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アルコール依存症で兄を亡くした弟、二人で頑張っていたが社長に自殺された女性、戦争中、学校に行けず夜間中学で字を学びなおす六十九歳の老人、家族を捨てホームレス生活をしながら夢を追い続ける四十二歳のお笑い芸人。人々の「生きる」姿にきっとあなたも励まされる。思わず涙が出て心がスッと軽くなるコラム・ノンフィクション待望の第三弾。
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Posted by ブクログ
前に読んだ、上原隆「喜びは悲しみのあとに」と同様、市井の人の生き方を描く。 あとがきより。 「私は1994年頃からこうした取材ものを書き始めた。十年以上続けていることになる。取材させていただいた方々のその後のことをきくと、みんあシッカリと生きている。取材した時は、つらいだろうなと同情した人も、明日か...続きを読むらの生活はどうするのだろうと心配した人も、それぞれにどうにか生きている。 失恋しても、失業しても、病気になっても、自信を失っても、人は生き続けているということ。この単純な事実に私は励まされている。」 本書を読むと、本当にそう思う。
隣にいる様な普通の人々。 彼らの喜怒哀楽が、胸を揺さぶるのは 何故でしょうか。 筆者の腕と心を、感じます。
その夢について少しだけ書く。私は本書に書いたような文章を新聞紙面に載せたいと思っている。アメリカのコラムニストのような仕事をしたいのだ。新聞の隅っこに載っていて、朝食を食べながら読んだ人がふとコーヒーカップを宙で止めるような文章。そしてその文章が心に残り、その日一日人に対して優しい気持ちになるような...続きを読むもの。 あとがきのこの一文は名文だ。
おそらく登場人物それぞれが自分とはそれほど遠くない「フツウ」の存在であるからこそ、その生活の中での些細な喜びや悲しみが一層強く共感できるんだなと思う。
このシリーズ好きなんですよねぇ…特にこれといったことのない人間の日常を描いているんですけれども、この人の手にかかれば面白い読み物に変わるというか…当作品はシリーズ三作目ですけれども、また前二作を読み返したくなりましたもの…。 今回はアレですね、一作目に登場してきた中年の女性がついに! 彼氏をゲット...続きを読むするという…続編として登場してきましたねぇ…まあ、彼女がお幸せになればいいのですけれども…この文庫本が出たのがすでに10年くらい前ですから、今ではもう還暦を迎えているはず…ハッピーになっていればいいですね! ヽ(・ω・)/ズコー というわけで、この人の本はもっと読みたいですなぁ…と感じさせてくれるノンフィクションでした。おしまい…。 ヽ(・ω・)/ズコー
コラム・ノンフィクションのシリーズ第3弾。 とくに印象に残ったのは、著者が現役中学生に聞いた話(「中学生」143-152頁)。 中学2年生の男子というと、なんだか反抗期真っ只中のイメージ。←それは偏見w だけど実際の彼らは、父親の助言を素直に受け取ったり、家庭の財政をそれとなく分かって気にしていた...続きを読むり… 学校の規則を頑なに守ったり(野球部に所属している彼らが問題を起こすと、部活停止になり皆に迷惑がかかるため)、ままならない恋愛に苦しんだり…。 自分が中学生だった頃は、もっとガムシャラに生きていたよなぁ~と、しみじみ思った。 でも、いつの時代の中学生も悩む事柄はそんなに変わらないものなんだなぁと思い、少し安心もした。 今回は、前作までとは趣が少し違ったように感じた。(ウェブマガジンの月一連載を編集したものだから?‥は関係ないか。) とくにテーマも掲げられていなかったので、最初は戸惑ったが、逆にテーマの“答え”に近づこうと意識しなかったぶん自由な読み方ができたともいえるのかな、と思う。 あとがきには取材した方々の後日談などが書いてあり、これがまた心温まる内容だった。 何より著者の結びの言葉が、本書を読んで勇気づけられた人々の総意だなと思った。 〝失恋しても、失業しても、病気になっても、自信を失っても、人は生き続けているということ。この単純な事実に私ははげまされている。〟(259頁)
短編かと思ったらノンフィクションだった。題材が普通の人で面白い。普通の人もよく聞くと普通なばかりじゃない。
様々なフツウの人達を取材し、その人生をコラムとして発表したものをまとめた本。ただそれだけなのに、上原氏の描き方が見事なのか、読むとグッとくる話ばかりだ。本のタイトルは、バート・バカラックの名曲。映画「明日に向かって撃て!」で印象的に使用された曲名だ。歌詞の内容が本とピッタリだったので付けたらしい。こ...続きを読むういったセンスも僕は気に入っている。
携帯電話が壊れた。そんな日に限って、予定があり、それなのに急な残業は入り、持ってた本は読みやすくて行きの電車で読み終わり、新しい本を買える本屋の営業時間に帰れず、苦痛のままにこの本を2度読み返す。 いや、この本自体は読みやすくて苦痛ではない。市井の人々をすくい上げる。この人のエッセイを読むのは3冊目...続きを読むだが、ボブ・グリーンを目指すというのもわかる。技巧的なものを感じても、それを差し引いても、ここに現れたような人が生きているということを忘れない。
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