カメラ・オブスクーラ

カメラ・オブスクーラ

935円 (税込)

4pt

裕福で育ちの良い美術評論家クレッチマーは、たまたま出会った美少女マグダに夢中になるのだが、そこにマグダの昔の愛人が偶然姿をあらわす。ひそかに縒りを戻したマグダに裏切られているとは知らず、クレッチマーは妻と別居し愛娘をも失い、奈落の底に落ちていく……。あの『ロリータ』の原型であるナボコフ初期の傑作。英語版と大きく異なるロシア語原典の独特の雰囲気を活かし、細部の緻密な面白さを際立たせた野心的な新訳。

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カメラ・オブスクーラ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2017年05月12日

    初めて手にしたナボコフであり噂通り強烈な印象を残した「ロリータ」と、この「カメラオブスクーラ」で作者の著書は2作目です。
    あとがきにもありましたが、読みはじめ辺りから感じるこの気持ちの悪さは読んだ覚えがあるなぁなんて思っていましたが、「ロリータ」と流れが似ている。
    私はなぜ、大人の男性の狂おしいまで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年01月26日

    一言でいうと、中年の妻子持ちの男が、16歳の少女にのめりこみ破滅していくさまを描いた話だが、裏テーマは、性的魅力のない妻を持った妄想男の行く末、と読んだ。
    (とはいえ、ロリータよりだいぶ以前のこの段階では作者が未成熟の女性に興奮する性向を隠したいがために性的魅力のない妻を利用した、とも読めるが、自分...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年05月22日

    ノワールだw クレッチマーの堕ちざまもさることながら、マグダやホーン、ゼーゲルクランツら脇を固めるキャラが、クレッチマーの歪んだ世界に見えない照明で残酷に浮かびあがらせる様もどす黒いw

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    Posted by ブクログ 2013年12月21日

    えらいもん読んでしまった。活字を介していろんな感覚を乗っ取られてるような錯覚。なんだかクラクラしてきた。話しは分かりやすくスリリングな展開にグイグイ引き込まれる。

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    Posted by ブクログ 2012年12月29日

    「ロリータ」とストーリー的に重なるところは大きいが、「ロリータ」ほど複雑でないぶんだけ、よく言えば気軽に、別の言い方をすれば〈読む〉という行為に無自覚に読める作品であった。

    後半、盲目になったクレッチマーをマグダとホーンがあれこれ騙すが、騙される側の無力は解説にもあるように、読者と同じといえる。
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    Posted by ブクログ 2011年09月25日

    初ナボコフ。「アンナ・カレーニナ」を現代風にして「居酒屋」「ナナ」「椿姫」「マノン・レスコー」が混じり合ったイメージ。小説というよりは映画を観ている感じだけどそれは意図したものらしい。プロットは「マノン・レスコー」だけどアイロニーで味付けしてある。題名はラテン語で「暗室」という意味で解説によると「見...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年03月01日

    ナボコフがまだ渡米する前、ドイツに住んでいた頃にロシア語で書いた小説。中年男性が少女に恋した挙句に破滅する物語という意味では『ロリータ』の嚆矢と見ることもできるが、マグダの悪女っぷりはロリータの比ではない。一方、再読、再々読を要する数々の仕掛は『ロリータ』ほど複雑ではないので読み易く、かつ細部の呼応...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年05月26日

    地位も名誉もあり、裕福で私生活にも恵まれた男の心に、ふと魔が差して、
    どんどん悪い方へ、抜き差しならない状況へと転がってゆくストーリー。
    途中、タイトルの「意味」がわかった瞬間、慄然としたが、
    彼がいい年をして無茶を仕出かすにしては、
    育ちのよさのせいか、悪いヤツになりきれず、
    むしろ小悪魔と小悪党...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年09月24日

    ナボコフさんなのに読みやすいってちょっとびっくりした。初期だかららしかった。ストーリーがさくさく進んでくれるからですね。そう考えるとナボコフお得意のよくわかんない修辞とかもうちょっとあってもよいのかも(偉そう)解説にもあったけど視覚っていう主題を表現するにはイメージをもっと膨らませてあってもいいのか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年03月30日

    1933年、ナボコフ初期の小説で、『ロリータ』の原型をなすような、オヤジの、少女への愛と裏切られる受難をえがいている。
    後年のナボコフは文章自体がすさまじく濃密なディテールに溢れ、読みにくいのだけど、この初期作品はずっと読みやすい。ストーリーも明快で、普通に面白い。
    ロリータは12歳だがこの作品の少...続きを読む

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