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中世中国をめぐる三国の英雄策士の死闘胡馬を駆る異民族――大唐帝国統一までの七百年を、歴史全体の観点から捉え、数量史観で平明に描いた名著。波瀾万丈の中国中世史をダイナミックに概観する。
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Posted by ブクログ
唐にいたるまでの流れが、するりと頭に入ってくる。 学術書なのに歴史小説のような躍動感です。著者の視点・知識・筆力の全てにひれ伏すばかり。
中国中世は秦漢から始まるのではないという内藤湖南博士の説を冒頭に紹介して、巻末まで「中世の中国」を描きます。時代的には後漢末・三国・魏晋南北朝から唐まで。学者でありながら一般向けに描く文筆力に定評があるだけあって、読み物としても受け入れやすく仕上がっています。大学で東洋史でも専攻しなければ3秒で過ぎ...続きを読むてゆく南北朝をはじめとして、おそらく1980年代前後くらいの日本人の常識を踏まえて丁寧に書いています。(例えば自分が習った高校の世界史の教科書には一言「劉祐の宋」とあるだけだったが、東晋の歩んだ歴史と滅亡の歴史も踏まえて、駄目な集団の中にひときわ輝く劉祐の姿をみることができる)。 ヨーロッパ、西アジアに触れた箇所も、高校程度の世界史の知識があればなるほどと思うはず。教養として、また、三国志の世界をより良く知るための架け橋となる知識を得るなど趣味として、一度は読んでおきたい本だと思います。
2016/12/1 中国の中世は興亡の歴史である。内乱に明け暮れ、異民族が支配者となり、猜疑心から身内の粛清が頻発し、なかなか安定しない。安定したかと思うと、朝廷が腐り始め、農民や軍閥のクーデターが勃発し、再び内乱となる。学ばないのだ。当時の政治力や軍事力では中国の国土は広すぎたのかもしれないな。
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