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大胆な演出と構図、そして独特のシュールな感性で世界のファンを魅了してきた、わが国アート写真界の至宝・植田正治。その膨大な遺作の中から、「やわらかな」哲学エッセイスト・鷲田清一が新たな視点で珠玉の75点を厳選し、「哲学のこころ」を濃やかに投影したモノクロームのオムニバス。
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Posted by ブクログ
涼しく静かで、けれども確かに生きた写真と哲学者のエッセイ。鳥取砂丘を舞台に、シュールでありながらどこか生活感を感じさせる写真を数多く残した植田正治の「まなざし」に鷲田清一は注目します。当書や、ドアノー「不完全なレンズで」、赤瀬川源平「鵜の目鷹の目」などを読むと、写真家の言う「視点」「まなざし」が必ず...続きを読むしも単なる視野だけを指しているのでないことに思い至ります。こと何かを見つめる、視点を変える、一呼吸置くなどと言う事において写真と哲学の相性はいいかもしれません。(宮月)
深い。どこまでも、澄んでいるのに、底は見えない。思索の深淵を、そっと覗きこませてもらう。さすがだ。植田正治の写真は感光紙の上でこそ最大の魅力を放つけれど、それでも。なんて豪奢な組み合わせだろう。贅沢な読書をした。「死ぬことがわかっていて、それでも死なないでいる理由とは何か。」
まるで肌理もないように見える滑らかな肌が 触れてみたらとても温かかったような 空気の隙間から湧き出る恵みのような 誰かに助けて欲しい時に傍に誰もいなかった時には この本に傍にいて欲しい
寺山修司の言葉の引用が印象的。 幸福について語るとき位、ことばは鳥のように自分の小宇宙をもって、羽ばたいてほしかった。せめて、汽車の汽笛ぐらいのはげましとなつかしさをこめて。
鷲田先生の文章は、一つ一つの言葉がとても大切にされている。 だから、じっくり噛みしめていると、心の奥深いところで共感されてくような気がする。
もともと植田正次の写真が好きで友達から貸してもらった1冊。 深かった印象だし、つかめないものも多かったが、物事の神髄からでることを教えてくれるものだったと思う。
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まなざしの記憶――だれかの傍らで
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