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「古事記」「日本書紀」が国の成り立ちを広告的に書いたものだったように、広告はなにも資本主義に特有の産物ではない。だが戦後“生活の設計図見本”として人々に豊かな暮らしを予告した広告は、いまでは地球を覆うグローバリズムのしもべとなり、人間をどん欲な衝動的消費者に変える片棒をかついでいる。電球が1000時間で切れるよう設定され、自動車がデザイン変更を繰り返すなかで広告も“欲望の廃品化”に一役買ってきたのだ。 60年にわたり広告の最前線に立ち会った著者が語るその内幕と功罪。そして成長主義が限界を迎えたいま、経済力や軍事力のモノサシで測れない成熟した社会のために広告ができることを提言する。【目次】第一章 計画的廃品化のうらおもて/第二章 差異化のいきつく果てに/第三章 生活大国ってどこですか/エピローグ 新しい時代への旅
...続きを読むPosted by ブクログ 2014年03月10日
「そろそろ、本当に変わりませんか?日本よ!」って。
マスクも原発もテレビショッピングも福袋もリニア新幹線も、どれだけ必要なのって。そういうことだよね。同感です。
引用されていた言葉「大きな災害や事故が起きると、すべてを新しく創造的な方法で考え直すことのできるスペースが生まれる。いま日本はまさにその時...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月09日
長らく日本経済において消費活動を促進する一助となってきた広告を通して、経済システムや社会の動向を回顧録的な形式でまとめた一冊。
アメリカのT型フォードの誕生によりシステム的に機能し始めた大量生産、大量消費社会から現代に至るまで、広告がどのような役割を果たし、また変化してきたのか、天野祐吉らしいユーモ...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年12月31日
「広告批評」を創刊し、広告を通して日本経済を見通してきた筆者が、3.11後の社会をどう見るか。非常に興味深い視点でした。
バブル全盛の頃、その中心にいて経済をドライブしていたのは紛れもなく「広告」でした。しかしその狂熱に浮かされて大事なものを見落として、広告はその輝きを失ってきているように思えます...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年12月23日
天野祐吉さんが亡くなられたことを、迂闊にも知らないでいた。
今朝の朝刊で読んだこの本の書評で知り、慌てて書店に走った。
本人の意向で葬儀は行わなかったということだが、亡くなられたのが2013年10月20日。出版が2013年11月20日であるからこの一冊は天野さんが私たちに遺した遺言に他ならない。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年03月21日
天野祐吉さんという人は広告業界の中心にいた人、という程度の認識しかなかったので、大量生産&大量消費の先導者かと勝手に想像していたのだが、その実は正反対で自らの未明を恥じた。
味のある文体で大量消費社会に対する違和感を独特の視点で見つめ、昭和の時代の消費者意識や空気なども妙に実感を伴って伝わってくる。...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月23日
ある意味、自分が今置かれている状況を否定するような本でした。
が、自分自身でも、今置かれている状況を否定する気持ちがあるだけに、とくに違和感なく、読み進めることができました。
この本を読んだことで、「広告を見る目が少し変わるかも」と期待しています。
天野さんのような視点を、自分の仕事にも活か...続きを読む
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