輸入学問の功罪 ――この翻訳わかりますか?

輸入学問の功罪 ――この翻訳わかりますか?

715円 (税込)

3pt

4.3

難解な思想・哲学書の翻訳に手を出して、とても理解できないと感じ、己の無知を恥じ入る。読者をそのように仕向ける背後には、日本の近代化における深刻な問題が控えているのである。カント、ヘーゲル、マルクスの翻訳の系譜とそこに反映された制度的拘束をあぶり出し、日本の学問と翻訳の可能性を問う。

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輸入学問の功罪 ――この翻訳わかりますか? のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    理系の人間にとって,文系の翻訳本は難解というか日本語がデタラメである。なぜそうなってしまったのかが,分かる。

    輸入学問で食っている人は多いからな。

    0
    2011年01月21日

    Posted by ブクログ

    第6章 翻訳とはなにか から引用

    ある一つの文章を訳すときに、翻訳の正解は一種類ではない。五人の訳者がいれば、五通りの正しい翻訳ができあがる可能性がある。

    つまり正しい翻訳とは、非常に多くの可能性の束として存在しているということだ。

    <略>

    正しい翻訳もまた多数の潜在的訳文の束として存在して

    0
    2010年02月28日

    Posted by ブクログ

    どの大学からも、哲学領域が縮小していると聞く。哲学と縁がない人はいないのに、哲学と疎遠になってしまうのは、アカデミズムと一般庶民の間の断絶にあると著者は主張する。ドイツと日本の近代化の比較も大変興味深い。カラマーゾフの兄弟の新訳が話題になっているように、主な哲学書の読みやすい翻訳書は出版されないのか

    0
    2011年09月09日

    Posted by ブクログ

    翻訳の引用をとばしたのですぐ読み終わった。翻訳論というより教養論とか日本文化論に近く、もっと早く読むべきだったがタイトルとちょっとイメージが違った。著者の立場、主張も基本的にはおおよそ共感できた。2冊にするという話もあったようだが、もっと紙幅があったほうがよかったのではないかなという気はした。

    0
    2019年05月21日

    Posted by ブクログ

    本書は、思想系の翻訳の読みにくさの原因を追究する本だが、そのバックボーンである、明治期の話が面白い。明治政府の改革を支えたのは幕府時代に幕府に支援されて勉強していた人たちであるとか、明治政府は個人主義、民権主義を弾圧した上に成り立っているとか、倒幕に功あった士族を迅速に廃絶したことが統治に成功した秘

    0
    2018年11月12日

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    難解な思想・哲学書の翻訳に手を出して、とても理解できないと感じ、己の無知を恥じ入る。
    そんな経験はないだろうか。
    読者をそのように仕向ける力の背後には、じつは日本の近代化における深刻な問題が控えているのである。
    カント、ヘーゲル、マルクスの翻訳の系譜とそこに反映された制度的拘束をあぶり

    0
    2014年10月27日

    Posted by ブクログ

    思想・哲学書は我々にとって、なぜ読みにくいのか。
    本書を読むと、その謎がかなりの程度わかるような気がします。

    翻訳というのは、その原語の文法や言葉遣いに忠実であるべきか。
    それとも、原語の語順や言葉遣いよりも意味に忠実になるべきか。
    いわゆる「読みにくい」翻訳書というのは、まさに前者だった。

    0
    2010年02月17日

    Posted by ブクログ

    マルクスの『資本論』やカントの『純粋理性批判』、ヘーゲルの『精神現象学』といった著作の翻訳にひそむ問題を検討しつつ、明治以降西洋の学問を受け入れてきた日本の近代化のありかたを、翻訳文化という独特の視点から見ようとしています。

    こうした本書のもくろみそのものは非常に興味深いと感じたのですが、学問の現

    0
    2019年06月04日

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