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川沿いの澪通りの木戸番夫婦は、人に言えない苦労の末に、深川に流れて来たと噂されている。思い通りにならない暮らしに苦しむ人々は、この2人を訪れて知恵を借り、生きる力を取りもどしてゆく。傷つきながらも、まっとうに生きようとつとめる市井の男女を、こまやかに暖かく描く、泉鏡花賞受賞の名作集。(講談社文庫)
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人情
とても楽しく読ませて頂きました。他愛のない市井の話が、語られるがどの話も最後は幸せに収まるところが読んでいてこちらも小さな幸せをいただいた様に思います。
Posted by ブクログ
やっぱり江戸の人情は、ほっとするなぁ。 ほどよい距離のおせっかい。 見習いたいけど難しい。 みんな色々あるけど、生きていくしかない。 どれもいい話だったけど「名人かたぎ」が一番好き。一番、江戸らしいからかな。
なかなか良かったです。 良い時代小説シリーズを見つけました。 鬼平ほど血なまぐさくもなく、 かわせみほど女々しくもなく。 最後には救いのある所も良いです。 文章も読みやすく、過度の装飾もなく、品が良くて好きです。 火傷を負って火消しが出来なくなった人が、新しく自分のアイデンティティと奥さんを得る話...続きを読む。 夫婦の危機を乗り越える若い夫婦の話。花火に打ち込む話。 境遇の違う相手との恋を成就させてそれぞれ幸せになる(と思う)2つのカップルの話。大店の娘さんと植木職人。花売りと大店の跡取り息子。 笑兵衛さんが、若い女性にふらふらっと来そうになる話。 身寄りのない寂しい境遇の年配の女性2人が、友達になる話。 意地を通す年老いた女擦りの話。 人に騙されて落ちぶれた過去から、常に「甘い言葉、上手い話を信じるな」と言い続けた父親が、娘が好いた旦那から捨てられる時に、娘が可哀想だと泣いて縋る話。でも最後には、酷い奴だった旦那から手切れ金を貰い、さっぱりと前向きにやり直す所がとても良かった。 貧しい境遇から気立てと頭の良さで富と幸せを掴んだ若い女性が、いつの間にか夫の気持ちを大事にしていなかったと気付き、幸せの中に戻って行く話。
江戸の下町。庶民の暮らし。別に大きな事件が起こるわけではない。木戸番小屋夫婦に関わる人々の色々な話。ゆっくり流れるこの空気感がいい感じ。
スゴイ! 北原亜以子先生の作品が気になる これからドンドン読みたい! この作品は文学です! 木戸番小屋の夫婦が織り成す、そこはかとない いい空気が、作品の登場人物の行動をなんか いいものにしていく 味わい深い江戸の街を体験してください ホントに絶賛します!
江戸の下町、深川が舞台である。日本大百科全書「番太」の項目によれば、「江戸の町では町方が自警組織の一つとして経営した自身番の番人をさす。」とのことである。四つ辻に番屋を構えており、原則は単身者が務める仕事ということだったらしい。 物語では過去に色々と苦労した夫婦が木戸番となっているが、時代によって...続きを読むはなかなか特殊な状況だったようだ。 それを踏まえて読むとよりこの夫婦の心細い身の上が心に迫るような気がする。
大きな事件は起きずとも、江戸の市井に暮らすひとびとの暮らしぶりの温度が伝わってくるような作品。 時間に追われる日々に疲れたら、続編を読みすすめたいと思う。
20130629 シリーズの最初。わかっていてもどうしようもない事をしてしまう。そこにドラマがある。話に惹かれてしまうのはそのうまさだと思う。
私が一番好きな時代劇は「御家人斬九郎」なんだけど、一番心に残ってる時代劇は「とおりゃんせ」だ。 御家人斬九郎の原作本を読んで面白かったので、とおりゃんせの原作本もネットで検索して購入。 ドラマの雰囲気通りの小説。(というより、小説の雰囲気をそのままドラマにしたのだろうけど) 心がじんわり温まる、心...続きを読むに残るお話ばかり。 登場するのは不器用で純粋であったかな人たちばかり。 お捨と笑兵衛の人の良い夫婦がすごくいい。 演じていた池上希美子と神田正樹さんのイメージもすごく効いてるし。 江戸っ子の人情を存分に楽しめました。
木戸番老夫婦とその周囲の人々の人情物シリーズ。深い悲しみと、もしかしたら後悔がその根底にあるかもしれない夫婦関係が、やさしさとひたむきさに昇華されてるのが泣かせる。
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