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本作はもはや伝説。沢木耕太郎の最高傑作がついに電子書籍化!
あのとき、政治は鋭く凄味をおびていた。ひたすら歩むことでようやく辿り着いた晴れの舞台で、61歳の野党政治家は、生き急ぎ死に急ぎ閃光のように駆け抜けてきた17歳のテロリストの激しい体当たりを受ける。テロリストの手には、短刀が握られていた。社会党委員長・浅沼稲次郎と右翼の少年・山口二矢――1960年、政治の季節に交錯した2人のその一瞬、“浅沼委員長刺殺事件”を研ぎ澄まされた筆致で描き、多くの人々の心を震わせたノンフィクションの金字塔。第10回(1979年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
Posted by ブクログ 2023年12月15日
社会党委員長の浅沼稲次郎が渋谷公会堂で行われた立会演説会の演説の最中にテロリストの若者と交錯した場面はテレビ映像で何回か見たことがあった。
この本は17際の少年がなぜ暗殺に及んだのか、また、その時現場にいた多くの人たちが何を見て何を感じたのか克明に描いている。
当時の政治情勢含めて詳細に描かれた秀作...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月13日
社会党政治家が右翼少年に刺殺された事件がテーマとなったノンフィクション作品。二人の過去を辿りながら、社会党政治家側の視点、右翼団体の視点、そして、テロ至るまでの経緯が丁寧に描かれている。
戦争、安保闘争、学生運動、その時々の人々の考えが伝わってくる、とても学びの多い作品だった。それぞれの転換期に...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月10日
私が生まれて間も無くの事件だった。
短刀を構えた青年が、壇上の浅沼氏に襲いかかる映像も何度も目にした。
子供心に公衆の面前で浅沼氏が刺殺されるというショッキングな事件を覚えている。
この作品で山口二矢という青年を知り、彼の思考を知り、あたかも鞘を持たない抜き身の刃物のような存在に思えたこともある。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月07日
ずっと前に買ってあったが、全く読めておらず本棚に眠っていた。さすがにノンフィクションの金字塔といわれる作品。読み応え十分。目のつけどころもすごいし、事件が事件だけに、取材するのが相当に大変だったと思われる。インタヴューを重ね丁寧に文章を紡ぐ。こんなことはなかなかできないことだと思う。この人にはかなわ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月30日
もう、三十年も前に読み終えた
ルポルタージュの名作、
本屋さんの棚に並んでいたので
懐かしく思い、奥付を見ると
「新装版」とある
これは 今一度 と…
やはり どきどき しながら
最期まで 読んでしまいました
「一瞬の物語」が
その時代の雰囲気と有り様を
見事に語ってくれる
あとがき、
それも...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月23日
1960年10月、社会党の浅沼稲次郎氏が刺殺されたテロ事件を、関係者への詳細な取材をもとに再現したもの。
犯人の山口二矢の生い立ちと、浅沼氏の生い立ち及び政治的思想の背景を綿密に調べ、殺された浅沼氏のそのときの状況と、殺した17歳の山口の焦燥などが詳しく語られ、非常に詳しくこの事件を再現している。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年11月10日
著者がまだ若いときに出版されたもので、著者が真実に迫ろうとする、真摯でまじめな姿勢がうかがえる。
まず、取材先の数が膨大である。
自分のなかの疑問を少しでも解き明かすため、著者はあらゆる関係者の声を聞きたかったのだろう。そのころはまだ大作家ではなく、おそらく自分でアポをとり、自分で取材趣旨を説明し...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月22日
本作を書き終えた沢木耕太郎は、当時20代後半。これだけ精緻なルポをその若さで書き上げたことに驚く。
山口二矢を凶行へと駆り立てた、青年特有のパトスは誰もが持ちうるものだ。しかし、それは浅い人間観に基づいた極端なユートピア思想であって、たとえばそれは日本赤軍のそれと根っこでは繋がっているように思える...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月17日
1960年10月12日。東京の日比谷公会堂では自民党・社会党・民社党の
3党首による立会演説会が行われていた。
民社党委員長の西尾末広の演説が終わり、社会党委員長の浅沼稲次郎
が壇上に立つ。
会場の右翼からは凄まじい怒号とヤジが飛ぶ。警戒する警備陣の
隙をつくように、ひとりの少年が壇上に駆け上が...続きを読む
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