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慶長五年(1600)。最凶の鬼と化した織田信長は、四人の武将(豊臣秀吉、前田利家、丹羽長秀、蒲生氏郷)を、鬼として現世に甦らせた。 「鬼切丸の少年&鈴鹿御前」と、「四人の鬼武将」との戦いが京の都で幕を開ける──。
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Posted by ブクログ
実にグロ好い 控え目過ぎず、かと言って、残忍すぎもせず、ちょうど、いい塩梅で人が殺され、食い散らかされていく まぁ、私の場合、西川秀明先生の『職業・殺し屋』や、三家本礼先生の『アイアン・ゴーストの少女』で耐性が、ある程度、備わっているのもあるからな、一般的な感性の持ち主からすれば、吐くレベルなのかも...続きを読む しかし、漫画読みとして、面白いものは面白い、と認めるのが筋であり、周りに勧めるのが、作者への感謝の示し方 私の拙いレビューで、何人の漫画読みを、この『鬼切丸伝』から漂う血の匂いに酔わせ、死の味で舌を痺れさせることができるか、そこは不安だが、ヤるだけヤってみよう 四よりは、悪いイメージが低いにしろ、六も結構、不吉な印象を纏っている数字 その辺りが関係しているかは微妙にしろ、第六天魔王と称された織田信長に、肉の芽を埋め込まれた、歴史にその名を残す名武将らが鬼と果て、暴れ、その鬼へ鬼切丸と鈴鹿御前が挑んでいるのが、この(6) やはり、人の頃から強い者は、鬼になっても強い。その強さってのは腕っ節も関係しているが、むしろ、心のエネルギー、端的に言うなら、欲と業が深い者ほど、鬼になってからの厄介さが際立つようだ 鬼切丸と鈴鹿御前が苦戦し、辛勝するくらい、と言えば、鬼として復活した長秀、秀吉、利家、そして、氏郷の怖さを想像してもらえるだろう しかし、本当に恐ろしいのは、そんな鬼すら討つ鬼切丸 人にもなれず、鬼にもなれず、その間で苦しみを抱えて戦い、人に触れ、人と話し、また、時に鬼と落ちながらも己を失わぬ人の強さに驚かされる事で、鬼切丸の強さは昇華されていき、鬼性と人性のどちらも持つからこその領域に辿り着きつつある 人を蹂躙し、殺戮し、骨も肉も喰らう鬼に怒る事が出来る、それは鬼切丸の心に光があるからだ。彼の場合、「光を抱いて闇になる」って感じか そんな鬼切丸の魅力に劣らないのが、やはり、鬼となった人だろう 大抵は、殺傷衝動だけに支配され、欲の権化となるんだが、中には、鬼と成りながらも、最期は人の自分として死んでいく事を望む者もいる この(6)で、特に印象的だった鬼は、やはり、利家だ 武将として戦場で活きていた頃には、義と忠を心に通して、他者の命をその信念と共に奪っていた だが、鬼となってからは、戦えぬ力もない民を歯牙にかけてしまった そんな弱い己を恥じ、鈴鹿御前に刀を借り、切腹する。これは、男らしい、と評してもいいんじゃないだろうか 鬼切丸と鈴鹿御前の奮戦により、四鬼将は退治された。しかし、信長は、まだ完全に滅していなかった 鬼切丸と信長の因縁は、まだまだ、断ち切れそうもないな この台詞を引用に選んだのは、利家に劣らぬほど、吉継は中身のある男だ、と感じたので 男には、負け戦と承知していても、友に受けた恩を報いるべく、命を懸けねば廃る時がある 友の為に目を潰すほどの覚悟を持っている吉継だからこそ、鬼切丸も、彼が落ちた時は冷徹に斬り捨てながらも、彼が裏切り者の秀秋を呪殺するのを止めなかったのかもしれないな
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