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なぜ私たちはかくも「無教養」になったのか。本書は、現代の日本人が見失った「独学の精神」をめぐる思索である。「ほんとうに大事なことは何ひとつ教えることなどできない」「学ぶことは身ひとつで生きる自分が学ぶというあり方でしかなされえない」―単純で大切な事実について、根っこから考え抜く。
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Posted by ブクログ
二宮尊徳のことから始まって目から鱗の連続だった。自らの無知を恥じ入るばかりだ。目次から内容が予想できなかったここ最近初めての本である。最後は具体性をもって、幸福と平和の本質に迫っていた。 ・畏怖や讃仰のないところに、教育は成り立ちようがない。 ・人生のなかでほんとうに考え、学んだことは、みな口には...続きを読む出し難いものだ。 ・国際人である必要など少しもない。 ・進歩の思想ほど退屈なものはない。 ・何から何まで人任せで、あれが旨いだのまずいだのと言っている。このことが、精神の独立性に影響を与えないはずはない。 ・戦争の残酷さ、怖さを伝えるのは逆効果だろう。 ・努力して生きることへの根本からの自信のなさがある。
民芸品は芸術作品なのか、もやもやしていましたが、著者は明快に示してくれます。著者の価値観に共感できる人には、星5つ
ほんとうに大事な事は何ひとつ教えることなどできない。 学ぶことは身ひとつで生きる自分が学ぶというあり方でしかない。 こうした単純で大切な事実について、その当たり前の事実が行き着く先について、根っこから考え抜く。 学問とは生きるために必要な事であり、それこそが大学で学ぶべき「教養」というもので...続きを読むあると思う。 この三章で建築について少し焦点を当てているが、建築以外の人が語った方がその真理に近いと思う。
文通を通して意見交換した「剣の思想」とは 打って変わってこの本は遠慮のない文体なので 読みやすいし気兼ねなく反論を覚えたり共感したりできる 読み出しの「まえがき」からして愉しく読み出せた 人間は産まれると同時に辺りを探り相手と出合うことの 独学によって自分の存在を確認してきた それが歴史のある縄...続きを読む張りほど責任転嫁と依存に逃げ込むための 官僚制度に頼ることになる それは結局騙された形での 暴力支配による恩恵に浴することを願っているのだ 学問が外目線で始まると単なる物知りの知識になる 学問を冒険にできれば出合いを切磋琢磨にして発見をつなげて 人生と宇宙を舞台に遊ぶことができる この点で前田さんの生き方を尊敬する 前田さんは世間とは違う面で二宮金次郎の生様を 引き合いに出して独学を説く 社会性とか損得とか価値観とかに縛られて 競争することで権利権限を得て搾取支配に 安全地帯を求めることを嫌い 出合いの人生を謳歌すために学ぶことが幸せに繋がるという 更に独学者を歴史から拾い上げて人生を説く 孟子・中庸・大学を比較して金次郎は 「孟子は難し中庸は易し」と言う 官僚的で机上的で部分的な孟子の理に対して 全体的の俯瞰した真理を説く中庸を生きた理と説く 私学者伊藤仁斎=空言・都合よく読まずに真意を探る 大小にかかわらず一身を持つものには一身で受けなければならない 本居宣長=身一つで生きる パスカル=人間は考える葦である 時空を超えて考える 柳宗悦=民芸運動・購買運動 手仕事の民芸品と機械作りの量産品と頭作りの芸術品 奇をてらった独創的な作品と日常の中の工夫による作品との違い 人力による生産の限界と生活に沿った物の量とは調和している この調和を壊すのは不自然な競争による欲望である
二宮尊徳や本居宣長といった人物を取り上げながら、学ぶということについて、思索をめぐらす一冊。異端の学者による極端な説が開陳されるのかと思いきや、述べられている内容はうなずけるものが多い。特に、第三章の職人の話題はおもしろかった。一人ひとり人間が違うからやり方も異なるという話は、当たり前ではあるのだが...続きを読む、普段見過ごしていることだなと感じた。
マニュアルに頼りすぎてるよな~と思う。 もっと頭を使って、試行錯誤して、自分にあわせた技を身につけ磨きをかけなきゃと思う。
[ 内容 ] 漢字が読めない、歴史を知らない、計算ができない…大学生の「基礎学力」のなさが言われて久しい。 だが、「教育」に過剰なこの国の若者が「学力」を欠いているとは驚くべきことではないか。 なぜ私たちはかくも「無教養」になったのか。 本書は、現代の日本人が見失った「独学の精神」をめぐる思索である...続きを読む。 「ほんとうに大事なことは何ひとつ教えることなどできない」「学ぶことは身ひとつで生きる自分が学ぶというあり方でしかなされえない」―こうした単純で大切な事実について、その当たり前の事実が行き着く先について、根っこから考え抜く。 [ 目次 ] 第1章 身ひとつで学ぶ(金次郎の独立心;学校嫌いこそ正しい ほか) 第2章 身ひとつで生きる(葦のように考えよ;知らざるを知らずと為せ ほか) 第3章 手技に学ぶ(大工仕事は貴い;教える愚かさ ほか) 第4章 農を讃える(狩猟の悲しみ;農の喜び ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
独学とはなんぞや、に明確な定義を与えている。 面白い。二宮尊徳、蘭学、朱子学、儒学。 基本的な史実から、独学のあり方を提示している。 必読。
正直、やや読みにくい文章だと感じた。しかし、筆者も書いているように、私立中学の試験問題などにも出される、いわゆる「読解力」を試される文章構成ということなのだろうか。筆者自身が「読解力」を試すことのおかしさをやや皮肉めいてかいている個所はおもしろい。 全体を通して、勉強法や教育論というよりは、筆者が日...続きを読む頃感じていることがつづられていると思う。最初の「二宮金次郎」の身ひとつで学ぶという項は勉強になった。
建築、大工、農業がいかに学問とむすびついたものであるか著者自身の言葉で書いてあり説得力がある。しかし近代西洋の合理的考えをやたらと排斥しているのがいただけない。東洋と西洋の間をとるのがいいのだと思うが。
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