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二千五百年前、春秋末期の乱世に生きた孔子の人間像を描く歴史小説。『論語』に収められた孔子の詞はどのような背景を持って生れてきたのか。十四年にも亘る亡命・遊説の旅は、何を目的としていたのか。孔子と弟子たちが戦乱の中原を放浪する姿を、架空の弟子・えん薑が語る形で、独自の解釈を与えてゆく。現代にも通ずる「乱世を生きる知恵」を提示した最後の長編。野間文芸賞受賞作。
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Posted by ブクログ
井上靖の最晩年の長編小説である。この名作には既に多くの評価がなされているから私の愚考を重ねても無意味である。 架空の孔子の弟子の語りが中心となるこの作品は紛れもなく作者自身の孔子に対する思いを述べたものである。孔子という人物の事績が弟子の記録によって言語化されていることを考えるならば、この作品は...続きを読む紛れもなく昭和の論語といえるだろう。 一人の作家がたどりついた一つの境地を窺い知るためにもこの作品の価値はある。
10代の頃大好きだった作家だが、この作品は未読だった。晩年に書かれた最後の長編だそうだ。とにかく紡ぎ出される言葉の美しさ。そこに書かれる孔子への限りない憧憬。儒教に対して断片的な知識しかない私にとっては、堅苦しく、封建社会の人々を縛る規範となった哲学、という印象が強かった。孔子の言葉の数々をこれほど...続きを読むあたたかく人間的に解釈し、美しい理想を求める真摯な人間として描いたこの小説を読んで、もうちょっと儒教のことをよく知ってみたい、という気持ちがある。 考えて見ると、イエス・キリストとキリスト教の関係と似たようなもので、本人はもっと柔軟に、しなやかな教えを説いていたのに、後々の人々によってその教えは変わっていったのかもしれない、などと思ったりもしたのだった。 何度か読み返したい美しい作品。その文体だけでも陶然となる美しさだ。
内容は冗長なのに、エンキョウが見た風景が脳に焼き付いている。物語はゆっくりと行きつ戻りつしながら進む。こういう時間の流れ方はとても贅沢だ。それが本の中であっても、あるいは本の中だからこそ、余計に贅沢に感じるのか。 井上靖の小説はいつもこうだ。 読書がすばらしいのは、こういう体験ができるからだと改め...続きを読むて思った。
孔子廟は孔子を祀っているんですね。あまり孔子に興味を持っていませんでしたが、お爺さんに勧められて読んでみたら、今も使われている含蓄のある言葉をたくさん遺していることに驚きました。この本に感激して論語も読みました。 論語は人生の座右の書です。
「論語」は孔子の死後300年後に出来上がった、と言う。架空の愛弟子蔫薑(えんきょう)が物語る本書のように多くの弟子たちが教えを聞き伝えた事で可能となった書物なのだ。ちなみに約2500年前の中国春秋時代末期に生きた孔子と弟子・思想家が、14年間に及ぶ遊説で人々に教え伝えた思想知恵などを綴った書物である...続きを読む。気になった孔子の詩「60にして耳順う、70にして心の欲する所に従って、矩を踰えず」60歳になったら人の言葉が素直に耳に入ってくるようになり、70歳になると自分の心の欲するように振る舞っても、道を踏み外すようなことは無くなった。即ち、聞くことに素直になると知恵と考えが人生経験から自信に変わる、と言うことか。孔子が多くを語った字は「天命」「信」「仁」であり、その行動は不幸な人を助けようとする人への愛情、正しいことへの情熱だったとある。
自分の考えを架空の人物の講演という形でに語らせて偉人伝を書く、という珍しい設定でした。内容は日本史に名を残す大小説家だけあって蘊蓄が深かったです。
まだ論語が出来る前に、ただひとりのこうしの弟子の生き残りとして、こうしとの思い出、言葉などを語るといった、ちょっといままでにはなかったかもしれない作品。 そして井上靖、最後の小説。80代に書いたという。 読んでいてダライラマの説法とはこんな感じなのかなと想像。ひとつの事柄について師が語り、周りが質問...続きを読むしていく。天命とは、仁とは。
井上靖の人間愛に溢れた筆致で描かれた孔子像は、人としてなにが正しいのかを考えさせられる。論語にも興味を持った。
正直言って、話が次から次へと進む小説ではない。「では最後に・・・」などと言いながら、その後にもズルズルと話が変わって続いていくこともしばしば。その点で快適な読み心地とは言えないのかも知れない。しかし、小説全体を通して流れているゆったりとした雰囲気は心地よく、またどこか背筋を伸ばさずにはいられないよう...続きを読むな気持ちにさせられる所がある、井上靖最後の長編小説である。
孔子の死後、弟子の一人が師匠と同門の高弟たちについて語る。 人生をかけて学ぶに足る師を見出した弟子たちの姿と、彼らを愛し、導いた師の人間としての大きさが、じわじわと膨らんでくる。 類似した内容が繰り返される描き方には読みにくさも感じるが、孔子が生涯をかけて、いかに繰り返し同じことを説いたかを考...続きを読むえると、自然に思える。その手法は、弟子が見聞きした師・釈尊の行跡や教えを語り合い、編纂された仏教経典の記述を思わせる。 孔門の「師弟」の人間的豊かさに感動し、驚かされもしたが、現代では失われつつあり、共感されにくいものでもあると思う。
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