「雨の木」を聴く女たち

「雨の木」を聴く女たち

638円 (税込)

3pt

危機にある男たちを受け入れ、励ます女たち。若者を性の暴力にむけて挑発しながら、いったん犯罪がおこると、優しい受苦の死をとげて相手をかばう娘。かれらをおおう「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージは、荒涼たる人間世界への再生の合図である……。宇宙の木でもあれば、現実の木でもある「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージにかさねて、人の生き死にを見つめた、著者会心の連作小説集。読売文学賞受賞作。

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「雨の木」を聴く女たち のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年12月13日


    お得意のノンフィクション風フィクション。
    人外の想像力を感じさせる、個人的大江文学全盛期の傑作。
    高安カッチャンを筆頭とした登場人物と描かれるオーケンの分身のやり取りがとにかく滑稽で面白い。
    その滑稽さと、作者が心のうちに秘めている“雨の木”へのひたむきで純粋な想いのコントラストに胸を打たれる。

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    Posted by ブクログ 2018年07月05日

    「「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち」(大江健三郎)を読んだ。救済の象徴であるような『雨の木』をめぐる物語はしかし読み手の感情を抉るように鋭利である。自分の中に一本の『雨の木』があればと思う。最後の「泳ぐ男---水のなかの「雨の木」」に対する違和感が拭えないよ。難しいなあ。

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    Posted by ブクログ 2009年11月05日

    荒廃しきっていた自分の魂が救われた一節がある。

    読んでから何年も後の話。
    石垣島でブーゲンビリアを触った時に
    急に涙が出て止まらなくなった。

    この本が根っこにあったのだと、更に後になってから気付いた。

    この人の作品は
    深く深く深いところで、ひっそりと息をしている。

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    Posted by ブクログ 2018年05月28日

    甘ったれた男の物語と読むこともできる。初期の短編の完成度に比べれば、どこか未整理なままを見せることを目的としているような節もある。ただ、凝り固まった思い込みを捨てれば、やっぱり豊かなイメージに溢れた氏の作品は単純に面白く(首吊り男は笑っちゃうし、泳ぐ男はミステリー調にも読める)、短編は読みやすい。

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    Posted by ブクログ 2017年07月25日

    この本は好きだ。表紙がとてもキレイだったし。この写真のような表紙ではなくて、最初に出てた本は、もっと薄いブルーだった。
    それから、アレンギンズバーグが出てくるとこ。
    彼が若い男性の恋人と一緒にいるシーンがあったように記憶してる。昨晩やりすぎて疲れた顔をしてる、とか、そんな描写だったような。

    大江健...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年09月02日

    雨の木のイメージをめぐる様々な物語。どの登場人物も心に傷を負っていて、その心のひだや闇が、優しく、神秘的に描かれている。メッセージがまだ読み取れていないので、また読み返したい一冊。

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    Posted by ブクログ 2011年08月30日

    頭のいい「雨の木」を発端とした連作短編集。アレンギンズバーグがなんでもないふうにでてくるところもカッコいいし、どの短編をとってもすごくおもしろかった。現実からはじまってうまくフィクションの形におとしこむ力もすごい。あいかわらずエロいのもいい。楽しかった。

    0

    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    どこへも行かない、どこへも行けない.
    久しぶりに読んでみたら、前と同じように凹みました.
    We never learn.

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    Posted by ブクログ 2018年12月13日

    暗宙に伸び、世界を覆い尽くすレインツリー。
    それは暗黒の中でも目の前に在る。詳しい描写はないし、連作短編集だけどレインツリーの関連が希薄なんだけど(カッチャンやペニーの方が分かりやすい)、イメージとしての存在感がすごい。
    劣等感と誰かと繋がってなにかの意味を生み出そうとする切望と。
    言葉が連綿と続き...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2015年07月14日

    正直この小説はよくわからない。理解し得たという実感がない。しかし何かが面白いのだ、だからずんずん読んでいる。

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