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Posted by ブクログ 2020年01月02日
司馬遼太郎による鹿児島の陶工、沈寿官についてのエッセイ的な小説。
沈寿官と言えば、鹿児島では有名な陶工として知られています。彼の祖先は、秀吉の朝鮮出兵時に朝鮮から連れてこられた(つまり日本に拉致された)陶工でした。彼等は鹿児島に焼き物の文化を伝え、薩摩焼などの工業製品製造に貢献しました。
当時の日本...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月12日
司馬さんの小説なんですが、半分は現代のお話。
そして、日本と朝鮮、戦争や民族意識という、デリケートなところに司馬さんの掌がそっと迫る一篇です。
短編集。と、言っても、3編しか入っていません。中編集とでも言いますか。
どれも相変わらず俯瞰的で皮肉めいて同時に人間臭くて、司馬遼節とでも言いますか。僕は...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月22日
司馬遼太郎さんの言葉は古びることなく生き生きと今ここで語りかけているように届く。
1976年に刊行された文庫の新装版。
16世紀末の朝鮮の役で日本に連れてこられた陶工たち、そのまま鹿児島で生き続ける子孫たちとの出会いと交流。
幕末の世情に翻弄され奥州遠征した一人の長州藩の男の最期。
細川ガラシャの生...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月28日
主人公である十四代沈寿官氏は、秀吉の朝鮮出兵で全羅道南原に攻め込んだ島津兵が撤退する際に、一緒に薩摩まで連れてこられた一族の末裔。
島津家は移民たちが定住した苗代川を藩立工場にし、薩摩焼の希少性を保つために、白薩摩を島津家御用以外では焼くことを禁じ、黒薩摩も御前黒は一般に流通することを禁じた。御前黒...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月05日
『故郷忘じがたく候』
私が焼物が好きだからと母がこの本を勧めてくれた。薩摩焼が薩摩藩によって拉致された朝鮮人によるものとは知らなかった。パリ万博に幕府とは別に出展した薩摩ブースに展示されたあれもそうだったとは。自分には知らぬ事ばかり、と思う事しきり。本を読むとは、果てしなく面白い。
『胡桃に酒』
細...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年06月05日
故郷忘じがたく候
これは思わぬ程の深い話。秀吉時代に朝鮮を攻めた朝鮮ノ陣からの縁から拉致された韓国民が島津義弘に徴用され、薩摩焼の源流となり、もたらされた利益が倒幕の資金の一部のなったとのこと。子孫である十三代沈翁が韓国での演説で日韓関係を憂いての公演で拍手ではなく青年歌の合唱で応えてくれたことが胸...続きを読む
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