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Posted by ブクログ
椎名誠氏のミャンマー本を読んだので続いてこちらを。
「柳生一族」の意味を知らないまま読み始めたので、日本から逃げた誰かの話だと思い込んでいた。反省。
ミャンマーで江戸時代の柳生一族のようにスパイ活動をする集団と、船戸さんの取材に通訳として同行する高野さんの現地取材小説。ミャンマーにはほとんど正規入国していないという高野さんが、おもしろおかしく、しかし真面目にミャンマーの現状を紹介している。そして、最後の最後にまたミャンマーに変化が起きてびっくりである。
ミャンマーの周縁部の統治状況、パンロンでのアウンサン遺構の紹介の雑さ、ミャンマーの識字率の高さ、椎名本で出てきたタナカ(こちらではタナッカー)の様子など、色々と興味深い話が続く。個人的には、それまで監視/護衛を怠らなかった三十兵衛がパゴダの中では全てを忘れて祈りを捧げているシーンが印象的であった。
その後みなさんどうなったのでしょうかね……
Posted by ブクログ
高野氏離れが続いていたけど、先日の『語学の天才まで1億光年』によって長い眠りから覚めた。
自分への快気祝いにと今回手に取ったのは、世にもおどろおどろしいタイトルと表紙が特徴の本書。(相変わらず、刊行年順関係なしに読んでいくスタイルをキープ)
いつものことながら、彼の文筆にかかれば恐怖は軽減され、寧ろ愉快な気分にさえなっていた。
早大探検部の先輩で作家の船戸与一氏とミャンマーへ取材に出かけた著者。今回は珍しく観光に近い合法的な旅行なのかと思いきや、そんなはずはなく。題して「柳生一族と過ごすミャンマー辺境14日間」の旅だ。
ここで早速、謎のワード「柳生一族」が登場。これは現地の軍情報部を徳川家の大目付であった柳生一族に準えた、高野氏による例えである。彼らの監視下で著者と船戸氏は取材をすることになったのだ。
彼は事あるごとに人や事物の呼称を独自開発しており、例えば政治の実権を握るミャンマー国軍を「徳川家」。他にも「江戸ヤンゴン」「大坂マンダレー」と双方の第一・第二都市をくっ付けたり等しているが、それらが妙にイメージしやすい上にしっくりくるもんだから侮れない。
内容よりも先に彼の秀逸なネーミングセンスに度肝を抜かれていたが、船戸氏の「(下調べや細かいことは気にしない)行けば何とかなる」マインドにも実は感心していた。
特にツアーに同行した柳生一派とお酒を酌み交わすシーンは痛快だった。ある程度考えていらっしゃるとは思うが、後は成り行き任せで現地に溶け込むというのが本当にお上手。時には現地の人まで(意図せず)翻弄する。そのスキルの高さに何度も衝(笑)撃を覚えた。
性格がほぼ真逆の高野氏とは抜群のバディだったんじゃないかな。この2人にかかれば柳生一派の監視役も大したことなく見える笑
自分も抗議デモの勃発する数年前にミャンマーを訪れたことがある。
しかし、料理は日本人の口に合うまろやかテイストのものが多く、国民性はどことなくおっとり穏やかというしょぼい感想しか持ち合わせていない…。
そのせいか、昨今のデモや「柳生一族」・更に主君の「徳川家」に見られる不穏な影と実際目にしたミャンマーがなかなか結び付かずにいる。(本書の旅は色々と腑抜けて見えたが、後日談の「政変」にて一気に意識を持って行かれた。道中では味わうことのなかった胸のざわつきも感知したし)
ミャンマーの国民性について自分にはおっとり穏やかだと映ったが、高野氏は対等な立場同士だと非常に社交性・国際性が高い人々だと書かれている。(事実、一派への緊張感も次第にではなく、急激に薄れていた)
民族と宗教の多様性がそれらを養っているというのが何もかもを見てきた著者の推測であるが、それらもまた彼らの寛容さ・穏やかさに直結しているのかな。
彼が実際目にしたミャンマーを自分も恋しがっている。
ユーモアたっぷりミャンマー紀行
過去に許可などなしにミャンマーに侵入し、ゲリラとも交友のある著者であり、本件は軍事政権側の監視の下でのミャンマー行であったから、本来ヤバイはずの紀行であったのに、同行の船戸与一氏と著者の人柄からか、監視の人達も著者らと一緒になって笑う場面が多い。探検家でノンフィクションの作家であるが、面白おかしくがモットーの著者だけに読後感も明るい。本格的な探検紀行を望まれる方には、『西南シルクロードは密林に消える』をお勧めします。
Posted by ブクログ
著者は早稲田大学探検部当時に書いた『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。本書は同部先輩の船戸与一が小説の題材旅行でミャンマーを訪れることになり、案内役として高野氏に同行を依頼し、その道中を面白可笑しく書き綴っている。
タイに隣接する反軍事政権のゲリラ地区を何度も訪れ、ヘロイン栽培にも手を染めた著者、その内容を書籍にもして一部は英訳されていることから、ミャンマー入国許可は降りないと心配していたが、すんなりビザが発行された。逆に船戸氏にはなかなかビザが発行されない。理由は氏の書籍が反政府軍事団体に好意的な内容が多いこと。高野氏に、ちょっぴり不貞腐れる。
トヨタランドクルーザーで各地を巡るが、必ず謎のミャンマー人が同乗する(ドライバー、ライフル携行の兵士ではない)。彼らは謎の人物達を軍事政権(幕府)の隠密柳生一族と呼び警戒するが、一緒に旅を続けていくうちに、彼らが愛すべきお間抜け軍情報部と目に映るようになってくる。流石に中国国境付近の山中では、反政府民族ゲリラ「シャン州軍」が出没する危険がある。シャン人はシャン州からマンダレーに来るとき「ビルマ(ミャンマー)へ行く」と言う。シャン州軍は仙台伊達藩の反乱軍、カチン独立軍は加賀前田藩、ワ州連合軍は蝦夷松前藩と高野氏は例える。
実は家元もほぼ同じ時期の年末年始にミャンマーを訪れ、ヤンゴン、ニャウンシュエ(インレー湖)、マンダレーなどに立ち寄った、エーヤワディー川沿いのゲストハウスでは、現地の筒スカートロンジーを着用してタナカーを顔に施しデジカメで写真を撮ってもらった(家元、まず自身の姿を写真には撮らない、テロリストなので、笑)。
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