弱者はもう救われないのか

弱者はもう救われないのか

815円 (税込)

4pt

3.4

大企業優遇の経済政策、生活保護費など社会保障費の削減、社会全体に浸透する「人の価値は稼ぎで決まる」という価値観……国による「弱者切り捨て」が進み、人々もそれを受け入れつつある日本社会。この流れは、日本だけでなく、グローバリズムに席巻された世界全体の潮流でもある。私たちは人類が苦闘の末に獲得した「自由と公正を柱とする福祉国家」のモデルを、このまま手放してしまうのか? 古今の思想・宗教に弱者救済の根拠を探り、市場経済と多数決を乗り越える新しい倫理を模索する、渾身の論考。

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弱者はもう救われないのか のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

     著者が子どもの時分の回想から、現在日々の診察室で感じる格差の拡大。
     そもそも明治時代の中葉までは、貧民という概念は存在すらなかったらしい。高度成長からバブル、新自由主義へと弱者の切り捨てに至る時代の変化。
     自分自身の思いを問い詰め、リベラル知識人の責任や、そもそも弱者を救済すべき根拠があるのか

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    2018年05月30日

    Posted by ブクログ

    困ってる人がいたら、傷ついている人がいたら、助けたい、なんとかしたいと思うのは当たり前で自然なことじゃないですか、という結論。
    大道廃れて仁義あり、を思いだす。

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    2020年05月24日

    Posted by ブクログ

     「弱者切り捨て」のグローバリズムに席巻された新自由主義の潮流の中で、「自由と公正を柱とする福祉国家」のモデルは崩壊してしまうのか。

     「弱者にやさしい社会」が失われつつあることを危惧する著者が、精神科医としての実体験も交えながら「『神なしのヒューマニズム』は果たして可能か」「なぜ、弱者を救わなけ

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    2014年08月18日

    Posted by ブクログ

    香山リカさんの実力が垣間見えたような、そんな感じ。
    いつものふわっとゆるく、やさしいメッセージをくれる本とは一味違う。タイトル、目次を見ても、そんな感じは最初からしていたけど。
    前半はいまの日本がどのような状況にあるのかを書いていて、後半から「他者を救う意味」というところを宗教や哲学の立場から検討し

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    2014年06月13日

    Posted by ブクログ

    はじまりは前橋市に届いた伊達直人のランドセル。最終的には、全国で何千人もの伊達直人が現れ、恵まれない子供たちのため善行に走った。最初にランドセルを贈った伊達直人は決してお金に余裕があったわけでもない。不幸な境遇にある子供たちの力になりたいとの一心に突き動かされての行為であったという。東北大震災では車

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    2014年08月28日

    Posted by ブクログ

    社会的弱者救済を実現しようとしてきた戦後日本が、世界的潮流およびグローバル化の流れの中で、弱者切り捨て、弱者の自己責任へと、舵を切ろうとしている、と著者は指摘する。
    そして、内外の著作を取り上げ、弱者救済の理屈付け、理論づけを探求するが、いずれも正解といえる答えは見いだせない。
    最後は、理由なんてな

    0
    2014年08月07日

    Posted by ブクログ

    古今の思想・宗教に弱者救済の根拠を多方面から探り、
    リベラルな立場から、個人の自由と 市場経済と多数決を乗り越える新しい倫理を模索するわけであるが、結局明解な結論は示せていない。
    それほど難しい問題でもあるということだろう。
    中でも個人的にはローズルの「格差原理」や「集団的資産」の紹介は参考になっ

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    2014年08月01日

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