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「ある街角で、不安が私に襲いかかった。汚らしく、うっとりするような不安だ」エロスの狂気が神を超える! 戦慄に満ちた娼婦との一夜を描く短編「マダム・エドワルダ」に加え、目玉、玉子など球体への異様な嗜好を持つ少年少女のあからさまな変態行為を描いた「目玉の話」を収録。60年代末の日本文学界を震撼させ、三島由紀夫らも絶賛したバタイユ小説の白眉、スキャンダラスな原作の世界をすみずみまで再現する衝撃の新訳!
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Posted by ブクログ
極限までのエロスへの追求と死の匂いが常に傍にあることで、物語全体に暗さと狂気を感じるまでの淫欲が漂っている。 神聖な存在である司祭を性で弄び殺すというところに、暗に神は死んだということを示すと同時に、今までの神の拠り所であった場所に、極限まで高めた全く異質なものをぶっ込もうとする意欲を感じる。
ポスト構造主義が流行った時によく聞かれたバタイユ。思想家だと思っていた本が「古典新訳」で出ているではないか。背表紙には「・・・あからさまな変態行為を描いた・・・」の紹介文。むむむ ・・・これはただのエロ話ではないのは感じるが、しかしどのように読んだらいいのだろう。汗。異様な迫力に圧され完全に消化不...続きを読む良。
本文より引用 私は「肉の快楽」と呼ばれるものが好きではないのです。だって、味もそっけもないものですから。私が好むのは、人びとが「汚らわしい」と思うものです。 中略 私が知る放蕩とは、私の肉体と思考を汚すだけでなく、放蕩を前にして私が思い描くすべてを汚し、とりわけ、星の散る宇宙を汚すものなのです・・・...続きを読む・・・ 引用終わり この本を読むと勇気が出る。意外と人間てこういう事考えるんだなと感じる。 短い中に衝撃的な内容がギュッとつまってる。特に出だしのミルク皿のシーンはほんとに衝撃だった。おそらく普通の人が考えられる想像の範囲を軽く超えてくる。読んでいるうちにぐいぐいと文章に引き込まれる。 一度は読むべき名作です。
極端さ、濃さといった点でもまさしく一級品。 ふつうのエロには飽きた、そんなココロのスキマをさらに深くえぐります。 好きか嫌いか、どっちかに分かれると思います。とにかく極端だから。エロスを突き詰めていく話だから苦しいです。 でもちょっと距離をおいて眺めるとかなり面白かったりします。 濃厚すぎる...続きを読むエロはグロだし、快感と恐怖は背中あわせ…瞬間の美を求めつづけていく先になにがあるのか。 くれぐれも いい大人は真似しないでください。
こんなにエロスでこんなにぶっ飛んだ本を私は未だ嘗て読んだことがない。終始興奮気味に読んでいました(笑) エロスと知性は比例関係にあると思う。
バタイユが精神療法の一環として書いた『目玉の話』。 少年と少女が繰り返す性的遊戯はどこまでいくのか。 バタイユが綴る物語は、低俗に堕さずにエロスへと昇華されます。 大人なら、エロ本読むより、これを読め!
蔦屋に積んであったのを何気なく手に取った。 バタイユ: そのパトスとタナトス 酒井健さんによる本を課題とした読書会 何回かに分けて行われたのに参加している最中だった。 そんなこんなで小説も手に取った。なんだこれは?話の筋が変態的で凄い。バタイユの生い立ちも凄い。父が梅毒で失明しており、まもなく四肢...続きを読むが麻痺する。その父の排泄の手伝いをしていた。目玉の話は悲惨な実話なのだ。玉子と眼球と睾丸は楕円的球体という形態上の類似と音韻上の類似を介して結びつく無意識の連続のドラマだという。シモーヌが司祭にとった行動は、想像だにしなかった。まさか。エドモンド卿と私 語り手?とシモーヌの関係に頭が混乱しました。マルセルが死んだ後、エドモンド卿が現れた。どっちにしろ3人の、愛の形? マダム・エドワルダも妖艶だった。人気のない通りで夜がはだかになっていた。夜が裸か。バタイユのほかのもよんでみたくなった。 きみがあらゆるものを恐れているのなら、この本を読みたまえ。意味深だなぁ。読みたまえ。読みたまえ。
「マダム」露出狂というのかな、現実にはすぐ通報され周りは恐怖に包まれるので、こういうのはAV世界でしか起こり得ない哀しさ。 「目玉」十代の男女が成熟し始めた肉体を駆使し、エロスのその先に有るものを突き詰めるために狂ったように奔走する。 なんだっけこれ。。。 ハッ、鮭が産卵のために自分が産まれた...続きを読む川に帰ってくる様子みたいだ! 最後にポロリと作者の幼年期に起こった出来事がトラウマとして書かれ、それが一番衝撃的で心打たれる。辛い葛藤を何とかかろうじてエロスに変換して、正気を保っているのか。せつない。
え、目玉の話って、と最初邦題に戸惑った(不安を感じた)ものの、読んでみると最高でした。 内容、周りの狼狽を描いていないあたりに突っ切った感が出てるというか。何故たまごなのかと思うが(だって玉子じゃ、ね)性的に描けばなんだって性的になるのだなと。だからシモーヌの性癖は先天的なものよりも後天的なものと思...続きを読むって読んでいたが、最後「私」(バタイユなのか?)視点で語られる分析によってすとんと腑に落ちた。
大変読みやすい翻訳。 マダム・エドワルダと目玉の話の差異が面白い。 今年(2014)のセンター試験の小説がマジキチ、と評されていたが、これらの作品が出たら受験生はどのような顔をするのかと想像するだけでニヤリとした。 球体とは、完璧な立体で、心惹かれる美しさを持つのもわからなくもない(そこに性的魅力を...続きを読む持つかは別にして) いやしかし、睾丸も乳房もある意味球体なので、エロシズムを携えた立体なのかもしれない。 訳者があとがきに書いているように、谷崎潤一郎の卍と、痴人の愛と共通があるのか、次はその二作品を、読みたい。
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マダム・エドワルダ/目玉の話
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バタイユ
中条省平
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