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「人間の使い捨て時代が始まった」――体外受精、遺伝子操作、代理母など、九〇年代以降の「超消費社会」に起きた現象を通じて、「パンツをはいたモノ」と化した人類の姿を探る。
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Posted by ブクログ
聞き書きを文字起こししただけの量産体制の新書ブームにあって、読んで損のなかった数少ない社会評論。とくに、カネとモノ、技術と物質化に関する連関を明解に説明しているところに、自分自身と同じ意見を見た。社会がヒトをモノ扱いし、その結果としてまるで機械の一部のようなあつかいや取り替え可能のようなフィクション...続きを読むが蔓延している弊害。この本を読んで確信したのは、モノ・サピエンスという社会傾向が生み出した技術が「臓器移植」であるということだ。「臓器移植」はレシピエントもドナーも両方を物質あつかいしている。命は取り替え可能な交換物ではない、という見失ってはいけない事実を、医学はあえて無視して「移植」技術に邁進している。
[ 内容 ] 臓器売買、代理母…ヒトは「パンツをはいたモノ」になり、やがて「使い捨て」られるのか? 人間のモノ化(物質化・単一化)、「モノ・サピエンス化」がはじまったのは、広義にとらえれば人類の誕生とともに、少し限定すれば近代以降と考えられる。 本書では、それをポストモダンの時代以降と想定。 一九七...続きを読む〇年代から八〇年代にかけて、ポストモダンは世界的に大流行したが、この時代に「モノ・サピエンス化」が本格的にはじまったとする。 さらにこの傾向に拍車がかかったのは、なんといっても九〇年代から。 本書のテーマは「九〇年代以降の人間の状況」であり、このテーマに、さまざまな現象を通して迫っていく。 [ 目次 ] プロローグ ヒトの「使い捨て」時代がはじまった 第1章 モノ化するブランド 第2章 モノ化するカラダ 第3章 モノ化する労働 第4章 モノ化する命 第5章 モノ化する遺伝子 第6章 モノ化する思考 第7章 モノ化する社会 エピローグ 「人間の尊厳」の終焉と新しい時代のはじまり [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
現代社会を「モノ」という視点で書いた本。この「モノ」とは物質としての「モノ」と単一という意味での「モノ」の二つの意味を含みながら、書かれている。 当たり前になっていることを「モノ」という視点で見ることにでさまざまな気づきがある。今の自分や社会について、考えさせられた。
核心をついている本だと思う。 モノカルチャー化がマスコミュニケーションのおかげで進み、人間自身が衆愚化している状況で当然のことではないだろうか。本書はその人類の単一化と非人間化を的確に状況説明している。
ボーナスもらったよ!には「ただの紙だろ!」。※※地区に土地買ったよ!には「ちっちゃな地面の土かってなにすんだよ」といわれたことがあります。モノに執着しすぎ・・・、我、モノのクセに。現在、読書中。
モノ・サピエンス。 その題名には、「物」と「mono-(単一化する)」の二つの意味が込められている。 現代社会の中、人間は単一化され、物化していく傾向にあるのだ。 粗筋を書こうとしても、難しすぎてパッと書けません。 体や仕事、思考や政治が『物質化』していっている、という現状を、現代社会の具体的事例...続きを読むに絡めて説明している本です。 最初の方の体の物質化や、仕事の物質化は面白かったです。 「物質化」というか、社会が「生産者社会」から「消費者社会」に移行したことによる影響、と言ったほうが良いのでしょうか。 技術の進歩により、ひとりひとりの生産力が増加し、物が溢れる一方、労働力としての人はあまり必要とされず、その結果、消費が主体となった「消費者社会」が形成される。 以前までの労働なしでは生きていけないような「労働者社会」から変化したため、全ての事柄は「生産」から「消費」へ、つまり「使い捨て」に似た感覚で扱われるようになる。 体の物質化や仕事の物質化は、この理論がそのまま適用されていて、分かりやすかったです。 特に仕事については、「仕事」という「労働」を「消費」の観点から考えるという、自分が今まで思いつきもしなかった考え方だったので、新鮮な驚きと興味が持てました。 ただ、後半の政治の話になってくると、考えが複雑化してきていて、ちょっと理解が出来ない部分が多かったです。 新書にしては、読むのにちょっと時間が掛かりました。
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モノ・サピエンス~物質化・単一化していく人類~
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岡本裕一朗
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