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江戸で5指に入る狂歌師となった政吉は、野心のあまり落ちこぼれて行くが、唯一救いの燈がともっていて・・・。幼い頃親を失ったお若は、腕のよい仕立屋になれたが、1人の心細さがつのる時は、まっすぐに深川澪通りに向って・・・。辛い者、淋しい者に、無条件に手をさしのべる木戸番夫婦を描く、傑作時代長編。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
深川澪通り木戸番小屋の続き。主人公が2人でてくるが、短編としてでは無くて、ストーリーが続いている。木戸番小屋夫婦の温かい雰囲気に誰もが気を休めにやってくる。一人ぼっちの心情なんて、現代人に通じるものがある。
深川澪通り木戸番小屋で17回泉鏡花文学賞受賞作品のシリーズ。江戸で五指に入る狂歌師となった、孤児の政吉。子供の頃は庇護者もなくかっぱらいで口をしのいだ。塩売りになり、客と喧嘩になった折に間に立って知り合いになった木戸番小屋の夫婦、お捨てと笑兵衛に文字を教えてもらうことに。それから作り出した狂歌で気持...続きを読むちを歌にする喜びを得る。恋女房と所帯を持ち狂歌も腕を上げて本に。 すれ違いから夫婦の気持ちは離れ、いつしか後戻りできない事態に。不幸が繰り返されるが、いつも笑顔で迎えてくれる木戸番小屋の夫婦が最後の砦。いつも暖かい気持ち良い場所に、期せずして足が自然に。。。このシリーズは群像劇。木戸番小屋の夫婦は常に表に出ないが、人々の心の拠り所となって小さな幸せを見守る。。。
20130616 登場する人がみな一所懸命なので、読む方も体力がないとついていけない。引き込まれるのはドラマとして良くできてるからだと思う。
深川澪通り木戸番小屋の2冊目は、悲しい話でした。 1冊目は1つ1つの話に救いがありましたけど、2冊目の特に前半の話は悲しい話です。 2冊目は中編が2作。2作が微妙に繋がってる感じです。 孤児の塩売りから仕事でも狂歌師としても這い上がったけれど、全てを失ってしまう人の話。 仕事に夢中になるあまり家...続きを読む庭を顧みなくなり奥さんに出て行かれるとか、その後知り合った女性とも最後の野心から二の足を踏むうちに時間がなくなってしまうとか、本当に好きだったから逃げてしまったと後から戻って来られても他の男と駆け落ちされたことが忘れられないとか、人の暮らしは江戸時代も今も同じみたいです。 後半は、経済的には自立していて長年不倫をしている女性が自分の行く末に不安になりつつ、それでも自分の選んだ道に胸を張って見栄を張ろうとする話。 夫がいても、子供がいても、友達がいても、結局最後は1人かもしれない、という不安も昔も今も変わらないようです。
この澪通り番小屋シリーズは好きです。 番小屋の夫婦、お捨と笑兵衛の周りで起こる人情話が短編になっています。 今回は珍しく長編でしたが、温かさ、切なさは変わりなく描かれています。
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