があった、というのも正直なところです。
美しい大自然のなかで育まれる無垢で純粋な愛情。 二人を引き裂く文明社会。 繊細で緻密な植物の描写は、まるで島の木々に囲まれながら太陽の光を頬に受けているかのような気分にさえなる。 社会状態は堕落、自然状態こそ自由と平和だと説いたルソーの思想の影響が強く表れ、また神こそが摂理という啓蒙的な宗教観も表...続きを読むれ、その考え方は現代的になかなか受け入れ難いところもあるが、そういう時代の話だからと読み進めるものである。
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