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現代社会では“生ごみ”扱いにされてしまう動物たちの遺体。しかし、そこには生物の進化の謎を解き明かすヒントが詰まっている。遺体を注意深く観察し、辛抱強く対話を続けること。すると、やがて遺体は隠された秘密を私たちに語り始めるのだ。「遺体科学」が到達した豊かな知の世界を、モグラからゾウ、そしてパンダまで、あらゆる動物遺体と格闘する解剖学者の日々を通して垣間見せてくれる格好の入門書。
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Posted by ブクログ
自分にとって必要なくなったものは早く捨てるという考え方は、自分の身の回りをすっきりさせ、仕事を円滑に進めるためにも大切なことだと今の時代は教えられます。 しかしそれは自分という人間を中心に考えた生き方であって、自分の持ち物や自分の生活空間の中でのごみに対してはそれでもいいけれども、こと動物の遺体に関...続きを読むしては死んだから焼いて捨てればいいという考え方は正しくないのだということを知った。 息は途絶え生物としての役割は果たせなくとも、学術研究として後世に貢献していくという第2の偉大な役目が始まっていることを知り、遺体科学の人類の未来に果たす役割の大きさを感じることができた。 死んでしまったパンダが生き返ることはないけれど、パンダの手の作りを知ることで、その動物が生き抜くために柔軟に進化しており、決して神が作ったものではないことを知ることによって、我々が正しい知識を享受することができたと思う。
珍しい死後動物の解剖の専門家の本。初に近い著作なのか、若干の気負いが見られるも、内容が特殊で興味が湧いた。各動物の解剖所見の話がやはり一番詳細で面白い。パンダの手の構造説明などは工学的に見ても価値がある。少々思い入れが強すぎ、何がどう世の貢献につながるのかが見えにくいかも。表現も変な小説風になって...続きを読むたりする場合も見られるので、もう少しリラックス?体がうれしかったりして・・・。 もっと他の動物の専門的解剖所見を知りたい。別書、論文等を見てみたい。
グールド「パンダの親指」を読んだものとしては、タイトルに惹かれる。で、本文でもちゃんとこの本に言及していて、この本に書かれていた事項を、自らの観察により修正し、新たな知見をもたらしている。 なんか「おー、科学が進んでる!巨人の肩に乗ってる!」感があって、興奮しちゃうね。 著者の筆は相変わらず冴えわ...続きを読むたっていて、全編飽きさせない。
「遺体科学」という、聞きなれない科学について書かれた本。 ゾウ、パンダ、モグラ、コウモリ… ありとあらゆる動物の遺体を調べてきたことに関するエッセイ。たまに専門的な話が入るが、基本的に難しい話ではないので読みやすい。 何より、ゾウが息絶えた後に解剖を始め、目的の心臓まで達するのが数時間後になると...続きを読むか、パンダはクマの仲間なのに笹をどうやってあの手で持っているのかとか、他のどこでも聞けないような話がてんこもりで面白かった。 遺体を切り開いたり腐臭と格闘したりと、真似はできないとは思ってしまったが。
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パンダの死体はよみがえる
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遠藤秀紀
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