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なぜ双子は同じ遺伝子を持っているのに、あんなにも違うのか?その謎を解くカギは、遺伝子にある「スイッチ」にあった!20年、5000組の双子を研究してきた第一人者が、メンデル以来の大発見「エピジェネティクス」の驚くべき実態と、「遺伝子スイッチ」を押してより充実した人生を送る方法を解き明かす。
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Posted by ブクログ
興味深いテーマで情報量が多く、面白い。何組もの実際の双子の事例から、遺伝子に関係するものとそうではなさそうなもの、病気や遺伝子、能力や性格、性的指向などを解き明かす。 豊富な情報量。以下、その一例と感想を。 1972年は平均的に、広告を目にする数は年間200件。2012年には3000件以上になっ...続きを読むた。広告は物質主義による幸せを提唱する。一般的には、健康、家族、友人、旅行、富が幸福感のヒントだというアンケート結果があるが、幸福感は、文化的モデルによる。期待度が低いほど、幸福だと。ならば、幸せをモデル提唱する広告を目にする程、人は不幸なのでは。インターネットが普及し、どこもかしこも広告だらけ。でも、そのせいで広告の意味は薄れたと思う。対して、SNSによって他人の幸福モデルに触れる機会が増え、結果、現代人は相対的不幸に見舞われる。 長寿との相関が最もはっきりしているのは、誠実さ。楽観的な人は早逝する。悲観主義者は風向きが悪いと不平を言い、楽観主義者は風向きが変わるのを待つ。現実主義者は帆の向きを調整する。アイルランドは鬱病と自殺が世界一だが、環境か遺伝かは不明。鬱や自殺の遺伝率は40から50%、幸せになる確率は周りの人間が幸せな人が多い方が上がるという。自己評価による社会的地位が低ければ低いほどストレスを感じる期間が長くなる。意志の力と満足を遅らせる能力は、遺伝の影響も受けるが、訓練によって伸ばすことも可能。 プラスチックや高齢出産がエピジェネティックに子孫に継承されるリスクがある。獲得形質は遺伝しないだろうと思いながら、確かに、胎児や子供に影響する病気というのは存在するから、エピジェネティクスというのは有るのだろう。ならば、若くして作る子供と、高齢で作る子供は、継承される能力だけを見れば、どちらが良いのか。ゲームなら、鍛えてからの方が優秀な子供になりそうだが。
うつ、自閉症、ガン、肥満、同性愛、浮気性…どこまで遺伝する?読みやすかった。一卵性双生児の遺伝情報が同一ではないことが明らかになってきたそうなので、違う本も読みたい。
エピジェネティクスと遺伝子についての、一卵性双生児を対象とした研究の成果を解説した本。著者はイギリスで大規模な双子研究プロジェクトを長年率いていた遺伝学者である。 一卵性双生児はDNA配列が同じ2人の人間なので、昔から“遺伝子と環境”のヒトに与える影響の割合なんかを調べるのに利用されてきたが、最近...続きを読むの分子生物学の発展で、エピジェネティックな観点からも調べられるようになった。この本ではそういった新しい研究の成果を一般読者にもわかりやすく紹介している。文体もイギリス人らしく皮肉っぽいユーモアのある感じでくだけていて読みやすい。 扱うテーマごとにに章が分けられていて、「幸福遺伝子」「才能遺伝子」「悪の遺伝子」「自閉症遺伝子」「同性愛遺伝子」など、けっこう過激である。 一卵性双生児でも両方がオリンピックメダリストになったり、犯罪者になったり、同性愛者になったりするのは稀なので、そういった事実から考えると、「個人の才能・能力や犯罪傾向や同性愛に関して遺伝的要因は少ない」というのが一般的な認識だと思う。 どちらかというと育った家庭環境とか経験によって形成される性格とか、偶発的な体験とか、いわゆる後天的な要因が大きいと、漠然とそう考えている人が多いと思う。私はそう思っていた。 この本の著者は逆で、遺伝子研究の権威として、「すべては遺伝で決まる」と考えていたそうだ。 遺伝子とエピジェネティクスに関する双子研究の結果によると、個人の才能や犯罪傾向や同性愛傾向等に関して「環境」の影響はほとんどない。「遺伝子」は影響しているが、遺伝子そのものよりもそのエピジェネティックな効果による影響が大きい。エピジェネティクスが一卵性双生児の様々な違いを生む要因であるという。 著者によると、親が子供にどのようなしつけや教育環境を与えるかは、子供の才能になんの影響も与えないそうだ! 一人の親としてショックである。 肝心の、エピジェネティクスがヒトの才能その他にどのように影響を及ぼすのか、という部分は色々あるようだが、一番は胎児期に取りこむ栄養素とか、ホルモンとか、環境ホルモンとかが関係するようだ。 ただ、胎児期の環境は一卵性双生児はほぼ一緒のはずなので、なぜそれで違いが生じるのかはよくわからなかった。
エピジェネティクスの本。専門的な用語も数多く使われているため、知識のない方には少し難しいかもしれません。遺伝子に対する新しい見解であり、今後の研究に大きく影響を与えるものです。大変興味深く、面白い一冊です。
同じ遺伝子なのに、全く異なる個性を持つのはなぜか。それを双子を研究することで明らかにしようとした本。 生まれか育ちかの問題。遺伝学と疫学。 ミネソタ双子研究。 病気に食生活が与える割合は5%。 戦後のロシアの崩壊は、生物学と遺伝学の研究が進まなかったため。 幸せを得ようと奮闘しないほど、物が少ない...続きを読むほど、幸せ。 幸せな人達といると、幸せになる確率がたかくなる。 宗教を持つ人は投票率が高い。 デンマーク人は幸福度が高いが、様々なものへの期待度が低い為。 ケニア人がマラソン強いのは、毎日通学で走ってたから。遺伝子ではなく、練習。 アスリートの遺伝子は、スイッチがオフになりにくくなっており、これは遺伝子がメチル化しにくいよう変異した為。 ユダヤ教で豚肉、貝類、甲殻類を食べることを禁じているのは、食中毒防止につながっている。 いじめられる、いじめられないに強い遺伝的要因があり、60〜70%になる。 子供を痩せさせたいなら、妊娠初期に脂肪とタンパク質を摂取しすぎないようにする。 人差し指が薬指より長いと女。 人は何かに集中している時に最も幸福度が高くなる。
全体としては,双子研究の知見から遺伝だけでない環境要因としてエピジェネティクスに注目していることを示している。「〜遺伝子」と言う章は,「導入→1組の双子の事例集→〜に関連しそうな生理現象→それはエピジェネティクスが原因かも?」という構成からなる。肝心のエピジェネティクスに関する内容が薄いのが残念。単...続きを読むに「双子なのにこんなに違う」という事例を知りたい方は読むのもあり。
2015/09/17 一卵性双生児の指紋はよく似ているが、完全に同じではない 体液は全く同じ
人の能力や性格、病気については、遺伝子によるものなのか後天的な(エピジェネティクス的な)ものなのかを、遺伝的にほぼ同じである双子の例を挙げて解説した書。 まず、現在分かっているエピジェネティクスは2種類。メチル化と、ヒストン修飾。 で、同性愛、暴力、能力、精神疾患、肥満、幸福、などの観点から言及...続きを読む。 また、化学物質や、特定の経験(飢餓など)が、子・孫までに及び遺伝子をメチル化もしくは脱メチル化する事や、周産期の状況がエピジェネティクスを引き起こす。 これから子供を持ちたいと思う人には、自分やパートナーの親の遺伝子だけでなく経験も既に子供の元となる生殖細胞に刻み込まれているという実感ができて、なかなか読み応えがある。
さくさく読めた本。 遺伝子ですべては語れないと双子の例を挙げ示している。エピジェネティクスの詳しい原理などは書かれていないのでさくさく読めたのかもしれない。私にとって新しく知ったこと、確証をえたこと、いろいろ突っ込みたくなるような事例を、引用にて記録する。
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